日本アカデミー賞
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1977年11月15日、電通からと見られる「日本アカデミー賞」創設原案が映連に到着する[37]。1977年11月24日、映連の定例理事会において、かねてより立案であった「日本映画芸術科学アカデミー(仮称)」の設立について協議し、設立の趣旨について、満場一致で賛成があり[38][39]、アメリカ映画界の一大イベントと同様の「日本アカデミー賞」を設け、日本映画界の年中最大行事として実施しようという申し合わせがあった[38][39]。一億円近くかかるであろうと見られた運営費は、本来アメリカのアカデミー同様、協会会員の会費で賄わなければならなかった、準備不足で会員が何人いるのか、会費がいくらならいいのか等、把握仕切れず、第1回はアメリカ式は無理で、色々なスポンサーに頼ろうと考えていたら、電通が運営費を負担することになった[34]。実施方法や時期などの具体的な問題は、準備委員長に大谷隆三、副委員長に岡田茂、映連加盟の東宝松竹東映日活より製作・宣伝部門からおのおの一名づつの委員を選出し、早急に準備委員会を設立し検討を始めると決定した[38][39]。1977年12月1日に準備委員会が会合を開き、1978年春に「第一回アカデミー賞」を実施する方向で問題を討議した[40]

1977年12月15日、映連の定例理事会において、1978年3月下旬の第1回開催を目標に諸準備を進めていると報告があり[41]、1978年1月16日、映画関係団体、日本映画監督協会日本シナリオ作家協会日本映画テレビプロデューサー協会、映画テレビ技術協会、日本映画撮影監督協会日本映画照明技術者協会、映画俳優協会、日本映画美術監督協会、独立映画協会、外国映画輸入配給協会の10団体の代表に協力要請を行った[41]。公式サイトの「公式パンフレットで振り返る授賞式」の第一回協会概要に、日本アカデミー賞協会立ち上げ時の役員とノミネート委員の記載があり[1]、メンバーは映連加盟4社の幹部、上記映画関係団体10社の幹部がほとんどであるため[1][5]、この後、準備委員会を日本アカデミー賞協会に発展改組し、このメンバーが役員、ノミネート委員に名を連ねたものと見られる。

1978年2月8日、帝国ホテルで設立発表会見が行われ[8][42][43]、1978年4月6日に「第一回アカデミー賞」の発表授賞式を帝国劇場で行い、その後帝国ホテルで記念晩餐会を開くと発表された[8]。合わせて、この日、全10部門のノミネート(優秀賞)が発表され[43]、最優秀賞の最終選考は全協会会員による記名投票で、1978年3月20日から27日までの郵送により第三者機関が集計保管し当日発表する、授賞式は日本テレビ系全国ネット生中継され、各部門でノミネートを受けた授賞対象者は4月6日の発表授賞式に全員出席を予定[43]、授賞式にはカーク・ダグラスがアカデミー賞協会のメッセージを持って出席し[11][44]ロック・ハドソンに変更)[1][45]、映画界に携わる人々の親睦の機会を作ると、授賞式は関係者席を除き映画ファンにも有料で開放し、入場前売り券を都内の主要プレイガイドなどで発売する等、実施要項、運営方式の説明があった[8][11][42][44]。この授賞式の入場券が3,000円から最高1万円の計四種類[5]、晩餐会は一律4万円であったため[11][44]、興行臭がぷんぷんするなどと批判された[11]

この会見で岡田茂は「何が何でもフェスティバルが欲しい。歌謡界には大きな賞があるが、映画界にはない。既存の映画賞記者映画評論家で決定されるが、本賞は1,200人の映画人の投票で受賞者を決め、その模様はテレビで全国生中継される」と説明していたが、これは『人間の証明』が東京映画記者会の投票で決まるブルーリボン賞など、既存の賞を獲得できなかったことによる不満からであった[11]マスメディアを批判した余波は、授賞式の翌日にサンケイスポーツが「アメリカのアカデミー賞をそっくりマネたお祭り」[46]日刊スポーツは4万円の会費の晩餐会の出席者が医師財界人が大半で、4万円の食事メニューを詳しく紹介する記事を書き[47]週刊誌も好意的に書いたものは無かった[48]
初期の頃

電通と日本テレビがイニシアティブを執っているなどと批判され[35][49][50][51]、また短期間での開催で一億円近い運営費の出所が不透明などと[34]、マスメディアに叩かれ評判が悪かった[35][50][51]。こうした事情で、なかなか賞を受け取ってもらえないケースもあり、お金もなく運営に苦労した[52]

創設に当たり国内最大の映画賞を作るという意図で[10]、前述のようにアカデミー賞協会準備委員会が発足され[10][53]、東映、松竹、東宝など各映画会社を始め、日本を代表する映画人に参加を呼び掛けた[10]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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