文化庁は、国土交通省や観光庁はじめ関係省庁と連携・協力し、省庁横断的に支援することを表明している[20]。また、申請・運用は自治体のみならず、民間(企業やNPO)参入も可能である含みを持たせている[20]。これは中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の促進に関する法律や地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律を応用することで可能になる。
認定後の地域の取組に温度差があることから、取組を評価し改善を図るため、2017年に日本遺産フォローアップ委員会が設置された[23]。
2月13日は「にほん(2)いさん(13)」とも読めるため、日本遺産の日とされている[24]。 2020年6月に、高野山の女人禁制に対応して生じた寺院群、通称「女人高野」が、「女性とともに今に息づく女人高野 ― 時を超え、時に合わせて見守り続ける癒しの聖地」というスローガンで日本遺産に認定された[25]。宗教学・文化人類学者の小林奈央子は、女人禁制は女性の穢れ視や戒律の問題等から生じ、男性中心主義的な宗教思想の中で強化・定着したものであり、このようなスローガンは、女性を聖地から排除してきた歴史を肯定するかのような表現で、「女人禁制下、参詣が認められた寺や女人堂で祈りを捧げるしかなかった女性たちの歴史がロマン化され、観光客誘致、地域活性化のために利用されている。」と厳しい批判を行い、こうした歴史を活用しようとすることの是非を問うている[25]。 2017年10月11日、「日本遺産フォローアップ委員会」が設置された。その目的は、認定された日本遺産が各地域での取り組み状況に差が出てきており、どのような状況になっているのかを検証し、改善をはかる必要があるためと文化庁は説明している[26]。 日本遺産認定により知名度が向上し、実際に観光客が増えた地域もあるが、伸び悩み取り残される認定地も出てきている[27]。また、認定地の中には観光化をより推進するために、遺産認定が意味する本質とは異なる取り組みを行う傾向も一部にみられることから、認定のあり方を含め、場合によっては認定解除という厳しい対応も視野に入れた検討を行うべきとの意見もある[28][29]。 「近代化産業遺産」の認定事業は、経済産業省が2007年から2009年に、66件の「近代化産業遺産群」を認定している。産業の近代化を遺産群と組み合わせて「ストーリー」をつくり、その「ストーリー」を審査し認定していること、地域の活性化を目的にしていることなど、認定事業の類似性が指摘されている[30]。 文化庁が目安としている2020年が過ぎても、事業が継続すること。また、補助が終わった案件も継続的なフォローが実施されることなど[29]。2020年12月、日本遺産のフォローアップを受けながら6年間で成果(定量・定性的目標の達成度や、日本遺産フォローアップ委員会の評価)をあげられなかった地域、次の3年間の地域活性化計画の認可を受けられなかった地域について、時間的猶予を与えた上で、認定解除する制度を作る旨が通知された。また、新たに認定候補地域の募集が2021年3月から始まり、候補地域への認定とフォローアップを経て、解除地域との入れ替えを行い、認定団体数は100件程度を維持すると指針が示された。 認定日名称自治体都道府県コード構成文化財
認定の問題
認定後の課題
認知度の低さ
近代化産業遺産の認定事業との類似
事業の継続
一覧
12015年4月24日近世日本の教育遺産群
?学ぶ心・礼節の本源?全国 茨城県:水戸市
栃木県:足利市
岡山県:備前市
大分県:日田市旧弘道館、常磐公園(偕楽園)、旧水戸彰考館跡、日新塾跡
22015年4月24日かかあ天下
?ぐんまの絹物語?10 群馬県:桐生市、甘楽町、中之条町、片品村富沢家住宅、中之条町六合赤岩伝統的建造物群保存地区、永井流養蚕伝習所実習棟、旧小幡組製糸レンガ造り倉庫
32015年4月24日加賀前田家ゆかりの町民文化が花咲くまち高岡
?人、技、心?16 富山県:高岡市瑞龍寺、前田利長墓所、五福町神明社本殿、大手町神明社拝殿、高岡城跡、前田利長公御親書(木町神社所蔵)、高岡御車山、高岡御車山祭の御車山行事、与四兵衛顕彰碑、明和八年製高岡町図(中央図書館所蔵)、山町筋伝統的建造物群保存地区、菅野家住宅、筏井家住宅、旧室崎家住宅、金屋町伝統的建造物群保存地区、仁安の御綸旨、前田利長書状(高岡市立博物館所蔵)、有礒正八幡宮、銅造阿弥陀如来坐像、高岡鋳物の製作用具及び製品(高岡市鋳物資料館所蔵)、御印祭、旧南部鋳造所キュポラ及び煙突、梵鐘龍頭木型、戸出御旅屋の門、勝興寺、伏木港、旧秋元家住宅(高岡市伏木北前船資料館)、棚田家住宅、能松家住宅、有藤家住宅、高岡商工会議所伏木支所、高岡市伏木気象資料館、丸谷家住宅、佐野家住宅、清都酒造場、越中福岡の菅笠製作技術、菅笠問屋の町並み
42015年4月24日灯り舞う半島 能登
?熱狂のキリコ祭り?17 石川県:七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、穴水町、能登町能登島向田の火祭、六保納涼祭(六保のおすずみ祭り)、塩津かがり火恋祭り(塩津のおすずみ祭り)、唐島神社社叢タブ林、新宮納涼祭(釶打のおすずみ祭り)、藤津比古神社本殿、七尾祇園祭、石崎奉燈祭、水無月祭り、輪島大祭、御神事太鼓、名舟大祭、輪島市名舟御陣乗太鼓、中島屋の大切籠、曽々木大祭、曽々木海岸、寺家キリコ祭り、須須神社社叢、宝立七夕キリコ祭り、蛸島キリコ祭り、蛸島早船狂言、冨木八朔祭礼、西海祭り、沖波の大漁祭り、恋路の火祭り、あばれ祭(宇出津のキリコ祭り)、柳田大祭、にわか祭、松波人形キリコ祭り、能登のキリコ祭り