日だまり刑事_容疑者リオの涙
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更には所轄から苦情を受けた理事官に呼び出されて叱責され、続けて樋口を信頼していたはずの池田管理官にまで諫められてしまう。樋口は「周りに味方はいない」と思い込むようになってしまったが、秋葉衆議院からの励ましを受け、自分が信じる正しさを貫き、藤本、氏家、天童、秋葉らの励ましを受け事件の解決に奔走する。『遠火』では女子高生の殺人・死体遺棄事件を調査している内に売春グループが絡んでいるかもしれないという報を聞く。樋口は被害者の女友達から話を聞くが、何者かによってその瞬間の写真を撮られ淫行刑事の汚名を着せられてしまう。
天童 隆一(てんどう りゅういち)
年齢47歳→51歳(『廉恥』)→52歳(『無明』)。警視庁捜査一課強行犯第一係係長→第二強行犯捜査の管理官(『廉恥』)。階級は警部補→警視(『廉恥』)。樋口の上司であり、彼が駆け出しの頃は二人でコンビを組んでいた。若い頃は世田谷署警ら課(今で言う地域課)に勤めており、後に公安を得て捜査一課へと移った。現在は直接捜査には当たらず、他の班の捜査の段取りをする立場にある。このポジションは、かつては「ショムタン」と呼ばれており、今でも天童はその名称を用いている。ただし『廉恥』以降は用いていない。刑事というよりは学者に近い雰囲気を醸し出しており、性格も温和。樋口には強い信頼を置いており、内心では常に彼を励ましている。『廉恥』では出世しており階級も上がっており、尚且つ、明らかに太り気味な体型になっている。また捜査本部が主な舞台になったことで出番が大幅に増えた。『無明』では所轄が自殺と断定した事件を気に掛けており、遠藤の依頼で動いていた樋口に別動隊として調べてほしいと頼む。直後に天童は別の事件に掛かりきりになり、結果的に樋口を孤立させてしまうこととなった。終盤では理事官に呼び出された樋口に代わって矢面に立つ。
田端 守雄(たばた もりお)
捜査一課課長。天童と同じく樋口を信頼している。太い首に凄みのある笑みと、野性的な人物。若い頃は、猪突猛進に捜査に当たっていたという叩き上げ。外見に反して会議中に軽い冗談を言うなど明るい性格。『廉恥』では捜査本部が主な舞台になったことで出番が大幅に増えた。樋口には管理官候補として期待している。『隠蔽捜査』の第5弾や第7弾にゲスト出演しており、主人公・竜崎伸也の人柄を知って「噂通りの方だ」と称えた。このほか、『安積班シリーズ』の『烈日』や『炎天夢』、『萩尾警部補シリーズ』の『確証』、『同期』シリーズの『変幻』にも登場する。『無明』では終盤に登場。樋口、藤本、天童らが、所轄が自殺と断定した事件の再捜査をしていたことを理事官から聞き、その扱いについて決断を下した。
池田 厚作(いけだ こうさく)
年齢50歳。警視庁捜査一課の理事官(一課長に次ぐ地位)→第一強行犯捜査管理官(『無明』)。階級は警部[注 1]。天童と同じく樋口を信頼している。『無明』では強行犯捜査第一係、第二係を統括する管理官(ショムタン)として登場。樋口が千住警察署の事案に首を突っ込んだことから「所轄を敵に回しかねない」と石田理事官の怒りを買い、石田から話を聞いたことで樋口を諫めようとして対立してしまう。このことで樋口には「あんな上司とは思わなかった」と失望されてしまった。『安積班シリーズ』の『烈日』に収録されているエピソードにも管理官としてゲスト出演しているほか、『同期』シリーズの『欠落』にも登場。
氏家 譲(うじいえ ゆずる)
年齢38歳(『リオ』)→「40歳になる」(『ビート』)→43歳(『廉恥』)。萩窪署生活安全課→警視庁生活安全部少年事件課少年事件第三係(『廉恥』)→警視庁捜査二課選挙係係長(『焦眉』)。階級は巡査部長→警部(『焦眉』)。樋口とは『リオ』での一件からコンビを組んで親しくなり、『朱夏』においても相棒として最後まで協力した。『ビート』では管轄が違うこともあってあまり登場しなかったが、家庭内不和に悩む樋口にアドバイスを送っている。こうしたつき合いから樋口の妻子にも受けがいい。大学時代は心理学を専攻していた。当人は「学生時代に学んだことなんて忘れてしまった」と述べているが、実際は教授から大学に残ってほしいと引き留められたほどの実力者。樋口が「動機がない」と断じた人物に対して「心の内に隠された動機」を見抜き、真犯人の割り出しにたびたび貢献している。女にだらしない面を感じさせるが、ふしだらな若者たちに対して説教したり、彼らを生み出した大人たちに対しても静かな怒りを持つ。皮肉的な笑みを浮かべることが多い、これは世の中に対する不満を「自嘲」という形で表し抑えているに過ぎないという。