日本のアニメーション
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手塚治虫は本来なら膨大な枚数を必要とする30分ものアニメーションにおいて、3コマ撮り(1秒間8枚)、顔のアップなど動かないでもよい絵は一枚で済ませる止め絵の活用、動画セルをキャラクターの体のパーツ別にストックし必要に応じて再利用するバンクシステムなど、より少ない枚数で動いているように見せる手法を追求し、労力的また経済的に省力的なアニメーション制作法によって毎週分の制作を可能にし[8]、ここから週30分の日本の商業アニメーションの形式は一般化していった。また、当時日本で急激に拡大し始めていた漫画文化との連携した作品も多く作られていった[9][10]。津堅信之によると、主要な欧米語では日本製の商業アニメーションのことを「anime」と呼び自国語の「animation」とは明確に区別しているとしたうえで、日本においても日本の商業アニメーションとしての「アニメ」は1980年代の粗製濫造のネガティブなイメージを含んだ呼び名から海外での評価を受ける中でポジティブなイメージへの変化を指摘している[11]

他方では、旧ソ連やチェコスロバキアなど東欧諸国では人形文化が盛んであった背景から人形アニメーションが盛んであった[12]。アメリカにおいては、経済的にも技術的にも元々巨大であった。このように、国によって状況が異なる中で、1950年代や1960年代の日本のアニメーションにおいては、円谷英二の「特撮」にしても手塚治虫の「アニメ」にしても、安定した商業化のために、日本の需要や経済に合わせた工夫が求められてきたと言える。
分類

アニメーションとは、動かない絵や物体をコマ撮りによって動いているように見せる技法を言うが[1][2]コンピューター上で動きを生成するデジタルアニメーションもアニメーションと定義される[13][14]。また、作業工程の一部または大部分をデジタル化することによってのアニメーション制作の効率化も進んでいる[15]
絵・物体による分類

絵の表現を少しずつずらして描いたものをコマ撮りにし連続映写することによって動きを表現する場合と、物体自体を少しずつ移動させながらコマ撮りにし連続映写することによって動きを表現する場合がある[16]。絵を用いた代表的なアニメーションとしてセルアニメーション、他に黒板を描いた黒板アニメーション、紙に描いたペーパーアニメーションなどもある。物体を用いたアニメーションの総称として、ストップモーション・アニメーションという。ストップモーション・アニメーションは使う素材によってその種類が分かれ、人形アニメーションクレイアニメーション切り紙アニメーションなどがある。詳細は「セルアニメ」を参照詳細は「ストップモーション・アニメーション」を参照
平面・立体による分類

表示されるアニメーションが平面的か立体的かによる違い。例えば、セルアニメーションは当然ながら、切り紙アニメーションも平面アニメーションに含まれるが、切り紙は物体を利用しているため、平面的に表示されるストップモーション・アニメーションとなる。立体アニメーションとしては人形であれ、クレイであれ、物体を利用したアニメーションが中心となる。

平面アニメーション

立体アニメーション

フルアニメーションとリミッテッドアニメーション

フルアニメーションとは主に1秒間の最大数である24枚から半数の12枚の間で作成したアニメーションのことで、リミッテッドアニメーションとはそこからさらに枚数を削るか、体の一部を動かす際にそれ以外の部分を固定にし動かす部分のみを作画するなど、主に省力化のための手法を指す[17]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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