日本武道館
[Wikipedia|▼Menu]
1961年(昭和36年)6月、柔道が1964年東京オリンピック正式競技に決定すると柔道愛好者の国会議員は「国会議員柔道連盟」を結成した。日本テレビの野外スタジオで開かれた発足祝賀会の席上で同連盟会長に就任した衆議院議員正力松太郎は、「世界に誇る武道の大殿堂を東京の中央に建設して、斯道の発展普及を図りたい」と表明。同年6月30日、「武道会館建設議員連盟」(会長:正力松太郎、副会長:水田三喜男松前重義佐藤洋之助赤城宗徳)を結成した[7]

この構想は衆議院議長清瀬一郎参議院議長松野鶴平内閣総理大臣池田勇人日本社会党委員長河上丈太郎民社党委員長西尾末広日本共産党議長野坂参三をはじめとする超党派の議員525名の署名が集まった。

1962年(昭和37年)1月31日、文部大臣の認可を得て「財団法人日本武道館」(会長:正力松太郎、副会長:木村篤太郎、松前重義、理事長:赤城宗徳)が発足[8]。建設地は二転三転した後北の丸に決定し、1964年(昭和39年)9月15日に日本武道館が落成した。同年10月3日、昭和天皇香淳皇后を迎え開館式を行った。同月15日には東京オリンピック公開競技武道(剣道、弓道、相撲)が、20日?23日には柔道が実施された。以来、日本武道館は、設立の趣旨に沿い、種々の武道振興普及事業、各種武道大会を行い、一方で公益的な使命をもつ国家的な諸行事にも広く活用されることとなる。
改修

柔道や空手会場となる2020年東京オリンピックパラリンピックに向け増築・改修を行った。練習施設である中武道場(ちゅう・ぶどうじょう)を含む「中道場棟」の増築を2018年6月ごろ着工、2019年6月の竣工で計画。2019年3月以降8月までに増設される。中武道場は東京オリンピックのテスト大会と位置付けられた8月25日からの2019年世界柔道選手権大会ではウォームアップ用の練習場として使用された。擬宝珠は世界柔道選手権開催中はネットに覆われ見えなくなっていた。2019年9月1日に世界柔道選手権が終了すると全面休館し、既存本館の大屋根改修、天井耐震化、バリアフリー化などを行った[9][10]。当初建設時も設計を担当した山田守建築事務所により改修が行われた[10][11]。建築時の屋根は銅板で、赤銅色が酸化して緑青色に変わっていったが、今回はステンレスアルミニウム合金を使用し、「イメージを維持し、周辺の緑に調和する」緑青色に塗装されている[11]。2020年7月29日に竣工式、8月15日に政府主催の全国戦没者追悼式が開かれた[11]

旧江戸城 田安門(重要文化財 2009年7月13日撮影)

九段下側入口

擬宝珠(ぎぼし)寸法は高さ3.35メートル、直径5.15メートル。

館内撮影(2018年10月)

春の武道館(明治大学入学式開催)

歴代会長
正力松太郎(1962年1月31日 - 1969年10月9日)

川島正次郎(1970年4月9日 - 1970年11月9日)

赤城宗徳(1971年9月27日 - 1974年7月2日)

松前重義(1975年11月27日 - 1991年8月25日)

江ア真澄(1991年9月18日 - 1996年5月21日)

坂本三十次(1996年6月1日 - 1998年6月5日)

塩川正十郎(1998年6月5日 - 2007年6月12日)

松永光(2007年6月12日 - 2017年6月13日)

高村正彦(2017年6月27日 - )

行事全日本剣道選手権大会

例年以下のような行事が開催されている。

1月 - 2月:全日本書初め大展覧会(正月には大道場で席書大会が行われる)

成人の日:鏡開き式・武道始め

2月:日本古武道演武大会(日本古武道協会共催)

3月中旬:全国高等学校柔道選手権大会

4月29日全日本柔道選手権大会

5月:全日本合気道演武大会

7月下旬 - 8月上旬:全日本少年武道錬成大会柔道剣道弓道空手道合気道少林寺拳法なぎなた銃剣道

8月:全日本銃剣道選手権大会

8月15日全国戦没者追悼式

9月:全国警察柔道選手権大会剣道選手権大会

10月13日前後:弥生慰霊祭記念柔道・剣道試合

10月:全国警察柔道大会剣道大会

11月3日全日本剣道選手権大会

11月中旬:全国吟剣詩舞道大会

11月下旬:自衛隊音楽まつり

12月第2日曜日:全日本空手道選手権大会(全空連主催)
また武道館では毎月1回全剣連主催の剣道合同稽古会を大道場で行っている。
武道憲章

1987年(昭和62年)4月23日、日本武道協議会設立10周年記念式典において武道憲章制定が行われている。「武道の新たな発展を期し、基本的な指針」として次のように掲げている。

(目的) 第一条:武道は、武技による心身の鍛錬を通じて人格を磨き、識見を高め、有為の人物を育成することを目的とする。

(稽古) 第二条:稽古に当たっては、終始礼法を守り、基本を重視し、技術のみに偏せず、心技体を一体として修練する。

(試合) 第三条:試合や形の演武に臨んでは、平素錬磨の武道精神を発揮し、最善を尽くすとともに、勝っておごらず負けて悔まず、常に節度ある態度を堅持する。

(道場) 第四条:道場は、心身鍛錬の場であり、規律と礼儀作法を守り、静粛・清潔・安全を旨とし、厳粛な環境の維持に努める。

(指導) 第五条:指導に当たっては、常に人格の陶冶に努め、術理の研究・心身の鍛錬に励み、勝敗や技術の巧拙にとらわれることなく、師表にふさわしい態度を堅持する。

(普及) 第六条:普及に当たっては、伝統的な武道の特性を生かし、国際的視野に立って指導の充実と研究の促進を図るとともに武道の発展に努める。
? 日本武道協議会、武道憲章
館内設備等館内の日章旗


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:85 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef