日本のアニメーション
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フルアニメーションとは主に1秒間の最大数である24枚から半数の12枚の間で作成したアニメーションのことで、リミッテッドアニメーションとはそこからさらに枚数を削るか、体の一部を動かす際にそれ以外の部分を固定にし動かす部分のみを作画するなど、主に省力化のための手法を指す[17]。もっとも、元々はフルでの作成が当然であり、フルアニメーションという名前自体がなかったが、主に省力化のために使用されるようになった手法がリミッテッドアニメーションと呼ばれるようになったことにより、本来の手法がフルアニメーションと呼ばれるようになったと考えられる[17]。詳細は「フルアニメ」を参照詳細は「リミテッド・アニメーション」を参照
デジタルアニメーション

デジタルアニメーションは、コンピュータ上で動きを生成するアニメーションであるが、広義には、従来のアニメーションの作業工程の一部、または大部分をデジタル工程に置き換えて作成されたアニメーションも含まれる[14]。特に2000年以降、従来のアニメーション制作の工程のデジタル化が急速に進展した。例えばスタジオジブリのアニメーションにしても[18]ニャッキ!のようなクレイアニメーションにしても[19]、必要とされるアニメーションを作成するために、従来のアニメーションの特色を残しながらも、一部または大部分をデジタル工程に置き換えることによっての作業の省力化は欠かせなくなっている[20]。詳細は「デジタルアニメ」を参照
アニメーションごとの使用

アニメーションをコマ撮りを用いた平面アニメーションと立体アニメーション。別としてデジタルアニメーションに分けて記述する。
平面アニメーション
切り紙アニメーション

切り紙アニメーションとは主に切り紙を背景の上に置き、各部分を少しずつ動かしながらコマ撮りにし連続映写したアニメーション。後に、20世紀初頭ではまだ高価だったセル画を用いたアニメーションに移行していくが、それまでに日本のアニメーションの中心をなした手法である[21][22]。日本最古のアニメーション作品は何かについては諸説あるが、現存し、見ることのできる中で最も古い作品である『なまくら刀』(1917年)はこの切り紙アニメーションを主とし、一部に影絵アニメーションの手法も用いて作られていることが確認できる[23][24]

切り紙アニメーションの制作者として特に著名な人物として村田安司をあげることができる[25]。アメリカでは急速にセルの普及が進み、日本においてもアニメーション制作に使われ始めたが未だ高価であった、いわゆる境目にあたる時期に時代遅れになりつつあった切り紙アニメーションの手法を追求し続けた作者と言える[26]。現在見ることのできる作品も比較的多く残っている[27]

また、大藤信郎は、後に影絵アニメーションにおいて海外において複数の賞を受賞する作品を生み出すが、その初期においては切り紙アニメーションを数多く制作しており、切り紙に千代紙を使った独特のアニメーションを制作している[28][29][30]
影絵アニメーション

影絵アニメーションとは切り紙アニメーションの応用で、主に切り紙の後ろから光を当てることで出来るシルエットを少しずつ動かしながらコマ撮りにし連続映写したアニメーション[31]。日本においては江戸時代から影絵遊びが存在し、明治時代には影絵芝居の講演も行われていたことから、影絵アニメーションが受け入れられやすい地盤があったと考えられる[32]。日本のアニメーション作品の中で現存している最古の作品である『なまくら刀』(1917年)においても、中心は切り紙アニメーションであるが、侍が深夜に辻斬りをするシーンの一部に影絵アニメーションが使われている[23][24]

日本の影絵アニメーションの中で特に著名な作品を残した人物として大藤信郎をあげることが出来る[33][34]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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