日本電気
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「海底から宇宙まで」、ICTを活用した社会インフラの高度化を掲げる国内外の社会インフラ事業では、局用交換機、衛星地上局、マイクロ波通信設備、光海底ケーブル[14]、放送送信機などの通信装置や生体認証システムやNシステムのような監視システムなどのセキュリティシステムの構築実績を持つ。政府開発援助を活用し、新興国を中心にICTインフラの構築を手がけてきた。アフリカ1963年から取引があり、これまでアフリカ大陸の40カ国以上に、マイクロ波通信システムを納入した[15]。また、アジアの主要空港向けに、生体認証技術を活用した安全で確実な出入国審査を実現する電子パスポートシステムを提供している[16]。現地法人のある南アフリカでは、指紋認証による7千万人規模の国民IDシステムを構築した。

2019年現在、サーバ分野で富士通に次ぎ国内2位[17]である。メインフレームは現存する国内3社、世界6社のうちの1社である。ベクトル型スーパーコンピュータを製造する世界で現存する唯一のメーカーである[18][19]。通信設備では国内首位であり、通信衛星から光通信など様々な設備を販売している。PASOLINKブランドは、2000年代から2010年代前半にかけて小型の固定無線伝送装置で世界トップのシェアを持っていた[20]ネットワーク機器関連の製品ではUNIVERGEブランドが代表的な製品である。IoT/M2Mソリューションの製品にはCONNEXIVEがある。ITサービスでは、2016年時点で富士通とNTTデータに次ぐ、国内3位である[21]

人工衛星宇宙探査機については、日本において国内シェア約7割に相当する50機以上の開発実績を持ち、ロケットを手掛ける三菱重工業IHI、人工衛星を手掛ける三菱電機と共に、宇宙業界の通称「ビッグ4」の一角をなす。

人工知能を活用した画像認識[22]や自然言語認識[23]技術に強みを持ち、顔認識システムNeoFaceは国立標準技術研究所が主催する顔認証ベンチマークにおいて4回連続でスピード・精度ともに世界一である[24]。顔、虹彩、指紋・掌紋、指静脈、声、耳音響の6つの生体認証技術はBio-Idiomブランドでサービスを展開する[25]

これらの製品・サービスの国際市場への販売にも力を入れているとともに、海外メーカーなどの通信機器、コンピュータ、ソフトウェアも販売している。ただし、ハードウェア単体の販売や売り切りのSI受託開発から、継続的なサービスの販売や生体認証と人工知能をコアとしたITプラットフォームビジネスモデルへと構造改革を進めている。
沿革
創業から1980年頃まで

1899年明治32年)7月17日設立。岩垂邦彦米国ウェスタン・エレクトリック(以下W.E.社、現在のアルカテル・ルーセントの前身)が54%を出資する日米合弁会社であった。W.E.社は当初沖電機工場(現・沖電気工業)を合弁先に交渉したが、沖電機工場の沖牙太郎との間で条件がまとまらず成立しなかった[26]。このため、W.E.社の代理人として交渉に当たっていた岩垂が自ら会社を興して提携相手となった。これは日本最初の合弁企業の事例とされる。なお、1992年まで使用されていたNECのロゴタイプはW.E.社のロゴに由来している。1918年大正7年)W.E.社は海外投資部門を分離し、インターナショナル・ウェスタン・エレクトリック(以下I.W.E.社)を設立。1925年(大正14年)にI.W.E.社は買収され、インターナショナル・スタンダード・エレクトニクス・コーポレーション(I.S.E.社)と改称。

戦前は、電話交換機などの通信機器の製造を主な事業としていた。1928年昭和3年)に日本電気の丹羽保次郎小林正次らが昭和天皇即位大礼の写真のファクシミリ通信を成功させた業績で知られる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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