新語・流行語大賞
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年間大賞・トップテンの選定が始まる以前の1989年平成元年)にベルリンの壁崩壊を意味する「『壁』解放」が特別賞を授与された例はある[27]が、1990年代以降、ノミネート公表とほぼ同時期に流行していた言葉は登場しなくなった。2010年代より後だけでも2011年10月期の日テレ水曜ドラマ家政婦のミタ』(「承知しました」や「それは業務命令でしょうか」等)[26]、2016年10月期のTBS系火曜ドラマ逃げるは恥だが役に立つ』(略称・『逃げ恥』や恋ダンス)、2022年のサッカーワールドカップカタール大会に関連した言葉(「ドーハの歓喜」「ブラボー!」など)[28][29][30]などがノミネートに挙がらなかった。自由国民社はそれらノミネートから洩れた言葉を救済する機会を与えない姿勢を貫いており、翌年に改めてノミネートされたり、新聞協会賞のように追加ノミネート、追加受賞が認められたりしたケースは1990年代以降一度もない。

やくは「10月以降の言葉を選ぶ猶予がなかった」と弁明したことがあるものの[26]、あいまいな選考基準や追加枠を一切設けない姿勢については疑念を残す形となっている。
やくみつるの言動を巡る論議

選考委員の一人であるやくみつるはその発言や姿勢が批判の対象になることが多い。

例えば、2019年のノミネートが発表された際に、惑星探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウに作った「おむすびころりんクレーター」を「はやぶさ2の話題は偉業としてもてはやされたが、その後の言葉が定着してない。ここに入れることによって、そういう言葉もあったんだねと認知してもらう効果もある」と、流行した言葉でないのを分かった上で「新語」として自らが候補に「ねじこんだ」ことを明かした[31][32] 際、「全く流行っていない言葉」「やくによる私物化」と、選考基準を疑問視する声ややくを始め選考委員への批判が起きている[33]。2020年のノミネートに関しても、「うちで流行った」という理由でぼる塾のネタ「まぁねぇ?」をねじ込んだことを明かしている[34]

2022年のノミネートではプロ野球関連の言葉が全体(30語)の2割となる6語も占めていたことから、大のプロ野球ファンとしても知られているやくが野球用語をねじ込んだのではという指摘もインターネット上において上がったが、やくはノミネート発表後に出演したTBSラジオナイツのちゃきちゃき大放送』において、「野球用語が多すぎる。もっといろんなジャンルから選んだ方がいいんじゃないか?」と寧ろ野球関連の用語を削減しようと選考委員に提案していたとして、反論している[35]
候補の除外

一般的に流行した用語が賞の候補から削除される例として代表的なものを挙げる。

1995年(平成7年)の「ポア」や「サティアン」「ああ言えば上祐」などがある。これらはオウム真理教関連用語であり、その年の『現代用語の基礎知識』の読者アンケートでも上位に入った。しかし「同教団関連用語の選出はオウムによるテロの容認につながる、また世論の厳しい非難をあびる」という理由により[要出典]、同教団関連用語はすべて選考対象外となった[36]


2009年、元財務大臣で衆議院議員だった中川昭一の釈明の言葉「ゴックンしてない」をノミネート候補に『ねじ込む』予定であったが、中川が自決したため見送られた[37]


2012年(平成24年)の「ナマポ」(生活保護を意味する俗称)は、ノミネート候補に選ばれたが、その後生活保護受給者から差別や悪意の助長のおそれが指摘され、受賞は差別を肯定したという解釈につながると判断し、後に受賞対象外となった[38]


2014年の『ありのままで』は、「同曲が主題歌として使われたアニメ映画『アナと雪の女王』を見た選考委員が誰もいなかったため、年間大賞候補から外されトップテンにとどまった」とやくが『週刊朝日』の座談会で明かしている[39]


2016年に放送されたテレビ番組で、2015年まで選考委員で2015年は選考委員長だった鳥越俊太郎が大賞受賞者について言及した。鳥越によると表彰式で発表される「トップ10」のうち「年間大賞」受賞者は式への出席が必須で出席できない場合は表彰式が盛り上がらないので大賞から外れるという。2015年の選考では「五郎丸」が年間大賞だったが本人が用事で出席できないということで急きょ「トリプルスリー」に変わったと語った[40][41]。ただし、2014年の「集団的自衛権」については受賞者辞退にもかかわらず大賞に選定し、後述の批判を招いている。


2017年には元衆院議員豊田真由子の「このハゲーッ!」発言がワイドショーを賑わしたが、性別や年齢に関係なく、人の外見をあのように揶揄する言葉は公共の場で使われるべきではないとして、「ちーがーうーだーろー!」がノミネートされた[42]


2019年には国政政党に躍進したNHKから国民を守る党および党首立花孝志のキャッチフレーズ『NHKをぶっ壊す』が子供たちの間で流行したが[43]、候補に選ばれることはなかった。この事に対して、同党所属の衆議院議員丸山穂高は「流行語大賞候補に「れいわ旋風」は入れつつ、小学生まで真似してる「NHKを?ぶっ壊す!」を入れないところが、まさに政治的に偏っている流行語大賞らしい。過去にも「保育園落ちた日本死ね」「アベ政治を許さない」とか。まあ審査員メンバー見ればお察しですが、ノミネート基準が不明確すぎるでしょ」と批判した[44]


2023年のノミネートから、第101代内閣総理大臣岸田文雄に対するネットスラングである「増税メガネ」が外されたことに対してSNS上で忖度ではないかと話題になったが、やくは「ルッキズムに依拠するアダ名を全否定するものではないが、『増税メガネ』は首相のアダ名を超えて一人歩きしてしまっている。弱視等の理由でメガネを着用されている知人や子供たちを思ったとき、これを尻馬に乗っかって推すべきではないと選考委員の一人として考えます」と除外理由を述べている[45]

受賞者

2000年代後半頃からでは「流行語」を最初に広めた人物・団体が表彰されず、その言葉を象徴する(と判断された)人物・団体が表彰されるケースが多く見られるようになってきた。

受賞者と「最初に広めた人物」との乖離がある例として、斎藤美奈子は
2000年(平成12年)の「おっはー」は表彰式で受賞者の香取慎吾本人が「パクリだ」と言ったように、テレビ東京系列の番組『おはスタ』で以前から用いられていた挨拶が元であり、「IT革命」は森喜朗(当時第85代内閣総理大臣)が流行らせた言葉だろう、「めっちゃ」も田島寧子が使う以前から関西では若者言葉として一般的に使われていたと指摘している[24]

2001年(平成13年)トップテンの「抵抗勢力」(小泉内閣の改革に反対する自民党内勢力を指す言葉)では候補者が全員辞退した[46]

2004年(平成16年)の「自己責任」(イラク人質事件の被害者に対して向けられた言葉)では、受賞に値する人々に配慮して「該当者なし」となった。[要出典]

2007年(平成19年)の「消えた年金」は、この問題を指摘した民主党長妻昭ではなく、年金の不備に責任がある立場の第9代厚生労働大臣舛添要一に贈られた。


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