日本放送協会
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法83条1項に基づいて、広告放送(他人の営業に関する広告の放送)の禁止が規定されており、定款51条にも広告放送の排除が謳われている[注釈 13]。一方で法83条2項では「放送番組編集上必要であつて、かつ、他人の営業に関する広告のためにするものでないと認められる場合において、著作者又は営業者の氏名又は名称等を放送することを妨げるものではない」とも規定しており、必ずしも企業名商標等の放送が、一律に禁じられている訳ではない。

たとえば、ニュースで企業業績リコールについて報じる際は、企業名・商品名の言い換えは行われない。『アップル iPhone[23]自動車のリコール[24]が例として挙げられる。「放送禁止#日本における放送禁止の対象」も参照

これについて、取材・政策の基本姿勢を示した『NHK放送ガイドライン[25] では、第7章『情報と宣伝・公告』節において、放送で企業名などを扱う場合に、以下の観点を放送是非の判断基準として、さらに企業名の出し方や出す回数を工夫するなど、宣伝・広告と受け取られないような配慮を行い、テレビCM雑誌キャッチコピー流行語などは、安易な使用や連呼に注意することが示されている。

本質的に必要なのか、その他の表現に置き換えることはできないのか

視聴者の理解を助けることになるか

ライバル企業などから見て、著しく不公平ではないか

構成や演出上やむを得ないか

つまり、実名を出さないと番組の企画意図や伝えるべき内容が正しく伝わらない場合は、NHKにおいても企業名と商品名を示して正確に伝えることとしている。これらの観点から、特に以下の事象については、それぞれ個別の取り扱いが定められている。
固有名称、登録商標
特定の商品、サービス(役務)の固有名称を、一般名と誤認して放送すると宣伝につながるおそれがある。登録商標は一般に固有名詞であることが多いが、逆に、登録商標に含まれている名称であっても、一般名に過ぎないこともある。「企業に利用されている」という疑いを持たれるような表現や演出を避けるため、『おはよう日本』内の「まちかど通信」、あるいは『サラメシ』など企業や商品が直接の取材対象となる番組では、放送中は商品名を隠して特徴だけを紹介し、会社と商品名は番組の公式ウェブサイトFAXサービス[要説明]を通して紹介される措置がとられている。『ドキュメント72時間』のように番組内や公式サイトで取材先企業・店舗名を公表していないケースもある。

一例として、2016年8月27日放送の『お試しジャパン』でカプセルトイコップのフチ子」を手掛ける奇譚クラブを特集した際、製品の「コップのフチ子」が「OL人形」として紹介されたことから、商標を一時的に「OL人形」に変更する事態が発生している[26]

X(旧称Twitter)、InstagramLINEなどのSNSについては、番組とSNSとの連動企画においては各サービスの名称をそのまま使用している。

企業名については「自動車メーカー」などの表現を使いつつ、インタビュー中に会社のロゴ背景に入れるなどの手法を用いている。複数の企業が競う番組『魔改造の夜』では、チーム名(会社名)が連呼されるシーンがあるため『N産(エヌサン)』などぼかした表記と呼称を使っている[27]

一方、特定企業の特集であっても言い換えを行わないケースもあり、2023年8月25日の『ニュース きん5時』で同月11日のウェブ特集と同一内容を取り上げた際は、『任天堂』『ファミリーコンピュータ(ファミコン)』などの企業名・商品名がそのまま放送されている[28]

新語・流行語大賞の大賞およびトップテンを発表する報道では商標であっても言い換え等は行われていない。直近では2022年トップテンの『Yakult(ヤクルト)1000』が商品名そのものである[29]

ゴールデンウイーク(黄金週間)については、過去に映画業界が大作映画宣伝のために使い始めた経緯があることや休みの取り方の多様化などにより、必ずしも常に1週間の休みが取れる訳ではないことから、1950年代に事実上一般名詞化した後も「大型連休」や「5月)の連休」に差し替えて使用している[30][31]
なお、デパートなどの催事会場は必要な情報として、また広く知られたテーマパーク東京ディズニーリゾートなど)や観光施設などは地名に準ずるものとして使用して差し支えないとしている。
地域団体商標制度
地域ブランド保護を目的に、広く知られた商品やサービス(役務)(例として「○○りんご」「○○」「○○」(○○は地域の名称)などが挙げられている)を事業協同組合などが「地域団体商標」として商標の登録を認める制度であるが、特定の企業や個人の宣伝・広告に直結するとは考えにくいため、一般名として扱って良いとしている[注釈 14]
施設命名権冠大会
施設や大会の名称である以上、放送に使用することはやむを得ないが、名前の一部に企業名などが含まれているため、ニュースや番組の中では繰り返しを避けて、抑制的に名称を用いる。企業名などを除いた名称が定着している場合には、企業名などを除いた名称を使うこともある。具体的に以下の例がある。

日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の扱いに関しては、試合中継スポーツニュース共々「明治安田」の名称を抜いた状態が用いられている。カップ戦は「JリーグYBCルヴァンカップ」として行われているが、NHKでは「Jリーグカップ」の名称で報じている。同様にJリーグのスーパーカップ戦である「FUJIFILM SUPER CUP」も、「(Jリーグ)スーパーカップ」の名称で報じている。

大相撲春場所が行われる大阪府立体育会館(命名権名称「エディオンアリーナ大阪」)と名古屋場所が行われる愛知県体育館(命名権名称「ドルフィンズアリーナ」)は、大相撲中継において「企業名などを除いた施設名が定着している」扱いとして正式名称で報じている。

プロゴルフのツアー競技については、男子(JGTO)、女子(JLPGAツアー)、海外(PGAツアーLPGAツアーなど)とも四大大会など主催者の社名や商標名が入らない大会名はそのまま表現するが、含まれる大会名は放送、NEWS WEBのどちらにおいても表記せず、単に「ゴルフツアーの大会」とする。

プロ野球における冠大会の扱いに関しても企業名を省いた名称で呼ぶのが一般的であり、オールスターゲームに関しては、いち早く1988年から冠大会に移行しているため、それ以降からNHKでの中継は一切行っておらず、日本選手権シリーズ(日本シリーズ)に関しては、例えNHKでの中継であっても単に「日本シリーズ」と呼ばれることが多い。

その他のスポーツ中継(サッカー・バスケットボールなど)では会場に命名権名称が用いられている場合もそのまま放送し(B.LEAGUEなどでの上記2会場からの中継を含む)、報道(スポーツニュース)ではプロ野球を除いて会場の都市名のみを報じている。

スポーツの試合における広告
会場内の広告看板や選手のユニフォームに記載された広告については「必要以上にアップで撮ることは避ける」などの工夫をする。それらに該当しないものも同様で、実写映像における企業名・商品名ロゴポスター広告の写り込み(公共交通機関ラッピング広告など)程度は広告放送とみなしていないため、原則として隠していないが[注釈 15]、画面に出てしまうことは避けられないとして、過度にならないようにする。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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