日本のナンバープレート
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1913年に施行された当初の地名表記は、東京府を除いた府県名の頭文字をアルファベットで表したもの[4][リンク切れ]であったが、紛らわしくわかりづらかった[注釈 2]ことから、1919年(大正8年)の「自動車取締令」施行の際に、京都府は「京」、神奈川県は「神」、愛知県は「愛」など頭文字の漢字表記1文字に改められた[3][5]。東京府が管轄するナンバープレートについては、首都であることから変わらず4桁のアラビア数字のみのナンバープレートであった[3]

その後、1960年代モータリゼーションが本格的になると自動車保有台数は急激に増大し、都道府県ごとに1か所の陸運事務所(現:運輸支局)では管理しきれなくなった。このため自動車が多い陸運事務所は支所(現:自動車検査登録事務所)を設置するようになり、支所で交付するナンバープレートについては、支所が所在する地名が表記されるようになった[3]。まず、登録台数の多い東京都が最初に支所交付のナンバープレートが払い出され、のちに大阪府や神奈川県もそれに続き、地方の道府県でも新しい地名のナンバープレートが払い出されるようになった[3]。1999年(平成11年)には栃木県で「とちぎ」ナンバーが誕生したことにより、全国のナンバープレートは87種類の地名にまで増加した[3]

1955年(昭和30年)3月28日には、軽自動車自動二輪車を除く自動車のナンバープレートがほぼ現在と同じ様式になる。同時に地名表示については、同じ漢字を使用する都道府県は人口の一番多い地域を頭文字のみ、それ以外は完全表示で表示されるようになった[6]。軽自動車は1975年(昭和50年)1月1日に、それまでの小板が廃止され、ほぼ現在と同じ様式となったが、地名表示は当初から全地域で完全表記されていた。1988年(昭和63年)1月1日以降は、軽自動車以外の自動車の地名表示も、全て完全表示となった[5]。なお、1975年(昭和50年)の軽自動車の黄色のナンバープレートの導入の理由として、「高速道路の料金所で目視で普通車と識別するため」とするメディアが見られる[7][8][9]が、日本道路公団の高速自動車国道の料金で「軽自動車等」が普通車と区別されるようになったのは、1989年(平成元年)6月1日から[10]であり、黄色のナンバープレート導入時には軽自動車と普通車は同じ区分の料金であったことから料金所で識別する必要はなかった。

分類番号についても当初は1桁のみであったが、1967年(昭和42年)10月2日の「道路運送車両法施行規則」の一部改正に伴い順次2桁化された。1998年(平成10年)5月19日に一部先行地域で希望制ナンバープレートの導入に伴い3桁化され、1999年(平成11年)5月14日に全国導入される。軽自動車も2005年(平成17年)1月1日より分類番号が3桁化された[5]

2006年(平成18年)に、地域振興観光振興を図ることを目的に「ご当地ナンバー」制度が導入されると、これまでのナンバープレートの在り方も大きく変化する。運輸支局や自動車登録事務所がなくとも、地元の要望で地域名が表記ができるようになり、続々と「ご当地ナンバー」に名乗りを上げる地域が出てきた[11]。第1回目の登録地域として19地域が認められ、2008年より交付が始められた[11]。第2回目は、2014年に10地域が認定され、全国で116種のナンバープレートが公布されることとなった[11]

2018年(平成30年)1月12日から、練馬ナンバーでアルファベットの入ったナンバープレートが交付され始め、同18日には横浜ナンバーでも始められた。また軽自動車については、2019年(令和元年)7月頃から三重ナンバーでアルファベットの入ったものが交付され始めた。
形体
形状と大きさ

北米のナンバープレートと同じ縦横比を持つ長方形であり、世界的にみても大きめのサイズが採用されている。欧州などでは軽量で復元性の高いプラスチック製のナンバープレートの導入が進んでいるが、日本のものは文字や数字を凸型に刻印したアルミニウム製である(字光式ナンバーを除く)。また、大型自動車に寸法の大きいナンバープレートが用意されるのは珍しく、日本、タイ王国などである。
大型番号標(おおがたばんごうひょう)
通称大板(おおばん) : 縦220mm×横440mm縦横比は1:2。上部に2か所、下部に2か所のボルトで固定する。普通自動車で車両総重量8トン以上、最大積載量5トン以上。または、乗車定員30名以上のもの[12]
中型番号標(ちゅうがたばんごうひょう)
通称中板(ちゅうばん) : 縦165mm×横330mm縦横比は1:2。上部に2か所のボルトで固定する。大板もしくは小板の対象外のもの[12]
小型番号標(こがたばんごうひょう)
通称小板(しょうばん) : 縦125mm×横230mm縦横比は1:1.84。上部に2か所のボルトで固定する。軽2輪・小型2輪および検査対象外軽自動車[12]

2012年に国土交通省の「ナンバープレートのあり方に関する懇談会」[13]において、欧州式の横長のナンバープレートへの変更が検討されたが[14]、「ナンバープレートの形状を実際に見直すだけの正当性やメリットを十分には説明できていない」として見送りとなった[15]

市区町村交付の標識(ひょうしき)については「デザインナンバープレート」も参照。大きさの使い分けについては#分類番号を参照。
配色

配色は、1975年(昭和50年)1月以降初回登録の軽自動車を除き、自家用自動車は白地に緑文字で、事業用自動車は緑地に白文字である[12]。これに加えて、250ccを越える普通自動二輪車大型自動二輪車は、自家用には緑枠が付き、事業用には白枠が付く。1975年1月以降初回登録の軽自動車は自家用が黄地に黒字、事業用が黒地に黄字である。

普通自動車 自家用中板

普通自動車 事業用中板

軽自動車 自家用

軽自動車 事業用

自動二輪車 自家用小板

自動二輪車 事業用小板
原動機付自転車#法律上の定義」も参照

125cc以下の普通自動二輪車と原動機付自転車ミニカー小型特殊自動車は市区町村によって税区分ごとにプレートの地色が定められている。 自治体によって区別方法や表示内容に差異はあるが、概ねそれぞれ桃(90cc超)、黄(50cc超90cc以下)、白(50cc以下)、薄青、緑であることが多い。文字色は自治体によって大きくばらつきがあるが、黒や紺などの濃色が多く使用される。


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