また、中央標準時の決定および現示に関しては、国立天文台がその事務を目的[15]の一部として設置[30]されている(この設置目的は、1955年(昭和30年)に改正された旧東京大学東京天文台の目的[31]から引き継がれている[32])。したがって中央標準時は、法令に基づいて国立天文台が中央標準時として決定・現示する時刻と言えるかもしれない。
NICTが通報する標準時と、国立天文台が決定・現示する中央標準時との関係については、どちらの機関も国際原子時の作成に寄与する原子時計を運転し[33][34][5]、それらの時計で決定する協定世界時(UTC)+9時間をそれぞれ標準時[2]、中央標準時[17][10]としているが、いかに不確かさが小さい(正確度と精度に優れた)時計であっても、同一の時計ではないので完全に時刻が一致することはない。これについて、NICTを所管する総務省と国立天文台を所管する文部科学省は、共同告示により、NICTが通報する標準時については国立天文台の決定する中央標準時により、その偏差を算出し、これをNICTにおいて公表するとしている[35]。
なお、過去の関係やその経緯については、#標準時の通報の歴史 を参照。
夏時間(サマータイム)「各国における夏時間#日本」および「夏時刻法」も参照
1952年の夏時刻法廃止後、法令での夏時間(サマータイム)[注 1]の採用はない。夏時刻法が適用されていた1948年 - 1951年のみ、5月(1949年のみ4月)第1土曜日から9月第2土曜日まで、サマータイムが実施されていた。なお、2004年 - 2006年(同年で終了)の7月 - 8月に北海道札幌市で試行されたいわゆる「北海道サマータイム」は、標準時を変えずに始業・終業時刻を1時間早める試みで、通常[注 1]の意味での夏時間ではない。 以下の標準時は、日本標準時(JST)と同じく協定世界時(UTC)を9時間進めた時刻である(厳密には、基準とする原子時計が異なるため、わずかな不確かさ(誤差)はある)。
JSTと定義が同じ標準時
ヤクーツク標準時 - ロシアのサハ共和国西部、アムール州で使われる。
インドネシア東部標準時(WIT)- インドネシア東部(イリアンジャヤ、モルッカ諸島など)