日本の漫画
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本誌(『週刊少年マガジン』)よりマイナーなジャンル(ダーク・ファンタジーなど)をコンセプトにしていた『別冊少年マガジン』では、発行部数が多い本誌に『進撃の巨人』の読み切り版を掲載したところ認知度が上がったことから、他社でも単行本の発売やアニメ化などに合わせ、より部数の多い雑誌に読み切り版を掲載する「出張掲載」の手法が広まった。

漫画雑誌だけでなく新聞や専門誌などで連載されることも多く、専門誌では雑誌の読者向けにニッチな作品が掲載されることもある。

近年では出版社の公式サイトで一定期間無料公開し、アクセス数が多い作品を雑誌に移籍させたり直接単行本化する流れもある。作品の単品販売も行われているが、基本的に雑誌(の編集部)ごとに纏められている。また雑誌に掲載されている作品でも1話から3話程度までを宣伝のために公開したり、新人賞において雑誌には大賞作のみを掲載し、奨励賞や審査員賞にとどまった作品はウェブ限定で公開する例もある。
非娯楽漫画

文章・写真・挿絵と同様に紙媒体における表現手法として定着している。海外のような1枚の風刺絵だけではなく数コマから数ページの漫画として制作される。

純粋な娯楽ではなく、歴史や社会情勢などの説明や学習としても用いられる学習漫画、ノンフィクションやルポの漫画などもジャンルを形成している。また医療漫画には娯楽性と社会的メッセージを両立した作品も多い[47][48]

純粋に宣伝のために製作された広告漫画も多く、企業から依頼を受け漫画家に発注する仲介業者も多数存在するなど、一つの市場を形成している。
メディアミックス

漫画はオリジナル作品だけではなく、小説、アニメ、映画の漫画化(コミカライズ)として発表される作品も多い。

逆に漫画作品の小説化(ノベライズ)や当初からメディアミックスの一つとして小説、アニメと連動する作品もある。
評論詳細は「漫画評論」を参照

日本で漫画評論が行われるようになったのは大正時代中頃とみられている[49]細木原青起が日本初の本格的な漫画史『日本漫画史』(1924年、雄山閣)を出版、歴史や教育面を対象した評論が主だったが[50][51]、戦後になると文芸や映画など他分野出身者によるものが目立った後[51]、漫画に親しんだ読者や作家が同人誌で本格的な評論を行うようになり、後の漫画批評を形作った[52][53]。もう一つあなたの特色を挙げて見ると、普通の画家は画になる所さえ見付ければ、それですぐ筆を執ります。あなたは左右でないようです。あなたの画には必ず解題が付いています。そうして其解題の文章が大変器用で面白く書けています。あるものになると、画よりも文章の方が優っているように思われるのさえあります。あなたは東京の下町で育ったから、斯ういう風に文章が軽く書きこなされるのかも知れませんが、いくら文章を書く腕があっても、画が其腕を抑えて働かせないような性質のものならそれ迄です。面白い絵解きの書ける筈はありません。だから貴方は画題を選ぶ眼で、同時に文章になる画を描いたと云わなければなりません。その点になると、今の日本の漫画家にあなたのようなものは一人もないと云っても誇張ではありますまい。私は此絵と文とをうまく調和させる力を一層拡大して、大正の風俗とか東京名所とかいう大きな書物を、あなたに書いて頂きたいような気がするのです。 ? 夏目漱石岡本一平著並画「探訪画趣」序』[54][55]しかし、漫画というものは、絵よりも文学にちかいものですよ。それも少しの差ではなくて、絵が三分、文学が七分、否、一分と九分ぐらいに全然文学の方に近いだろうと私は思っています。紙芝居は一目リョウゼン、絵は従で、物語の方が主ですが、それにくらべると、漫画の方は絵が多くて言葉の使用は甚だ少い。けれども、その多少によって絵か文学かが定まるわけではなくて、漫画の発想も構成もほぼ文学そのものだという意味です。絵で読むコントであり、落語であります。 ? 坂口安吾『戦後文章論』[56]
分類書店の漫画コーナー。出版社別に分類されていることが多い。
対象読者による分類

