日本沈没
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

また「日本沈没」の情報の真偽に苦悩する政府の姿も描かれる。一方、本作品では、まず学界の最高権威(アメリカ測地学会)より「40年以内に日本は沈没する」と説明される[注釈 25]ことにより、政府が「日本沈没」を既成事実として受け入れてしまい、渡老人の登場や政府の苦悩を描く必然性がなくなっている[注釈 26]

原作や前作では、物語終盤にて日本政府や世界各国が日本人救出に全力を尽くすが、本作品では逆に、政府首脳が“難民受入交渉”と称し我先に海外逃亡、また世界各国があまりにも多く押し寄せてきた日本人の受け入れに難色を示すなど冷淡な態度を取られる。一方で日本海溝にあるプレート切断作戦のために掘削機を提供したりするなど協力してくれる国もある。

原作では南関東直下地震で250万人、73年版では360万人の死者・行方不明者が出る。それに対し、2006年公開版では東京は終盤の全ての住民の退避後に津波が襲来している[注釈 27]

原作では架空の深海探査艇である「わだつみ」と「ケルマデック」が潜水調査に用いられたが、本作では実在の深海探査艇である「しんかい6500」「しんかい2000」がそれぞれ「わだつみ6500」「わだつみ2000」の名で登場する。D1計画の中心になる調査船も、原作や1973年映画版の艦船から、実在の地球深部探査船「ちきゅう」に変更された。

作中での時代設定は2007年

各地の被害

冒頭、
駿河湾沖を震源とする大地震が発生し、神奈川県南部が壊滅する。

北海道南岸で地震が発生し十勝岳富良野岳で大規模な噴火が発生、死者が出る。

阿蘇山で観測史上最大規模の噴火が発生。阿蘇カルデラは事実上消滅する。火山弾熊本市にまで飛来し、熊本城が崩壊、熊本市は都市機能を失う。また、日本国民の避難受け入れ交渉のために中国へ向かう山本総理を乗せた日本国政府専用機が噴火に巻き込まれ墜落し、山本総理は死亡。

長崎県では妙見岳、国見岳が噴火する。

鹿児島県桜島が噴火する。

紀の川吉野川を震源とする地震が発生する。この地震により、高知県との通信が途絶える。

青森湾西岸、津軽山地、能代断層で断続的に地震が発生する。

九州地方全域で通信が途絶える。

東北地方では断続的に地震が発生し、断層が最大10mずれる。

中央構造線が裂け、九州四国が南北に分断される。

北海道南部ではプレートの断裂が始まり分断されていく。

島根県三瓶山が2000年ぶりに活動を開始する。

石川県南部、香川県西部、京都府北部で震度7の地震が発生。地震の影響で南海電鉄南海本線全線が不通となる。

函館市に津波が来襲して水没する。

水門が開放され品川区渋谷区などが水没する。

小松飛行場広島空港で火山灰の降灰量が離着陸の許容範囲を超え使用不能となる。

静岡県天竜川河口、長野県諏訪湖新潟県糸魚川の複数震源で地震が発生。マグニチュードは7.4以上。東京は最大震度6強の激しい揺れに襲われる。

登場人物の設定

前述の通り、ストーリー設定が変更されたため、登場人物も原作より設定変更などがなされている。

小野寺は原作では
神戸市出身だが、会津地方造り酒屋の息子に変更されている。

玲子は原作では下田市出身だが、本作品では神戸出身で阪神・淡路大震災によって両親を亡くし、東京の叔母に引き取られたことになっている。

田所博士は原作よりも若く設定され、鷹森大臣と元夫婦の設定。

中田は登場するが、原作の情報学者でなく防衛連絡調整官となっている。

福原教授は、原作では前述の救済策を練る比較文明論の教授である。

野崎官房長官は、原作では難民受入交渉の先頭に立つ外交官(名前は異なり八郎太)である。

渡老人が登場しない。


下記のように原作などにも登場しなかった人物が何人かいる。

田所の元妻、鷹森危機管理大臣。

駿河湾沖の震災を生き残った、倉木美咲(福田麻由子)。

阪神大震災で両親を失った玲子を女手一つで育てた「ひょっとこ」の女将、田野倉珠江(吉田日出子)とその常連客たち。


登場する女性の役割が異なっている(原作などではお嬢様だった玲子が東京消防庁ハイパーレスキューの救助隊員[注釈 28]、政府内で大災害対策の陣頭指揮を執るのが、女性である鷹森大臣)。

結末

N2爆薬という架空の兵器の使用が重要なポイントとなる。

当初の設定では核兵器が使用されることになっていたが、製作に加わっているTBSが「核兵器の使用」という設定に難色を示したため、核兵器と同等の破壊力を得られるという設定の架空の兵器に変更された。


原作などと異なり、結城・小野寺は物語中で命を落とす
[注釈 29]。逆に、原作・映画(1973年版)では日本列島と運命を共にした田所博士は、生命の危険に遭うこともなく生き残る。

原作などでは「ほぼ完全」に日本は沈没してしまった[注釈 5]が、本作品では部分的には水没するものの、最終的には日本沈没とはならない。

登場兵器・メカニック

地球深部探査船ちきゅう

大深度有人潜水調査船しんかい6500」 - 作中では「わだつみ6500

有人潜水調査船「しんかい2000」 - 作中では「わだつみ2000

73式小型トラック

73式中型トラック

73式大型トラック

1トン半救急車

高機動車

偵察用オートバイ

おおすみ型輸送艦おおすみ」「しもきた

エアクッション艇1号型

CH-47J

UH-60J

C-1

RF-4E

キャスト(2006年の映画)

肩書きは公開当時のもの。

小野寺俊夫(
JAMSTEC所属・潜水艇パイロット):草g剛SMAP

阿部玲子(東京消防庁・第八消防方面本部 ハイパーレスキュー隊員):柴咲コウ

田所雄介博士:豊川悦司

結城達也(小野寺の同僚 / 潜水艇パイロット):及川光博

倉木美咲(避難民の少女):福田麻由子

結城志穂(結城の妻):佐藤江梨子

結城海斗(結城の息子):鏑木海智

山本尚之(内閣総理大臣):石坂浩二

野崎亨介(内閣官房長官 → 内閣総理大臣臨時代理):國村隼

鷹森沙織(文部科学大臣 兼 危機管理担当大臣):大地真央

法務大臣:北村和夫

外務大臣:矢島健一

財務大臣:大口広司

梅津誠吾(防衛庁長官):石田太郎

統合幕僚長:並樹史朗

中田真一郎(防衛連絡調整官):遠藤憲一

篠原学(内閣参事官):松尾貴史


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:346 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef