日本の警察官
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警察庁の警察官は、制服のほかに階級章、識別章、警察手帳手錠警笛警棒拳銃、帯革、けん銃吊り紐を貸与されることと定められている[15]。各都道府県警察でも、これに準じた装備が貸与されている。
服制

明治時代から第二次世界大戦中までの制服詰襟であったが、戦後背広型となった。イメージは軍服に負い皮付き帯革を締めたスタイルであった。

1994年から採用されている形式の制服は、旧制服よりもさらに市民への威圧感を軽減し、男女ともに機能性・活動性に特化したデザインであると同時に、警察官として相応しいりりしさと見た目にも美しさを兼ね備えたデザインを取り入れている。

同年より女性警察官の制服にはスカートの他にズボンも配布された。ズボンは当初、正装とは見なされなかったが、のち一部の都道府県警察の訓令でスカート・ズボンどちらも着用していいこととなった。特に指定のない場合の公式正装では下衣はスカート着用とされている。ズボン配布は、制服のスカート丈が短いので内勤は良いが外勤の際は冬場では寒いという意見が多かったので、外勤の活動服として取り入れられたことによる。

最近の警察官は個人の標準装備に、ベルトポーチ(ウエストバッグではない)など自前購入した様々なオプションを付け加えることが容認されているようである(巻尺を着けている警察官もいる)。制服に関しては1994年以降変更されていない。

右上腕部のそでにあるエンブレムを除き[注釈 2]、全国的に統一されたデザインの物が着用されている。これは全ての警察官が同じ制服を着用していることによる一体意識を持たせること、複数の都道府県警察の警察官が合同で業務を行う際の混乱を防ぐこと等の理由があると考えられる。エンブレムが右腕に着くのは、交通検問の際に質問者が警備員ではなく警察官であると直ちに認識させるため(日本車は運転席が右側にあるので、運転手からは相手の右上腕が最初に目に入る。もっとも、警備員が"検問"をすることは法律上できない)。

なお、民間警備会社の警備員の制服は、色彩・形式・記章(ワッペン)等により警察官と明確に識別できるものでなくてはならない(警備業法第16条、警備業法施行規則第27条)とされている。これは警備員が警察官と誤認されたり、民間企業従業員である警備員の行う警備業務が警察官等の行う行政警察活動としての警備と混同されたり、警備員に特別な権限があるかのような誤解を招くことがないようにとの主旨によるものである。警備会社では対応としてシャツに太いラインを入れたり、灰色など異なるカラーリングを採用するなどしている。

戦後まもなくの制服改正。左が新制服(背広型)、右が旧制服(詰襟)。

1949年(昭和24年)の夏服。サム・ブラウン・ベルトを装着し、木製警棒を持っている。在日本朝鮮人連盟本部の強制捜査で。

活動服白バイ隊員

活動服は、上衣が4つボタンのブルゾン(フランス語でジャンパー)型で丈が短く、腰部分にシャーリング(ゴム紐を入れた絞り)が入っているため非常に動きやすくなっている。地域警察官や留置場勤務の総務警察官や道路標識などの管理業務中の交通警察官が着ているのが「活動服」であり、「冬服」・「合服」を着ているのは署内勤務員(各種申請・届出を受け付けたりする総務警察官)や交通警察官(交通整理を街中で立ち、行うためにスーツたる背広を着用)や幹部クラスの警察官である。まれに「冬服」・「合服」を着ている地域警察官を見かけることがあるが、活動服が使用不可能な状態(破損や汚損など)な場合が多い。あくまで略装であり、常用は厳しく制限している本部もある。当初は自動車警ら隊等のパトカー乗務員にのみ支給されていたが、現場の意見から広く採用されることとなった。

街中でパトロールや取締りをする交通機動隊高速道路交通警察隊に属する警察官の制服は他部署(自動車警ら隊員や地域警察官など)とは異なっており、交通乗車服という特殊服(ダブルボタンのライダースジャケットに、サスペンダー付きで丈が胸の下まであるズボン。色は共に空色で、ズボンにはの側章線が入る。履物は乗車用ブーツ)を着用する。また常に必ずヘルメットを被ってパトロールに従事するよう定められている。

警視庁の地域警察官は東京都の条例に合わせ[16]、自転車に乗る際には緩衝材が入った制帽を着用していた[17]。2023年4月からは年齢にかかわらず自転車用ヘルメット努力義務となることに合わせ、記章が入った自転車専用のヘルメットに変更することになり、警視庁では3月22日から先行して導入した[18]

他にパトロールをする刑事警察機動捜査隊に属する警察官(刑事)の場合(覆面パトカーに乗務)、制服ではなく「私服警察官」として、一般人と同様の背広などを着てパトロール等に従事するため、警察官と気づかれることなく挙動不審人物に職務質問することが可能となり犯人を取り逃がす可能性が低くなる。
冬服・合服

冬服(12月1日から翌年3月31日まで着用)は3つボタンである。色は濃紺色。導入当初、市民からは「遠目には警備員と区別がつかない」と不評だったという。

帯革(たいかく[注釈 3])をズボンのベルトに専用金具で固定する。帯革には、拳銃ホルスター無線機警棒(伸縮式警棒)、拳銃吊り紐、手錠ケースなどがつけられる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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