菩薩(仏陀となる前の釈迦)は、兜率天で諸天とともに生活していたが、楽器の音によって自らの使命を思いおこし、弥勒に後を託して摩耶夫人の胎内に入り、ルンビニーで生まれる。菩薩が寺院を訪れると石像が立って迎え、学校では優れた成績を示して師を驚かせた。王子としてなに不自由のない生活をしていた菩薩は、しかし四門出遊を契機に出家を決意した。ここでも菩薩は師より優れていたため、師の教えに満足できず、自ら6年間の苦行を行う。しかし苦行では悟りを得られないと知り、菩提樹の下で禅定にはいる。悪魔の誘惑をしりぞけて成道してから7週間は言葉を発しなかったが、諸天の求めに応じて鹿野苑で説法を行う(初転法輪)。
影響ボロブドゥールのレリーフより
『方広大荘厳経』に記述されている、菩薩の起こしたさまざまな奇跡は、ガンダーラ、アジャンター石窟群、敦煌などの仏教美術の題材として使用された[8]。またジャワ島のボロブドゥール遺跡の第一回廊主壁上段のレリーフ120面は『方広大荘厳経』にもとづいている[9]。
脚注^ 小野(1935) p.431
^ Dharmachakra Translation Committe (2013) xiii
^ 小野(1935) p.432
^ Brough (1977) p.94)
^ Salomon (1990)
^ Foucaux, Philippe Edouard (1860). Histoire du Bouddha Sakya Mouni