一見するとやや粗野に見えるが、実際は周囲を気遣う気配りの利いた人物。樋口が信を置く数少ない「友人」である。『廉恥』では電話越しの会話のみ登場。樋口とは細かく連絡を取っているので台詞は多い。樋口の娘・照美がある事件に巻き込まれたことを伝え、解決までサポートした。『焦眉』では本人が再登場。捜査二課選挙係係長となり、警部になって研修も終え、樋口と久しぶりに酒を酌み交わした。その後、樋口たちに合流して殺人事件の捜査に協力する。『無明』では選挙係係長になったのは修行のためだったことが判明し、近い内に少年事件第九係の係長になることが語られた。終盤では樋口たちから助っ人として呼ばれ、真犯人の尋問に当たり自供させた。また理事官の目を逃れて捜査を続ける樋口たちを匿ったりもした。
小椋 重之(おぐら しげゆき)
樋口班のベテラン刑事。年齢51歳(『焦眉』)。階級は警部補(係長補佐)。愛称は「オグさん」。樋口より年上のため敬語を使われている。警察官は階級や役職より年齢を重視する傾向があり、樋口曰く「小椋が好き勝手にするようになったら諫められないだろう」と考えている。
藤本 由美(ふじもと ゆみ)
樋口班の紅一点。元々はドラマ版オリジナルキャラクターで、原作『焦眉』の終盤にゲスト出演した。『無明』では別動隊として樋口とコンビを組み、高校生の入水自殺の調査に当たった。ドラマ版と同じく気の強い性格で、軽蔑した相手は年上でも上司でも呼び捨てにする。
菊池 和真(きくち かずま)
樋口班の若手刑事。元々はドラマ版オリジナルキャラクターで、原作『遠火』にて登場した。
中田 裕之(なかた ひろゆき)
樋口班の刑事。元々はドラマ版オリジナルキャラクターで、原作『遠火』にて登場した。
遠藤 貴子(えんどう たかこ)
女性新聞記者。元々はドラマ版オリジナルキャラクターで、原作『無明』にて登場した。樋口の人柄を見込み、高校生の入水自殺の真相を解明するように依頼する。
秋葉 康一(あきば こういち)
『焦眉』から登場。年齢45歳前後。自由が丘駅の側に個人事務所を構える衆議院議員。違反や隠し事を嫌い、常に公明正大を信条とする。「先生」と呼ばれることを嫌う。30歳の時には区議会議員選挙に参加している。『焦眉』では悪徳検事たちの策謀により「秋葉が秘書に殺人を命じた」という筋書きで逮捕されそうになる。秘書が検事たちに逮捕されたと聞いた時は怒鳴り込むつもりだったが、応対に出た樋口の人柄を信じ、検事たちの罠に掛かるまいと堪えることを選んだ。当初は樋口に対しても当たりが強かったが、「正しいことは正しいことで証明しなければならない」という樋口の信念を聞き、次第に心を開くようになる。『無明』では広報担当のスタッフが1人抜けることから樋口の娘・照美を後釜に迎えたいと申し出る。また樋口が意気消沈していることを見抜き、あえて深くは効かず「味方は必ずいる」と伝え立ち直らせるのに一役買った。
樋口 恵子
樋口の妻。小柄でショートの黒髪。大学時代は英語に熱心で、英文科に通っていた。現在はそれを活かして下訳(翻訳家の資料作り)の仕事をしている。夫とは大学時代から付き合っており、結婚後17年経った今でも良き妻として樋口を支えてきた。大学時代は男子学生たちから人気があったが、告白してきた樋口と恋仲となる。しかし、大学4年生の時にアメリカへ留学し疎遠となってしまう。半年後に帰国し、それを知った樋口から電話を受けたことで再び付き合いが始まった。常に感情を抑えている樋口がこうできたのは、「自分と恵子の絆は常に繋がっている」と考えていたことが大きい。『朱夏』では何者かに誘拐されてしまい、わけもわからずパニックに陥る。それでも監禁生活の中で次第に落ち着きを取り戻し、夫が必ず助けに来てくれると信じ続けた。
樋口 照美
樋口家の一人娘。高校生→二十歳、大学三年生(『廉恥』)→新社会人(『焦眉』)。恵子が24歳の時に生まれたため、「母娘」というよりは「友人」のような気軽さで接している。逆に父親に対しては反抗期だった時期があり、それが樋口のトラウマになっている。『廉恥』では大学三年生となり、部屋に引きこもってネットサーフィンばかりやっている。そのため父とはロクにコミュニケーションがとれていない。ある事件に巻き込まれてしまい、父として無実を証明しようとする樋口に対して当初は反抗的だった。『無明』では報道関係の仕事に就こうとしたが、落ち続けたため仕方なくIT関係の仕事に就職した。しかし入社間もなく辞表を提出し、自分が本当にやりたい仕事に就くことを考えるようになる。『焦眉』での縁から秋葉に広報担当のスタッフとして迎え入れられた。
テレビドラマ
NHK版

