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東京天文台でGPS衛星を利用した時刻比較方式の定常運用が開始されたことにより[123] [注 3]、東京天文台の原子時計は欧米の原子時計と一億分の一秒の精度で時計比較が可能となった。これによって、ロランCの電波で東京天文台と時計比較しているアジア諸国の原子時計も[128]、1983年(昭和58年)後半から欧米並の精度となり国際原子時の決定に寄与できることになった[129] [130]。なお、これまでは、極東地域のロランC電波は欧米の機関では遠すぎて精度よく受信することができないため、欧米の原子時計とアジア諸国の原子時計とは精度のよい時計比較ができず(典型的な精度比較で、欧米内で 0.05 マイクロ秒であるのに対し、アジアと欧米の間では、0.2 マイクロ秒)、東京天文台の原子時計はパリの国際報時局(BIH、現IERS)が決めていた国際原子時を形成する平均母集団に参加できていなかった[131]


1984年(昭和59年)

1月

中央標準時は協定世界時 (UTC) に9時間を加えた(進めた)もの(厳密に言えば、法律に従って東京天文台が現示している中央標準時は、東京天文台で作られる協定世界時(区別して UTC(TAO) と書かれる)に9時間を加えたもの)であるといわれる。この背景には、前年から始まったGPS衛星を利用した時刻比較方式により、東京天文台の原子時計が国際原子時の決定に寄与できるようになったことがある[131]


2月

電波研究所でも、汎地球測位システム (GPS) 衛星のL1バンド (1575.42 MHz)、C/Aコードを利用した時刻比較受信機を開発、受信開始。これにより、今まで欧米から独立していた日本の原子時計が結合され、初めて国際原子時決定に寄与することとなる[132] [133]。これらのデータは、国際報時局(BIH、現IERS)へ送り始める。また、セシウムビーム一次周波数標準器Cs1 (RRL) の確度評価値を年1-2回不定期に送り国際原子時の較正寄与を開始[74]



1987年(昭和62年)

計量研究所 (NRLM) でGPS衛星を用いた時刻比較の試験を実施[134]


1988年(昭和63年)

1月1日

国際報時局 (BIH) が国際地球回転観測事業(IERS、現 国際地球回転・基準系事業)に改組され、国際原子時、協定世界時などの原子時計や周波数に関連する業務が、国際度量衡局に移管される[63]

地球回転の観測は、原子時計の精度とかけ離れた写真天頂筒 (PZT) から、電波、レーザーを使った高精度の距離観測(VLBI月レーザー測距人工衛星レーザー測距LIDARなど)に移行することになる[135]


4月8日

郵政省組織令の改正により、郵政省電波研究所 (RRL) が郵政省通信総合研究所 (CRL) と名称変更する[74][136] [137]


7月1日

国立学校設置法施行令の改正等により、東京大学に附置される研究施設の東京天文台 (TAO) [31]や文部省緯度観測所 (ILOM) 等を統合して、大学共同利用機関の文部省国立天文台 (NAOJ) に改組される[138] [注 4]
中央標準時の決定及び現示の業務は、原子時関係を三鷹にある位置天文・天体力学研究系の天文保時室が担当、世界時 (UT1) 関係を水沢の地球回転研究系および水沢観測センターが担当[140][141]

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