日刊ゲンダイ
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その際に現地でタイムニューズウィークを比較し、エスタブリッシュメント的なタイムに対して感情を重視するニューズウィークの姿勢を学んだことが後に創刊されたときのゲンダイの論調に反映されていると栗林利彰が1978年に書いた[12](栗林は『週刊現代』時代の川鍋の下で働いた[13])。『フジ』は既存の大新聞社の産経が発行する新聞として創刊されたのに対して、『ゲンダイ』は雑誌的なおもしろさを強みにすると位置づけられ、この時点でゲンダイは『フジ』の対抗馬となることが事実上決まった[14]

講談社は戦前に報知新聞(現・スポーツ報知)を傘下に収めたことがあったが後に売却した経緯があり、音羽グループとしては34年ぶりの新聞事業再参入となる。詳細は「報知新聞#買収・統合・再出発」および「三木武吉#政界復帰、公職追放」を参照

1975年(昭和50年)10月の創刊時、講談社から日刊現代社に参画した社員は少なかった[9][10]。それでも少なく見積もって15万部を刷り読者にアピールした[10][11]。しかし、1975年11月と12月には実売で10万部を割り[11]1976年1月には1万部から2万部にまで落ち込む[11]。この廃刊の危機を救ったのが、同年2月のロッキード事件だった[11]。事件の情報を毎日送り出し[15]、高官の実名を伏せる新聞[11] と速報性の低い週刊誌[11] との隙間をついて差別化に成功し[9][11]、1976年2月から低迷を脱し8月に売上はピークに達した[9]。これによりゲンダイは窮地を救われたばかりでなく、飛躍に向けてのスタートを切った[16]1983年(昭和58年)に公称110万部を謳う。創刊当時は日刊現代社は編集権のみで、奥付に日刊現代社の住所・電話番号の記載もあったものの最終的な発行所は講談社とクレジットされていた。

1980年(昭和55年)、惟道はゲンダイを軌道に乗せることに成功した実績を買われ、講談社本社の社長に就任する。

1981年(昭和56年)11月16日、大阪版創刊。巻頭記事は「創価学会池田大作名誉会長の醜聞が「月刊ペン事件」の裁判ですでにこれだけ暴露された」だった。同年12月1日には、北海道日刊スポーツ新聞社[注釈 2] の出資による日刊サッポロ株式会社から『日刊サッポロ』として札幌版が創刊された。

1990年頃、講談社の文字が奥付から外れ、名実ともに日刊現代社が編集から発行までの全責任を負う。

1992年4月、中部経済新聞社と提携して中部版を創刊[5]

2006年6月1日付から、『日刊サッポロ』は題字を東京や大阪などと同じく『日刊ゲンダイ』に改めた[6]

2008年、中部版の印刷を中部経済新聞共々、中日新聞グループ中日高速オフセット印刷に委託。

2017年6月5日より、東京本社版の印刷委託先をそれまでの日刊スポーツ印刷社(現・日刊スポーツPRESS)から、東京スポーツと同じ毎日新聞グループ東日印刷に変更した。

2024年3月30日、同日発行の4月1日号を以て中部版は休刊。中部経済新聞社はゲンダイ事業から撤退した。4月以降、愛知・岐阜・三重の宅配希望者には大阪版が翌朝に宅配され、他の中部版エリアの読者は東京版の郵送となる(電子版への移行も可能)[5]

2008年10月2日号(10月1日発行)から、1部売りが120円から130円に、2011年9月2日号(9月1日発行)からは130円から140円に、2019年4月2日号(4月1日発行)からは140円から150円に、2021年11月2日号(11月1日発行)からは150円から160円に、2023年4月4日号(4月3日発行)からは160円から180円に値上げした。
紙面構成

紙面構成は創刊時からライバルとされた『夕刊フジ』の紙面とほぼ同じ[11]。詳細は「夕刊フジ#構成の根幹」を参照

川鍋はゲンダイを「日刊雑誌」と位置付け、紙面構成では1面のレイアウトを雑誌の表紙に見立てた[17]。1面は大きく見出しを載せて記事は導入部が多かった[17]
印刷工程

2010年頃までは、中央競馬の枠順確定や、昼頃に発生したニュースに合わせて一日最大三版の体制が組まれ、競合紙の夕刊フジや東京スポーツも類似の体制を取っていた。日刊現代社では2024年現在も、通常時は『A版』と『B版』の一日二版体制を取っていると広告主に説明している[18]。「夕刊フジ#印刷工程」も参照

中央競馬の開催前日となる金曜日と土曜日は、午前10時以前に印刷され、木曜日の15時45分頃にJRA本部競走部から発表された出走馬決定表を馬名のアイウエオ順に掲載した『A版』と、午前10時頃に発表された枠順・馬番号入りの確定出馬表を掲載する『B版』、そしてB版〆切後のニュースを反映した最終版である『C版』の具合で編集・制作が行われていた。このため競馬開催前日には、どうしても早刷り版を並べる必要がある東京都心のごく一部の駅売店NewDays=旧・キヨスクMETROSなど)を除いて、『A版』の流通を極力絞っていた。競馬は枠順・馬番号が決まらなければ、勝馬投票券を発売することができず、ファンも同様に予想を立てられなくなるためであり、過去には出走馬決定表をそのまま確定出馬として発売してしまった専門紙『ぐりぐり◎』が創刊からわずか3週間で廃刊に追い込まれた例もある。「馬三郎#備考」および「アクセラ (企業)#事業展開」も参照

2024年現在は、中央競馬の枠順確定がない月曜日から木曜日までは『AB統合版』の一日一版体制、金曜日と土曜日は前述の通り『A版』『B版』の一日二版体制で印刷するのが基本で、木曜日14時に旧八大競走ジャパンカップなど中央競馬の一部GI競走が枠順まで確定した場合など状況により『C版』を制作することがあるとしている。電子版は中央競馬の枠順発表に関係なく1日1回、日本時間15時に翌日付に更新することを基本とし、木曜日14時に一部GI競走が枠順確定した場合は、同日の日本時間17時に臨時更新を行う。「前日発売#中央競馬」および「八大競走#勝馬投票券の前日発売制度」も参照
論調

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出典がまったく示されていないか不十分です。内容に関する文献や情報源が必要です。(2016年9月)


一次資料や記事主題の関係者による情報源に頼って書かれています。(2016年9月)


本紙に掲載される記事の編集権は原則として日刊現代社にあり、1990年以前の発行所が講談社だった時代も含め、講談社本社は基本的に本紙の編集にはタッチしていない。『週刊現代』『FRIDAY』など講談社が発行する他の雑誌との連携も表向き積極的には取られていない。週刊現代の編集長が加藤晴之に交代した2006年以降、特に内政面で週刊現代と日刊ゲンダイが逆の立場を取るケースも多く見られる。「週刊現代#加藤晴之編集長時代」および「転向#冷戦末期?冷戦後」も参照
根幹

日刊現代社は広告主向けに公開している媒体資料の中で、本紙の報道方針について
「批判すべきは批判する」

「徹底して読者の側に立つ」

ことを掲げており、一般全国紙放送局の多くが前面に出す「不偏不党」「公正中立」「客観報道」に真っ向から立ち向かうとしている。


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