NHK BS-2にて、1997年6月1日から6月29日まで、「日だまり刑事 容疑者リオの涙」のタイトルでテレビドラマ化(全4話)。主演は鹿賀丈史。同年12月に全2回に編集されたものが地上波で放送された。
キャスト(NHK版)

樋口顕 -
鹿賀丈史

氏家譲 - 川原和久

飯島里央 - 矢田亜希子

岩田史郎 - 村上寿[17]

柴俊夫松原千明菅原文太野口五郎鈴木ヤスシ中野誠也朝加真由美平泉成寺島進石丸謙二郎松下恵イジリー岡田、穴繁加奈子、住若博之、森松條次、畑山東一郎、三原有人、荒井誠、岩田仁吉、山伏雅文、国本裕樹、させさちこ、池田武志、吉田祐健、鳥生麻友美、橋本淳、沖真之、奥野忍、中山みずほ、陣内みさと、岩松了大島蓉子大方斐紗子、長田里依、山本美穂子、安田博美、三浦みゆき

スタッフ(NHK版)

原作 - 今野敏『リオ』

脚本 - 坂田義和

音楽 -
千住明[18]

プロデューサー - 近藤晋

演出 - 松原信吾

テレビ東京版

今野敏サスペンス
警視庁強行犯係 樋口顕
ジャンル
刑事ドラマ
原作今野敏
脚本大石哲也
坂上かつえ
真部千晶
監督児玉宜久
金佑彦
植田尚
出演者内藤剛志
矢田亜希子
逢沢りな
佐野岳
竹財輝之助
片山萌美
小松利昌
斉藤暁
川上麻衣子
榎木孝明
佐野史郎
製作
チーフ・プロデューサー濱谷晃一(テレビ東京


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