日本語の音韻
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摩擦音? ふぁ(β )s z c ひゃ(? )h
接近音β? (? )j (?
側面音側面接近音  (l
側面はじき音  (? [d????]


上の表の括弧内の子音は異音である。

/p/・/t/・/k/ は通常弱い有気音になる[9]

子音は /i/ または /j/ の前では強く口蓋化される。[n] → [n?]、[p] → [p?] など。

/t/・/d/・/n/ は舌端音歯音(つまり、舌は、上の歯の後ろと歯茎の前部と接触する)として調音される。 [t?]・[d?]・[n?]

/t/・/d/は舌端音歯音、/s/・/z/ は舌端音歯茎音である。

/i/ の前では歯茎硬口蓋音 [t] → [t?]、[d] → [(d)?]、[s] → [?]、[z] → [(d)?] になる。

/u/ の前では歯茎音 [t] → [ts]、[d] → [(d)z]、[s] → [s]、[z] → [(d)z] になる。


/?/ は主に外来語に現れる。独立した音素とみなさないこともできる。/u/ の前では /h/ と区別されない。

/?/ (ガ行鼻濁音)は一部の話者にのみ現れ、それ以外の話者は /?/ と区別しない。これが /?/ と異なる音素かどうかについては議論がある。

/?/ は(ガ行鼻濁音にならない場合)母音間では摩擦音 [?] になることが多い。

/b/ は母音間では摩擦音 [β] になることが多い[10]

/z/ は破擦音として現れることが多い。典型的には語頭と撥音 /?/ の後で破擦音 [dz]、母音の後ろでは摩擦音 [z] になる。

/r/ はさまざまな形であらわれる。服部によると調音部位も後続する母音によって異なる[11]。IPAハンドブックによれば[12]

語頭と撥音 /?/ の後では摩擦部分の短い後部歯茎破擦音 [d????] である。

それ以外の位置では後部歯茎はじき音 [??] である(IPAハンドブックではそり舌はじき音 [?] を使用している)。

すべての位置で後部歯茎側面接近音 [l?] が現れることがある。

環境によっては歯茎接近音 [?] が現れることがある。

また環境によっては後部歯茎ふるえ音 [r?] が現れることがある[要出典]。


/h/ は /i/ の前では無声硬口蓋摩擦音 [c] になり、/u/ の前では無声両唇摩擦音 [?] になる[13]

/w/ は母音 /u/ と同様に、唇を突き出したり丸めたりせず、上唇と下唇を近づけて、その狭い隙間から音を出す両唇接近音 [β?]。この音を軟口蓋接近音 [?] で表すこともある[14]

撥音/N/の子音

撥音 /N/ は、後ろが子音が続くときはその子音と同じ調音位置になる。

[n]・[t]・[d] の前では
歯茎鼻音 [n] になる。

[m]・[p]・[b] の前では両唇鼻音 [m] になる。

[k]・[g] の前では軟口蓋鼻音 [?] になる。

母音、半母音、摩擦音または、はじき音の前のときは鼻母音になる。

語末では通常は口蓋垂鼻音 [?]、たまに軟口蓋鼻音 [?] になる。歌手の多くは両唇鼻音 [m]を語末の「ん」として使う。


促音 /Q/ の子音

促音 /Q/ の子音は後にくる子音によって変わってくる。

破裂音の前ではその破裂音の
内破音である。

/p/ の前では [p?] になる。

例 葉っぱ [hap?pa]


/t/ の前では [t?] になる。

例 打った [ut?ta]


/k/ の前では [k?] になる。

例 作家 [sak?ka]



破擦音の前では内破音の[t]になる。

例 一致 [it?t?i]

例 ブリッジ [bu?it?d?i]

例 グッズ [gut?dzu]

例 三つ [mit?tsu]


摩擦音の前ではその摩擦音を伸ばす。

例 あっさり [assa??i]

例 一緒 [i??o]

例 バッハ [bahha]

例 ビュッフェ [bju??e]

例 ワッフル [wa??u?u]


語末では声門閉鎖音 [?] になる。

例 あっ [a?]


子音の音韻的解釈上の議論
/'/

服部四郎は、母音ではじまる音節(ア行・ヤ行・ワ行)の前に子音 /'/ があると考え[15]、これによっていくつかの音声的事実を説明できるとする。この音素を立てた場合、日本語のすべての音節は子音で始まることになる。柴谷方良は /'/ の存在を疑っている[16]
/?/

服部四郎は、/?/ を /?/ とは別の音素とする。

/oo?arasu/ (大鴉)と /oogarasu/ (大ガラス)のような最小対がある。
[17]

語頭でも /?a/ 「が、(しかし……)」のように言うことがある。

ということを根拠とする。しかし、多くの学者はこれに反対している[18]
/c/

「チ・ツ」の子音が「タ・テ・ト」の子音と音韻的に同じかどうかについては議論がある。服部四郎は /t/ が /j/ /i/ /u/ の前だけで破擦音になる理由がないとして、/t/ とは別に /c/ を立てる[19]。しかし /c/ を認めず、「チ・ツ」を /ti/・/tu/ とする解釈もある[20]

前者の解釈では /ti/・/tu/ および /di/・/du/ は空き間(あきま)になっている(理論的には存在するが歴史的理由でその音をもつ語が存在しない)と解釈する。後者の解釈では /di/・/du/ は /zi/・/zu/ と中和していると考えることになる。
/Q/

服部四郎は促音を音素 /Q/ とする。たとえば「あった」は /aQta/ になる。これを /atta/ と解釈することも可能である。
/R/

金田一春彦は長音のために長音素を立てる[21]服部四郎は音声的実体がないとしてこれに反対するが[22]、柴谷方良は金田一春彦に賛成する[23]
アクセント詳細は「アクセント#日本語のアクセント」および「日本語の方言のアクセント」を参照

日本語東京方言は高低アクセントを持つ。すなわち、一語のうちの最後に高くなるモーラが語によって決まっている。服部四郎の用語ではこれをアクセント核と呼ぶ。金田一春彦は低くなるモーラの前にアクセントの滝があると考える(ダウンステップを参照)。

各モーラの高さはアクセント核から予測可能である。アクセント核が第2モーラ以降にあれば第1モーラは通常低い。第2モーラからアクセント核のあるモーラまでは高く、それ以降は低い。アクセント核のない、いわゆる平板調の語もある。
連音

現代日本語の連音現象としては、連濁が代表的である。ほかに連声音挿入音便などがあるが、生産的ではない。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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