「日本語」の範囲を本土方言のみとした場合、琉球語が日本語と同系統の言語になり両者は日琉語族を形成する。
琉球列島(旧琉球王国領域)の言葉は、日本語と系統を同じくする別言語(琉球語ないしは琉球諸語)とし、日本語とまとめて日琉語族とされている。共通点が多いので「日本語の一方言(琉球方言)」とする場合もあり、このような場合は日本語は「孤立した言語」という位置づけにされる。「日琉語族#概要」および「日琉祖語#日琉の分岐」も参照
日本語(族)の系統については明治以来様々な説が議論されてきたが、いずれも他の語族との同系の証明に至っておらず、不明のままである[25][26][27][28][注釈 10]。
アルタイ諸語との関係アルタイ諸語の分布
アルタイ諸語に属するとする説は、明治時代末から特に注目されてきた[29]。その根拠として、古代の日本語(大和言葉)において語頭にr音(流音)が立たないこと、一種の母音調和[30]が見られることなどが挙げられる。古代日本語に上記の特徴が見られることは、日本語が類型として「アルタイ型」の言語である[31]根拠とされる。アルタイ諸語に属するとされるそれぞれの言語の親族関係を支持する学者のほうがまだ多いが、最近のイギリスではアルタイ諸語の親族関係を否定する学者も現れている[32]。詳細は「日本語の起源#アルタイ語族説」および「アルタイ諸語#構成言語と共通の特徴」を参照 朝鮮語とは語順や文法構造で類似点が非常に多い。音韻の面でも、固有語において語頭に流音が立たないこと、一種の母音調和が見られることなど、共通の類似点がある(その結果、日本語も朝鮮語もアルタイ諸語と分類される場合がある)。世界の諸言語の広く比較した場合、広く「朝鮮語は日本語と最も近い言語」とされている。ただし、閉音節や子音連結が存在する、有声・無声の区別が無い、といった相違もある。基礎語彙は、共通点もあるが、かなり相違する面もある。詳細は「日本語の起源#朝鮮語同系説」を参照 紀元8世紀までに記録された朝鮮半島の地名(「高句麗地名」を指す)の中には、満州南部を含む朝鮮半島中部以北に、意味や音韻で日本語と類似した地名を複数見いだせる[33]。これを論拠として、古代の朝鮮半島では朝鮮語とともに日本語と近縁の言語である「半島日本語」が話されていたと考えられている[34][35]。 「高句麗地名」より抽出される単語のうち日本語に同根語が見出しうるもの原語訓釈上代日本語 また、高句麗語に鉛(なまり)=那勿(ナムル)、泉(いずみ)=於乙、土(つち)は内、口(くち)は口次と呼んでいた記録があり、高句麗の武将である泉蓋蘇文は日本書紀で伊梨柯須彌(イリカスミ)と記録されていて、泉(いずみ)は高句麗語で於乙(イリ)と呼ばれていたことが分かる。
朝鮮語との関係
半島日本語との関係
漢字中古音[注釈 11]中期朝鮮漢字音[注釈 12]
密mitmil三mi?[36][37]
于次hju-tshijHwucha五itu[36][37]
難隱nan-??nXnanun七nana[36][37]
コtoktek十to?wo[36][37]
旦tanHtan谷tani[36][37]
頓twontwon
?thenthon
烏斯含?u-sje-homwosaham兔usagi?[36][37]
那勿na-mjutnamwul鉛namari[36][37]
買m?Xmay水mi?(du) <*me [36][37][38]
美mijXmay
彌mjieXmi