方程式
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の実数解表示を与えるカルダノの公式 x = − q 2 + ( q 2 ) 2 + ( p 3 ) 3 3 + − q 2 − ( q 2 ) 2 + ( p 3 ) 3 3 {\displaystyle x={\sqrt[{3}]{-{\frac {q}{2}}+{\sqrt {\left({\frac {q}{2}}\right)^{2}+\left({\frac {p}{3}}\right)^{3}}}}}+{\sqrt[{3}]{-{\frac {q}{2}}-{\sqrt {\left({\frac {q}{2}}\right)^{2}+\left({\frac {p}{3}}\right)^{3}}}}}}

複素数の発見につながった。また、量子力学における粒子位置運動量の間に成り立つ正準交換関係 p q − q p = i ℏ {\displaystyle pq-qp=i\hbar }

の状態を通常の数(C 数、classical number)の組でなく作用素で与える範例をもたらした。
関数方程式詳細は「関数方程式」および「微分方程式」を参照

数の等式ではなく関数の等式で与えられる方程式を関数方程式と呼ぶ。 F ( x , y , z , … ; f 1 ( x , y , z , … ) , f 2 ( x , y , z , … ) , … ) = 0 {\displaystyle F\!\left(x,y,z,\dots ;f_{1}(x,y,z,\dots ),f_{2}(x,y,z,\dots ),\dots \right)=0}

関数方程式によって決定される関数を未知関数 (unknown function) と呼び、方程式中のそれ以外の関数は既知関数 (known function) として区別される。特に関数とその導関数に対して関係式を与えることで得られる微分方程式は、物理学の研究から興味深い実例を与えられ、逆にその研究成果が物理学に寄与するなど、物理学との関連が深い。一方純粋数学的には層の理論などと結びついて興味深い結果が得られている。微分方程式はさらに常微分方程式偏微分方程式に別けられる。

連続的な変数に関する微分の近似として、離散系における差分によって定式化された差分方程式の考察がしばしば有用である。微分方程式と差分方程式では様々な類似概念や類似手法が並行して通用するため、同じ事象の連続的な側面と離散的な側面とを表していると考えることもできる。

また、方程式の形のみならず「重ね合わせの原理が働く」か否かという、解の状態についての分類が考えられる。解の重ね合わせが考えられる方程式を線型方程式、そうでないものを非線型方程式と呼ぶ。解の重ね合わせはベクトル空間の概念と結びつき、線型性という観点から線型代数学の様々な概念や手法を適用することが可能になる。とくに微分方程式を代数的に取り扱うという立場においては線型微分方程式は最も基本的な対象となる。

重要な数学的概念の導入・発展をもたらした関数方程式に、熱方程式超幾何関数の微分方程式、可積分系に対するKdV方程式KZ方程式が挙げられる。
関数方程式の解の種類

微分方程式や差分方程式の解は、一般解と特異解とに分類されることがある。
一般解
微分方程式や差分方程式の解の多くは、
積分定数などの任意定数や、任意関数を含む形で記述されることが多い。例えば、n 階の常微分方程式であれば n 個の積分定数を持つ。このように、任意定数や任意関数を含む形で書かれる解のことを 一般解 (general solution) と言う。また、一般解に含まれる個々の解のことを特殊解 (particular solution) あるいは特解と言う。一般解に含まれる任意定数や、任意関数に特定の値や関数を与えることによって得られる解は全て特殊解である。一般解が任意定数を係数とする関数の線型結合で表される場合、この既知の関数の組を基本解系と呼び、その要素を基本解 (elementary solution) と言う(基本解系を単に基本解と呼ぶこともある)。



特異解
一般解はその名前から「方程式の解のすべてを表現したもの 」と誤解されることが多いが、一般解だけでは表現できない解が存在することがある。この一般解で表されない解を特異解 (singular solution) と言う。

有名な例としては、クレローの方程式 y = x ⋅ d y d x − ( d y d x ) 2 {\displaystyle y=x\cdot {\frac {dy}{dx}}-\left({\frac {dy}{dx}}\right)^{2}}

は、一般解 y = C x − C 2 {\displaystyle y=Cx-C^{2}}

の他に特異解 y = x 2 4 {\displaystyle y={\frac {x^{2}}{4}}}

を持つ。
自然科学における方程式詳細は「基礎方程式」を参照

自然科学が取り扱う様々な量の間に成り立つ関係は方程式として記述されている。とくに17世紀のガリレイケプラー以降の物理学における種々の基本的な法則はふつう数学的な方程式によって表されてきた。


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