日本産業規格
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鉱工業品の包装の種類、型式、形状、寸法、構造、性能または等級

鉱工業品の包装方法

鉱工業品に関する試験分析鑑定検査検定または測定の方法

鉱工業の技術に関する用語略語記号符号標準数または単位

プログラムその他の電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)(以下単に「電磁的記録」という。)の種類、構造、品質、等級又は性能

電磁的記録の作成方法又は使用方法

電磁的記録に関する試験又は測定の方法

建築物その他の構築物の設計、施行方法または安全条件

役務(農林物資の販売その他の取扱いに係る役務を除く。以下同じ。)の種類、内容、品質又は等級

役務の内容又は品質に関する調査又は評価の方法

役務に関する用語、略語、記号、符号又は単位

役務の提供に必要な能力

事業者の経営管理の方法(日本農林規格等に関する法律第二条第二項第二号に規定する経営管理の方法を除く。)

前各号に掲げる事項に準ずるものとして主務省令で定める事項

鉱工業品には、産業標準化法第2条第1号の定義により、医薬品農薬化学肥料蚕糸および農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律による農林物資を含まない。

国家標準

産業標準化法における定義から明らかなように、JISは、日本全国を単位とした標準化のための基準である。この意味で、JISは日本の国家標準である。

JIS以外の日本の国家標準としては、日本薬局方日本農林規格 (JAS) などがある。
公的標準

JISは、法律に基づく手続を経て制定される標準であり、JISには一定の公正さが期待できる。このため、日本の法令が技術的な基準への適合を強制するにあたって、その基準としてJISを採用することがある。この意味で、JISは公的標準 (デジュリスタンダード; de jure standard)である。
産業標準

産業標準化法が改正され、データ、サービスも対象になったが、物に対する標準としては、定義から明らかなように、JISが鉱工業に関する標準化のための基準、すなわち工業標準であることに変更はない。医薬品、農薬、化学肥料、蚕糸、食料品などの標準化は、日本薬局方および日本農林規格の範疇である。

産業標準化法が改正される前においても、情報技術についても工業標準としており、工業の範囲が広がっていた。情報技術分類では、対象となる情報の標準を制定している。そのため、「工業」の範疇に収まらないJISも、近年制定されていた。例えば、2007年にはJIS X 0814 図書館統計というJISを制定している。今後は改正後の「電磁的記録」の標準として位置づけがされる。
任意標準

JISそれ自体は、JISに適合しない製品の製造販売、使用、JISに適合しない方法の使用などを禁ずるものではない。この意味で、JISは基本的に任意標準である。ただし、国および地方公共団体に対して、JISは強制標準に準じた性格を有している。工業標準化法第67条は、および地方公共団体が鉱工業に関する技術上の基準を定めるとき、買い入れる鉱工業品に関する仕様を定めるときなどに、JISを尊重すべきことを定めている。また、JISは法令が引用すれば、強制標準としてはたらくこともある。例えば、工業用水道事業法施行令第1条は、工業用水道事業者に対して、JIS K 0101 工業用水試験方法による水質の測定を、工業用水道事業法第19条の測定として義務づけている。
規格

「標準」と「規格」は、英語では共に「standard」であるためよく混同される。しかし厳密には、「規格」が文書化された基準(例:「デジュールスタンダード (de jure standard)」など)を指すのに対し、「標準」はより広義で、事実上標準化した基準である「デファクトスタンダード (de facto standard)」をも包含する。例えば、Microsoft Officeはデファクトスタンダードであるため、国際標準とは呼べるが、標準化団体の制定した国際規格ではない。
制定から廃止まで
原案作成

JIS制定の手続は、主務大臣の意思又は利害関係人若しくは認定産業標準作成機関の申し出によって開始される。

主務大臣の意思によってJISを制定するときは、主務大臣または主務大臣から委託を受けた者がJISの原案 (draft) を作成する。主務大臣は、標準化のための調査研究やJIS原案の作成を、国費を支出して日本規格協会(JSA)などの適当な者に委託する。JIS原案の作成を委託された団体には原案作成委員会 (drafting committee) が結成され、この委員会がJIS原案を作成する。主務大臣はできあがった原案を日本産業標準調査会(JISC)に付議する。ただし認定産業標準作成機関が原案を作成した場合は付議を要さない。

利害関係人は、みずから作成した原案を添えて、主務大臣に工業標準を制定すべき旨を申し出ることができる(産業標準化法第12条第1項)。申し出を受けた主務大臣がJISを制定すべきと認めるときは、大臣はその原案をJISCに付議する。制定の必要がないと認めるときは、大臣はJISCの意見を徴したうえ、その旨を理由とともに利害関係人に通知する。現在、つくられる規格の約80パーセントは利害関係人からの申し出による(日本工業標準調査会 2003)。

