日本国との平和条約
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同議定書に由来する利得及び特権を含む中国における全の特殊の権利及び利益を放棄(第10条)

国際協定の受諾

世界人権宣言の実現に向けた努力(前文)

国際連合憲章第2条に掲げる義務を受諾(第5条(a))
「主権平等」「国際紛争の平和的解決」「領土問題と独立問題の平和的解決」「国連の強制行動への支援、強制行動対象国への支援の自粛」「非加盟国が原則に従って行動することの保証」「憲章が負わせる義務の履行」「加盟国の国内問題への不干渉(但し枢軸国へのそれを除く)」の7大原則に従うことを指す

第二次世界大戦ポーランド侵攻を受けてイギリスとフランスがドイツ国に宣戦した1939年9月1日を勃発日と本条約では定義する[注釈 6])を終了させるために現に締結されもしくは将来締結される条約、連合国が平和の回復またはこれに関連して行う取極の完全な効力を承認(第8条(a))

国際連盟及び常設国際司法裁判所を廃止するための取極を受諾(第8条(a))

極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷(例として南京軍事法廷、ニュルンベルク裁判)の判決を受諾(第11条)

賠償

日本が行うべき賠償は役務賠償のみとし、賠償額は個別交渉する(第14条(a)1 など)

日本の
商標・文学的及び美術的著作権は連合国各国の一般的事情が許す限り日本に有利に取り扱う(第14条(a)2-III-v)

連合国は、連合国の全ての賠償請求権、戦争の遂行中に日本国及びその国民がとった行動から生じた連合国及びその国民の他の請求権、占領の直接軍事費に関する連合国の請求権を放棄(第14条(b))

安全保障

連合国は、日本が主権国として国際連合憲章第51条に掲げる個別的自衛権または
集団的自衛権を有すること、日本が集団的安全保障取り決めを自発的に締結できることを承認(第5条(c))

その他

連合国日本占領軍は本条約効力発生後90日以内に日本から撤退。ただし日本を一方の当事者とする別途二国間協定または多国間協定により駐留・駐屯する場合はこの限りではない
[注釈 7](第6条(a)、#単独講和と全面講和論

連合国は、本条約効力発生後1年以内に、戦前に日本と結んだ二国間条約・協約を引き続いて有効としまたは復活させることを希望するかを日本に通告。通告された条約・協約は、通告日の3ヶ月後に、本条約に適合させるための必要な修正を受け、国際連合事務局に登録された上で有効または復活する。通告がなされなかった対日条約・協約は廃棄される(第7条(a))

日本は、占領期間中に、占領当局の指令に基き、もしくはその結果として行われ、または当時の日本の法律によって許可された全ての作為または不作為の効力を承認。前述の作為又は不作為を理由として連合国民を民事責任または刑事責任に問わない(第19条(d))

日本は、連合国による在日ドイツ財産処分のために必要な措置を取り、財産の最終的処分が行われるまでその保存・管理に責任を負う(第20条)

条約解釈と諸問題
領土

ポツダム宣言の8項(カイロ宣言は履行されるべきこと)を受けて規定された条項である。日本には領土の範囲を定めた一般的な国内法が存在せず、本条約の第2条が領土に関する法規範の一部になると解されている。国際法的には、「日本の全ての権利、権原及び請求権の放棄」とは、処分権を連合国に与えることへの日本の同意であるとイアン・ブラウンリーは解釈している[3]。例えば台湾は、連合国が与えられた処分権を行使しなかったため条約後の主権は不確定とし、他国の黙認により中国の請求権が凝固する可能性を指摘している[4]
竹島問題

竹島の扱いについては草案から最終版までに下記の変遷を辿っている[5]

1947年3月19日版以降:日本は済州島巨文島鬱陵島、竹島の4島を放棄すること。

1949年11月14日、アメリカ駐日政治顧問ウィリアム・ジョセフ・シーボルドによる竹島再考の勧告。「これらの島についての日本の主張は古く、正当なものと思われる。そして多分ここにアメリカの気象観測所とレーダー基地を設置することもできるようだから安保的に望ましいことだ。」[6]


1949年12月29日版以降:日本は済州島、巨文島、及び、鬱陵島を放棄すること。日本の保有領土の項に竹島を明記。

1951年6月14日版以降:日本は済州島、巨文島、及び、鬱陵島を放棄すること。(日本の保有領土の項は無くなる)

1951年7月19日、韓国政府、日本が済州島、巨文島、鬱陵島、竹島(韓国名:独島)、及び、波浪島を放棄することを条約に盛り込むことを求める[注釈 8]


1951年9月8日版(最終版):日本は済州島、巨文島、及び、鬱陵島を放棄すること。

沖ノ鳥島に関する記述

この条約においては、沖ノ鳥島の存在、取り扱いについて明記されている。
北方領土問題「北方領土問題」を参照

第二章第二条(c)において日本が放棄した千島列島の範囲について、特に南千島択捉島国後島)を含むかどうかに解釈上の争いがある。
地名表記の英名

樺太はサハリン(Sakhalin)、千島列島はクリル(Kurile)、台湾はフォルモサ(Formosa)、澎湖諸島はペスカドレス(Pescadores)、新南群島はスプラトリー(Spratly)、西沙群島はパラセル(Paracel)、小笠原諸島をボニン(Bonin)、南鳥島をマーカス(Marcus)と西之島はロサリオ(Rosario)と英文ではなっている。
「外地人」の日本国籍喪失詳細は「在日韓国・朝鮮人」および「平和条約国籍離脱者」を参照


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