日本の漫画がほぼ全てが右開きで、2014年以降の『ファミ通』のように左開きの雑誌でも右開きで掲載される。
出版科学研究所の発表によると、日本国内で2006年に出版された漫画の単行本は10965点、漫画雑誌は305点存在する(廉価版が1450点含まれる)。また漫画と漫画雑誌の販売部数は、2006年に販売された出版物全体の36.7%に及ぶ。[24]
現在では日本の漫画および日本風の漫画を指す “manga”[25] や、“tank?bon”(単行本)といった語は欧米にも輸出されている。日本の漫画はアメリカン・コミックスや、フランス語圏のバンド・デシネなどの各国の漫画と比べて、モノクロ表現や独特のディフォルメ、ストーリー性などの異なる特徴を持っている。以前は『AKIRA』国際版の様にアメコミ形式に再構成や彩色が行われる事が多かったが、近年はむしろ日本漫画の特徴を押し出して原書に近い形で出版されている。一方で翻訳は日本独自の文化や擬態語などのために苦労が見られる。[注 1]
外来語である「アニメーション」(アニメ)という言葉が1970年代後半から一般化し始めるまでは、テレビアニメ、アニメ映画などのアニメーション作品及び児童向けドラマ(特撮作品を含む)も「漫画」「まんが」「マンガ」と呼ばれていた(例 『東映まんがまつり』『まんが日本昔ばなし』など)。このため当時の世代を中心にアニメや特撮作品が漫画、テレビ漫画、漫画映画と呼称されることもある。また1960年代、1970年代のアニメ作品の主題歌集CDなどでは現在でも「懐かしのテレビマンガ」などの表記が使われることもある。
出版社などビジネス業界では、漫画絵のことをしばしば「ポンチ絵」と呼ぶ。これは、イギリスの風刺漫画雑誌『パンチ』をもとに日本国内で在留中のイギリス人によって創刊された日本最初の漫画雑誌『ジャパン・パンチ』を語源とする。「ポンチ絵」は書籍業界に限らず、建築業やIT業などの製造業界では「製品イメージがわかりやすく伝わる簡単なスケッチ」という製品概念・構想図を意味する製図用語としても使われている。
版権関係の問題もあり、たとえば1960年代に漫画化された加山雄三の「若大将シリーズ」や東宝特撮映画、『ウルトラマン』などは2016年時点では復刻不可能であった。『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』は復刻されるケースもあり、関連本にも収録されている。また、河合じゅんじ、いしいひさいち、やくみつる、じょうさゆりの作品など、実在のスポーツ選手、芸能人、政治家などを題材にした漫画も存在する。
日本の漫画家は、地方ながら北海道や新潟県出身者が多く、前者は土地が貧しく漫画自体も貧しい文化で、芸術の原典に触れる機会もあまりなくテレビや雑誌を通して同じく創作しようと引き寄せられ、作品もよくある日本の漫画から離れたハイセンス、批評的な者が多く[26]、後者は雪国であり冬になると外に出ずに金もかけずにできることは漫画を描く程度だからとする説や[27]、県ゆかりの赤塚不二夫や水島新司の存在で自分も目指そうとする者が後に続いたことが挙げられる[28]。