認定産業標準作成機関は、2019年の改正であらたに作られた。JISの原案を作成する約300ある業界団体のうち、これまでに十分な実績があって、適正な合意形成プロセスを持つ団体については、「認定産業標準作成機関」として認定する。これらからの原案については、審議会での審議を省くことで制定のスピードアップがされる。
制定

日本産業標準調査会 (JISC)は、その標準部会 (the Standard Board) のもとに設置された専門委員会 (technical committee) において、主務大臣から付議された原案の審議 (investigation) および議決をする。標準部会長から上申を受けた調査会長は、主務大臣に答申する。JISを制定すべき旨の答申を受けたとき、主務大臣がJISの制定 (establishment) をする。

主務大臣は環境大臣経済産業大臣厚生労働大臣国土交通大臣総務大臣農林水産大臣文部科学大臣または内閣総理大臣である(産業標準化法第72条)。複数の主務大臣が連名でJISを制定することもある。経済産業大臣を主務大臣とする規格が圧倒的に多い。やや古いデータであるが、工業技術院標準部 (1997)によれば、1997年3月末の時点で有効な規格8,161件のうち、通商産業大臣が主務大臣を務めるものは、他の大臣と共管の135件を含めて7,193件である。これは全規格の88パーセントを占める。

JISを制定した主務大臣は、その旨の公示 (announcement) をする。公示は、名称、番号、および制定年月日を官報に掲載することによりおこなわれる(産業標準化法施行規則第3条)。JISの内容は官報には掲載されない。内容は経済産業省本省、経済産業局、沖縄総合事務局または都道府県庁で閲覧に供される。調査会のサイトにおいてPDFで閲覧することもできる。
確認、改正または廃止

主務大臣は、JISの制定、確認または改正の日から5年以内に、それがなお適正であるかをJISCに付議する。JISCの答申に基づいて、主務大臣はJISの確認 (re-affirmation)、改正 (revision) または廃止 (withdrawal) をおこなう。

制定、確認または改正から年月が経過しても規格が適正であるとき、規格は確認される。年月の経過にともなって規格を改める必要が生じたとき、規格は改正される。年月が経過して規格がもはや不要になったとき、規格は廃止される。

主務大臣は、JISを確認、改正または廃止したときには、制定したときと同様に、その旨を公示する。
適合性

製品がJISの要求を満足していることをJISに適合しているといい、適合していることを適合性 (conformance) という。製造者や輸入者が製品のJISへの適合性を取引者や需要者に示す手段として、第三者による認証 (certification)、第二者による確認、および第一者自己適合宣言の三つがある。
認証

2005年10月1日から施行された改正法のもとでは、製品のJISへの適合性を登録認証機関が認証する。製造者または輸入者は、登録認証機関に認証を申請し、登録認証機関による審査を受ける。適合性の認証を受けた製品には、JISマークを表示することができる。
自己適合宣言

自己適合宣言の指針はJIS Q 1000 適合性評価?製品規格への自己適合宣言指針に定められている。
規格票

JISの内容は規格票という文書にあらわされる。

規格票の発行は、その「出版に関しては、規格の適正かつ網羅的な普及の観点から、あらゆる規格について需要に応じ一元的に販売できる体制を整えることが必要である」ことから[5]、日本規格協会 (JSA)に委託されている。2009 (平成21)年度においては、規格票とJISハンドブックの販売によるJSAへの収入は、1,574,901,508円であった[6]

規格票の様式はJIS Z 8301 規格票の様式及び作成方法 (Rules for the layout and drafting of Japanese Industrial Standards) というJISに規定されている。
JISハンドブック

JSAは、複数の規格票を分野ごとにまとめた縮刷版をJISハンドブックとして発行している。JISハンドブックは、多くの規格について、規格票の冒頭に記されたまえがきや末尾に付された解説を収録していない。また、一部の規格については、本文の一部を収録していない。JISハンドブックの各巻は1年から3年に1度改訂される。
規格番号

JISの部門記号および部門部門記号部門
A
土木及び建築
B一般機械
C電子機器及び電気機械
D自動車
E鉄道
F船舶
G鉄鋼
H非鉄金属
K化学
L繊維
M鉱山
Pパルプ及び
Q管理システム
R窯業
S日用品
T医療安全用具
W航空
X情報処理
Yサービス
Zその他

個々のJISは規格番号によって識別できる。


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