2021年現在、世界中のコミックス出版社のうち、売上における上位4社はマンガ出版社の集英社、講談社、角川書店、小学館である。[12] 2020年には北米のマンガ市場の価値が約2.5億ドルに達し[13]、NPD BookScanによれば2021年にはアメリカ合衆国全体のコミックスとグラフィックノベルの売り上げの76%をマンガが占めていた[14]。北米のマンガ市場の急速な成長は、デジタル読書アプリやBarnes & Nobleなどの書店チェーン、Amazonなどのオンライン小売業者でのマンガの広範な入手可能性、さらにはアニメのストリーミング増加によるものとされている[15][16][17]。ジャン=マリ・ブイスーによれば、2005年にフランスのコミックス市場の38%をマンガが占めており[18]、これはアメリカ合衆国の約3倍に相当し、約4億6000万ユーロ(約6億4000万ドル)の価値があった[19]。2012年には、ヨーロッパと中東のマンガ市場の価値は2.5億ドルだった。[20][21] 2023年4月、経済同友会が、日本の経済成長をさらに促進するために、主にアニメ、マンガ、ビデオゲームといったコンテンツ産業を海外でさらにプロモーションするための提案を発表した。海外の業界の専門家を日本に招待し、特定のマンガ作品に関連する国内の場所を訪れる外国人マンガやアニメのファンを観光産業と連携させることを目指している。経済同友会は、今後10年間で海外市場での日本のコンテンツの売上を4倍にすることを目指している。[22][23]
概要“Manga”的キャラクターの例、ウィキペたん。
日本の漫画がほぼ全てが右開きで、2014年以降の『ファミ通』のように左開きの雑誌でも右開きで掲載される。
出版科学研究所の発表によると、日本国内で2006年に出版された漫画の単行本は10965点、漫画雑誌は305点存在する(廉価版が1450点含まれる)。また漫画と漫画雑誌の販売部数は、2006年に販売された出版物全体の36.7%に及ぶ。[24]
現在では日本の漫画および日本風の漫画を指す “manga”[25] や、“tank?bon”(単行本)といった語は欧米にも輸出されている。日本の漫画はアメリカン・コミックスや、フランス語圏のバンド・デシネなどの各国の漫画と比べて、モノクロ表現や独特のディフォルメ、ストーリー性などの異なる特徴を持っている。以前は『AKIRA』国際版の様にアメコミ形式に再構成や彩色が行われる事が多かったが、近年はむしろ日本漫画の特徴を押し出して原書に近い形で出版されている。一方で翻訳は日本独自の文化や擬態語などのために苦労が見られる。[注 1]
外来語である「アニメーション」(アニメ)という言葉が1970年代後半から一般化し始めるまでは、テレビアニメ、アニメ映画などのアニメーション作品及び児童向けドラマ(特撮作品を含む)も「漫画」「まんが」「マンガ」と呼ばれていた(例 『東映まんがまつり』『まんが日本昔ばなし』など)。このため当時の世代を中心にアニメや特撮作品が漫画、テレビ漫画、漫画映画と呼称されることもある。また1960年代、1970年代のアニメ作品の主題歌集CDなどでは現在でも「懐かしのテレビマンガ」などの表記が使われることもある。
出版社などビジネス業界では、漫画絵のことをしばしば「ポンチ絵」と呼ぶ。これは、イギリスの風刺漫画雑誌『パンチ』をもとに日本国内で在留中のイギリス人によって創刊された日本最初の漫画雑誌『ジャパン・パンチ』を語源とする。