日本人(にほんじん、にっぽんじん)とは、日本の国籍を持つ人、または日本列島の民族集団(大和民族など)の構成員、もしくは日本への所属・帰属に係る意識を持つ人を指す多義的な呼称である。本記事では、現代の日本国民の歴史的主体となっている民族の起源、形成、特徴に関する事柄を中心に解説を展開する。 (法律上の定義)日本人とは、法律上、日本の国籍を持つ全ての人を指し[26]、その逆は外国人とされている(国籍法第4条)。「日本国民」ともいう。 日本国籍は、父または母が日本国民であるとき出生によって取得される(血統主義)。ただし、帰化や届出(認知された子の国籍の取得、国籍の再取得)によって生後取得される例外もある。 (民族集団として日本人)他方、日本人という語は、日本列島に起源を持つ下記の民族集団に分類される言語・文化および出自を有する人、あるいはそのように見なされる人の呼称でもある。 もっとも、日本国内では、上記の民族を系譜に持つほとんどの人々は現在、言語や生活様式、習慣などのうえで、大和民族の文化への同化の流れをうけて互いに非常に似ている。例えば孤立した言語であるアイヌ語の母語話者は、ごく僅かな人数、あるいは消滅したと推定されている。したがって、文化的相違を込めた意味での著しい民族性の違いが残っている場合はむしろ例外的である。一方で、ルーツの違いを込めた意味での民族性の違いを意識する人もいる。また、新大陸などへ移民した日本人の子孫のうち、日本語をはじめ日本の民族に特有な文化のほとんどを引き継いでいない人に対しても日本人(英:Japanese、葡:japones、等々)という呼称が使われることがある。ただし、日本語では、一般に日系人と呼ばれている。 (アイデンティティとして日本人)日本人なる集団の境界線を日本への所属・帰属に係る意識すなわちアイデンティティ(同一性)に求めることができる。そのアイデンティティ集団は、以下のように民族的同一性・文化的同一性・国民的同一性の各観点別に分析できるが、各集合が大いに重なっているため、曖昧な認識を抱える人が多い。 日本民族(先述)は、人種的にモンゴロイドの一つ。旧石器時代または縄文時代以来、現在の北海道から沖縄諸島までの地域に住んだ集団を祖先に持つ[27]。
概要
定義
大和民族(狭義の日本民族)
琉球民族(大和民族の支族と分類する考え方と大和民族に類した別個の集団とみなす考え方がある)
アイヌ民族(日本列島北部の集団)
上記日本の民族を自らのアイデンティティとする人。
日本語を母語とするなど、日本の文化、文明を自らのアイデンティティとする人。
特定の文化・歴史を有する共同体である「日本国民」を自らのアイデンティティとする人。
概史