作品の主な対象となる読者の年齢や性別という観点では、次のように分類される。

幼年漫画(小学生向け漫画) - 児童漫画とも呼ばれる。

少年漫画(小学生 - 高校生中心の漫画)

少女漫画(小学生 - 高校生、一部大人の女性向けの漫画を含む)

青年漫画(高校生以上)

女性漫画 - 大人の女性を対象とする漫画。 ヤング・レディースを含む。


成人向け漫画‐18歳以上を対象とした、性描写を含む漫画。レディースコミックを含む。

以上の分類は出版社も採用しているが、便宜上の分類に過ぎない。青年漫画を女性が読むこともあるし、少年漫画を大人が読むこともある。
ジャンル

更に題材によっては主に次のように分類されるが、1つのジャンルに縛られない作品も多い。

学園漫画 - 学生群像を描いた漫画

ギャグ漫画 - ギャグ描写を中心にした漫画

ファンタジー漫画 - ファンタジー要素が含まれた漫画

SF漫画 - SFを題材にした漫画

ホラー漫画 - ホラーを題材にした漫画

恋愛漫画 - 恋愛を主題にした漫画

ラブコメ漫画 - 恋愛を主題にしたコメディ漫画


スポーツ漫画 - スポーツを題材にした漫画

野球漫画 - 野球を題材にした漫画

サッカー漫画 - サッカーを題材にした漫画


音楽漫画 - 音楽を題材にした漫画

料理漫画 - 食に関することを題材にした漫画

推理漫画 - 「ミステリー漫画」もしくは「探偵漫画」とも称される

医療漫画 - 医療を題材にした漫画

格闘漫画 - 格闘技や戦闘を題材とした漫画。「バトル漫画」とも称される。

歴史漫画 - 歴史上の人物や出来事を題材とした漫画。近代以降の戦闘を描いたものは「戦争漫画」と呼ばれる。

エッセイ漫画

レポート漫画

表現形式防衛省の公式チャンネルがYoutube上で公開した自衛隊災害派遣活動の漫画動画

いろいろなコマをセットとして話題を展開するかによる分類。

コミック - 1ページが数個のコマで分割され、そのようなページ数枚で話題が展開されるもの。

1ページ漫画 - ミニストーリーが1ページ内で完結するもの

4コマ漫画 - 4コマが1セットとなって話題が展開されるもの。基本的に起承転結に対応する。

一コマ漫画 - 1コマの中で話題が展開されるもの。

縦スクロール漫画 - スマートフォンでの閲覧を意識し、ウェブトゥーンのようにコマを縦に積み重ねたり縦長のコマで構成され[45]、技法以外にも従来の漫画とは大きく異なる[57]

漫画動画 - 動画共有サイトに投稿されている動画形式の漫画。イラストに動きをつけたり、キャラクターの音声がつけられていることが多い。

連載形式か1話完結かなどによる分類。

続きもの - 作品が数話に渡って展開され、年月をかけて発表されていくもの

読み切り - 1話だけで作品が完結するもの

出版形式

紙媒体

雑誌連載 - 雑誌に連載した後、単行本に纏められる。

単行本 - 連載を経ずに直接書籍として刊行する。日本ではアマチュア作家の
同人誌に多い。


電子媒体

漫画アプリ - 少年ジャンプ+のようにスマートフォン用のアプリが雑誌の役割を果たす例もある。

ウェブコミック - ウェブコミック投稿サイトなどに投稿される。

デジタルコミック

携帯コミック


画材漫画キャラクターの例伝統的な漫画風キャラクターの手描きサンプル、それぞれの表情に様々な感情を示す。


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