日本国外では、主として、中南米(ペルー[13]・ブラジル[13]・ボリビア・ドミニカ共和国・パラグアイなど)やハワイなどの日本人移民の間に日本語の使用がみられる[注釈 8]が、3世・4世と世代が下るにしたがって非日本語話者が多くなっているという[14]。また、太平洋戦争の終結以前に日本領ないし日本の勢力下にあった朝鮮総督府の朝鮮半島・台湾総督府の台湾・旧満州国で現在中華人民共和国の一部・樺太庁の樺太(サハリン)・旧南洋庁の南洋諸島(現在の北マリアナ諸島・パラオ・マーシャル諸島・ミクロネシア連邦)などの地域では、日本語教育を受けた人々の中に、現在でも日本語を記憶して話す人がいる[注釈 9]。台湾では先住民の異なる部族同士の会話に日本語が用いられることがある[16]だけでなく、宜蘭クレオールなど日本語とタイヤル語のクレオール言語も存在している[17]。
また、パラオのアンガウル州では歴史的経緯[注釈 10]から日本語を公用語の一つとして採用している[18][注釈 2]が、現在州内には日本語を日常会話に用いる住民は存在せず、象徴的なものに留まっている[19][注釈 11]。
日本国外の日本語学習者は2015年調査で365万人にのぼり、中華人民共和国の約95万人、インドネシアの約75万人、大韓民国の約56万人、オーストラリアの約36万人、台湾の約22万人が上位となっている。地域別では、東アジア・東南アジアで全体の学習者の約8割を占めている。日本語教育が行われている地域は、137か国・地域に及んでいる[23]。また、日本国内の日本語学習者は、アジア地域の約16万人を中心として約19万人に上っている[24]。詳細は「日本語教育」を参照 「日本語」の範囲を本土方言のみとした場合、琉球語が日本語と同系統の言語になり両者は日琉語族を形成する。 琉球列島(旧琉球王国領域)の言葉は、日本語と系統を同じくする別言語(琉球語ないしは琉球諸語)とし、日本語とまとめて日琉語族とされている。共通点が多いので「日本語の一方言(琉球方言)」とする場合もあり、このような場合は日本語は「孤立した言語」という位置づけにされる。「日琉語族#概要」および「日琉祖語#日琉の分岐」も参照 日本語(族)の系統については明治以来様々な説が議論されてきたが、いずれも他の語族との同系の証明に至っておらず、不明のままである[25][26][27][28][注釈 12]。 アルタイ諸語に属するとする説は、明治時代末から特に注目されてきた[29]。その根拠として、古代の日本語(大和言葉)において語頭にr音(流音)が立たないこと、一種の母音調和[30]が見られることなどが挙げられる。古代日本語に上記の特徴が見られることは、日本語が類型として「アルタイ型」の言語である[31]根拠とされる。アルタイ諸語に属するとされるそれぞれの言語の親族関係を支持する学者のほうがまだ多いが、最近のイギリスではアルタイ諸語の親族関係を否定する学者も現れている[32]。詳細は「日本語の起源#アルタイ語族説」および「アルタイ諸語#構成言語と共通の特徴」を参照 朝鮮語とは語順や文法構造で類似点が非常に多い。音韻の面でも、固有語において語頭に流音が立たないこと、一種の母音調和が見られることなど、共通の類似点がある(その結果、日本語も朝鮮語もアルタイ諸語と分類される場合がある)。世界の諸言語の広く比較した場合、広く「朝鮮語は日本語と最も近い言語」とされている。
系統
アルタイ諸語との関係アルタイ諸語の分布
朝鮮語との関係