促音 /Q/ の子音は後にくる子音によって変わってくる。 服部四郎は、母音ではじまる音節(ア行・ヤ行・ワ行)の前に子音 /'/ があると考え[15]、これによっていくつかの音声的事実を説明できるとする。この音素を立てた場合、日本語のすべての音節は子音で始まることになる。柴谷方良は /'/ の存在を疑っている[16]。 服部四郎は、/?/ を /?/ とは別の音素とする。 ということを根拠とする。しかし、多くの学者はこれに反対している[18]。 「チ・ツ」の子音が「タ・テ・ト」の子音と音韻的に同じかどうかについては議論がある。服部四郎は /t/ が /j/ /i/ /u/ の前だけで破擦音になる理由がないとして、/t/ とは別に /c/ を立てる[19]。しかし /c/ を認めず、「チ・ツ」を /ti/・/tu/ とする解釈もある[20]。 前者の解釈では /ti/・/tu/ および /di/・/du/ は空き間(あきま)になっている(理論的には存在するが歴史的理由でその音をもつ語が存在しない)と解釈する。後者の解釈では /di/・/du/ は /zi/・/zu/ と中和していると考えることになる。 服部四郎は促音を音素 /Q/ とする。たとえば「あった」は /aQta/ になる。これを /atta/ と解釈することも可能である。 金田一春彦は長音のために長音素を立てる[21]。服部四郎は音声的実体がないとしてこれに反対するが[22]、柴谷方良は金田一春彦に賛成する[23]。 日本語東京方言は高低アクセントを持つ。すなわち、一語のうちの最後に高くなるモーラが語によって決まっている。服部四郎の用語ではこれをアクセント核と呼ぶ。金田一春彦は低くなるモーラの前にアクセントの滝があると考える(ダウンステップを参照)。 各モーラの高さはアクセント核から予測可能である。アクセント核が第2モーラ以降にあれば第1モーラは通常低い。第2モーラからアクセント核のあるモーラまでは高く、それ以降は低い。アクセント核のない、いわゆる平板調の語もある。 現代日本語の連音現象としては、連濁が代表的である。ほかに連声・音挿入・音便などがあるが、生産的ではない。
破裂音の前ではその破裂音の内破音である。
/p/ の前では [p?] になる。
例 葉っぱ [hap?pa]
/t/ の前では [t?] になる。
例 打った [ut?ta]
/k/ の前では [k?] になる。
例 作家 [sak?ka]
破擦音の前では内破音の[t]になる。
例 一致 [it?t?i]
例 ブリッジ [bu?it?d?i]
例 グッズ [gut?dzu]
例 三つ [mit?tsu]
摩擦音の前ではその摩擦音を伸ばす。
例 あっさり [assa??i]
例 一緒 [i??o]
例 バッハ [bahha]
例 ビュッフェ [bju??e]
例 ワッフル [wa??u?u]
語末では声門閉鎖音 [?] になる。
例 あっ [a?]
子音の音韻的解釈上の議論
/'/
/?/
/oo?arasu/ (大鴉)と /oogarasu/ (大ガラス)のような最小対がある。[17]
語頭でも /?a/ 「が、(しかし……)」のように言うことがある。
/c/
/Q/
/R/
アクセント詳細は「アクセント#日本語のアクセント」および「日本語の方言のアクセント」を参照
連音
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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