日本の警察官
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災害時の通行禁止区域における車両その他の物件の移動命令や破損の権限(災害対策基本法第76条の3)

現場における一般人に対する協力命令権(警察官職務執行法第4条第1項)

他人の家屋、土地に立ち入る権限(警察官職務執行法第6条第1項)

義務
憲法擁護義務

公務員として日本国憲法第99条に基づき、憲法尊重擁護の義務を負う。犯罪捜査を行う場合については、刑事訴訟法の規定に基づき、司法警察員又は司法巡査として、検察官の指揮を受ける。
守秘義務

警察官は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする(地方公務員法第34条第1項)。守秘義務違反は懲戒処分の対象となる。

秘密を漏らすとは、秘密事項を文書で表示すること、口頭で伝達することをはじめ、秘密事項の漏洩を黙認する不作為も含まれる。法令による証人鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては、任命権者の許可を受けなければならない(同法第34条第2項、第3項)。
保護義務

警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して次の各号のいずれかに該当することが明らかであり、かつ、応急の救護を要すると信ずるに足りる相当な理由のある者を発見したときは、取りあえず警察署、病院救護施設等の適当な場所において、これを保護しなければならない(警察官職務執行法第3条)。

精神錯乱又は泥酔のため、自己又は他人の生命、身体又は財産に危害を及ぼすおそれのある者

迷い子、病人、負傷者等で適当な保護者を伴わず、応急の救護を要すると認められる者(本人がこれを拒んだ場合を除く。)

この措置をとった場合においては、警察官は、できるだけすみやかに、その者の家族、知人その他の関係者にこれを通知し、その者の引取方について必要な手配をしなければならない。責任ある家族、知人等が見つからないときは、すみやかにその事件を適当な公衆保健若しくは公共福祉のための機関又はこの種の者の処置について法令により責任を負う他の公の機関に、その事件を引き継がなければならない。

また警察官は、精神障害のために自身を傷つけ、又は他人に害を及ぼすおそれがあると認められる者を発見したときは、直ちにその旨を最寄りの保健所長を経て都道府県知事に通報しなければならない(精神保健福祉法第23条)。「日本の精神保健」も参照
警察以外の機関からの派遣・派出要請等.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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検察官は、自ら犯罪を捜査する場合において必要があるときは、司法警察職員(警察官等)を指揮して捜査の補助をさせることができる(刑事訴訟法第193条ほか)。

自衛官のうち警務官が犯罪捜査のために、警察官の要請をおこなうことができる。

衆議院議長または参議院議長衛視だけでは国会内の秩序維持ができないと判断した場合、警察官の派出要請をおこなうことができる(議院警察権国会法第115条)。

入国警備官不法入国摘発その他の取締りを行うため警察官を要請する場合がある。

税関職員が、臨検、捜索、差押え又は記録命令付差押えをするに際し必要があるときは、警察官・海上保安官の援助を求めることができる(関税法第130条第1項)

麻薬取締官または麻薬取締員が警察官に人員の要請をおこなうことができる。

船員労務官が労務捜査のために警察官・海上保安官を要請する場合がある。

刑務官から脱走者捜索のために矯正施設外を捜索するために、警察官を要請する場合がある(逃走の罪)。

労働基準監督官労働基準災害捜査のため警察官を要請する場合がある。

裁判官は法廷の秩序を維持するために警察官の派出を要求することができる(裁判所法第71条の2)。

執行官執行に際して抵抗を排除するために警察官の援助を要請することができる(民事執行法第6条)。

漁業監督官または漁業監督吏員密漁を阻止する場合に海上保安官または警察官を要請することができる。

鉱務監督官が捜査取締りをおこなう際に警察官を要請する場合がある。

森林管理局員が密猟取締りのために警察官に要請する場合がある。

船長等が船員暴動または犯罪行為に海上保安官および警察官を要請する場合がある。

歴史前原一誠を捕らえる明治時代の警察官(月岡芳年画)

平安時代弘仁7年(816年)頃に警察組織として検非違使が設置され、主に京都の警備にあたった。

江戸時代には、警察に相当する組織として町奉行勘定奉行などがあった。江戸市中は町奉行所が扱い、幕府直轄領については勘定奉行が扱った。例えば江戸には南北の町奉行が、諸国には地名を冠した遠国奉行があり、その職員である与力同心が現在の警察官に相当した。ただし、与力、同心の数は人口に対して非常に少なく、町奉行の活動の対象となる江戸の町方の人口が50万人程度だったのに対し、警察業務を執行する廻り方同心は南北合わせて30人にも満たなかった。この人数で江戸の治安を維持することは困難であったため、同心は私的に岡っ引と呼ばれる手先を雇い、警察業務の末端を担わせていた。江戸の岡っ引は約500人、その手下の下っ引を含めて3,000人ぐらいいたという。また、重罪であった放火押し込み強盗などを取り締まる火付盗賊改方も設置された。

明治維新によって江戸幕府が崩壊し、新たに薩長土肥が主導する明治政府が誕生すると、諸(藩兵)が治安維持に当たった。しかし、藩兵は兵士であり、警察官ではなかった。

1871年東京府に邏卒(らそつ)3,000人が設置されたことが近代国家警察の始まりとなった。邏卒には薩摩藩長州藩会津藩越前藩、旧幕臣出身の士族が採用されたが[2]、その内訳は薩摩藩出身者が2,000人、他が1,000人であり、日本警察に薩摩閥が形成される契機となった[3]。同年、司法省警保寮が創設されると警察権は同省に一括され、東京府邏卒も同省へ移管された。薩摩藩出身の川路利良は、渡欧して近代国家にふさわしい警察制度を研究し、フランスの警察に倣った制度改革を建議した。司法省警保寮は内務省に移され、1874年首都警察としての東京警視庁が設立された。以後の警察は、国家主導体制のもと、管轄する中央省庁の権限委任も多く行われたが、最終的に内務省に警察権が委任され、内務省方の国家警察・国家直属の首都警察としての警視庁と、各道府県知事が直接管理下に置く地方警察の体制に落ち着いた[4]


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