日本におけるゲーム機戦争
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マークIII

マスターシステム

1990年前後

エポック社が事実上撤退して任天堂・セガの1強1弱状態の中で、エポック社と入れ替わるようにNECホームエレクトロニクス(NEC-HE)が1987年にPCエンジンでゲーム機市場に参入した。NECはエポック社のゲーム機のハードウェアを担当しており[3]、NECグループからすればパートナーをエポック社からハドソンに鞍替えする形となった。

PCエンジンはファミコンと比べて本体性能が非常に高く、同年のアーケードゲーム『R-TYPE』(ハドソン)がほぼ遜色なく移植できた。1988年、CD-ROM周辺機器・CD-ROM2を発売[9]。家庭用ゲーム機として初めてCD-ROMをゲームソフトとして採用したこともあり、ゲームマニアから注目を集めた。NEC-HEは1989年にAV出力を備えたモデルPCエンジンコアグラフィックス、上位機器PCエンジンスーパーグラフィックスを発売した。1991年、廉価版のコアグラフィックス2やCD-ROM2を更に強化したCD-ROM周辺機器SUPER CD-ROM2と一体型ゲーム機PCエンジンDuoを発売、旧CD-ROM2での欠点だった読み込み速度をある程度解消させた(1993年に廉価版の「Duo-R」、1994年にはさらに低価格させて上にCD-ROMのデータ読み取り速度を向上させた「Duo-RX」が発売させた)。

1988年、セガはマークIIIの後継機として16ビットCPUMC68000搭載のメガドライブを発売した。1989年にマークIII用のソフトをメガドライブでできるメガアダプタも発売されている。1991年、SUPER CD-ROM2やスーパーファミコンの性能を上回るCD-ROM周辺機器メガCDと一体型ゲーム機ワンダーメガを発売。1993年には廉価版のメガドライブ2とメガCD2を発売した。

任天堂はスーパーファミコン (SFC) を発表するが延期を重ね、実際の発売は1990年と2機種の中では最後発となった。開発当初、任天堂は圧倒的な市場シェアを得ていた前世代機のファミコンとの互換性を目指していたが、技術仕様や製造コストの理由で断念している。コントローラが改良され、右部にA・B・X・Yの4ボタンが配置され、上部の左右にL・Rボタンが搭載された。

SFCはその後、PCエンジンとメガドライブを大きく引き離す普及台数となった。SFCはゲームソフトの一番の売れ筋であるRPGタイトルの発売数で他を圧倒しており、『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』などの人気RPGシリーズもSFCで発売された。また、ハドソン(PCエンジン)やセガ(メガドライブ)と比べ、任天堂自身が、『スーパーマリオワールド』(1990年、ロンチタイトル)、『スーパーマリオカート』(1992年)、『スーパードンキーコング』(1994年)など、長期にわたり大ヒットタイトルを発売したことで、ハードウェア売上を大きく牽引できた。

1991年にはSNKからネオジオが発売された。

この8bit1機、16bit2機のトップシェア争いは、ファミコンのブランドを活かした任天堂が他を大きく引き離し、2位にNECホームエレクトロニクス、3位にセガという結果に終わった。メガドライブは日本国内では苦戦したが北米では1989年に「Genesis」(ジェネシス)の名称で発売され、1991年の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』がキラータイトルとなり、任天堂のSuper Nintendo Entertainment System(SNES)とシェア競争を繰り広げた。

PCエンジン

メガドライブ

CD-ROM2

PCエンジンスーパーグラフィックス

スーパーファミコン

ネオジオ

SUPER CD-ROM2

PCエンジンDuo

メガCD

ワンダーメガ

1990年代中期

ゲームの高度化・複雑化とともに容量が増加した結果、搭載するROMチップが増えて製造原価が増大し、ロムカセットの価格が高騰した。スーパーファミコンでは定価が1万円を超えるソフトも多かった。

1991年、ロムカセット価格高騰に対応するため、任天堂はPCエンジンやメガドライブのようにソニーと共同でSFC用CD-ROM周辺機器の開発を開始、ソニーもCD-ROM一体型SFC互換機「PlayStation」の発売を発表した。しかし一転して任天堂はソニーとの契約を一方的に破棄[10][11]し、フィリップスと提携することを発表した(この周辺機器は結局発売されなかった)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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