この全国紙と地方紙の区分は日本以外にも存在する。イギリスではタイムズなどのロンドンに拠点を置く全国紙と、各地域の地方紙とが併存している[11]。これに対し、アメリカでは国土が広大なこともあって全国紙はウォールストリート・ジャーナルとUSAトゥデイの2紙にすぎず、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストのような大規模なものから田舎町の零細なものまで、非常に多くの地方紙が各地方に分立している状態となっている。ただし多くの地方において2社以上の競争状態になっていることは少なく、大都市を除いては1地方に1社の新聞があるだけの状態となっている[12]。 発行内容に関しては、多くの新聞は特に専門を定めずニュース全般を広く取り扱う一般紙となっている。これに対し、特定の業界や分野のみに特化した新聞も存在し、これを専門紙または業界紙と呼ぶ[13]。日本におけるスポーツ新聞はスポーツを中心に芸能やレジャーなど娯楽関連をおもに扱う新聞で、他国におけるタブロイド紙(大衆紙)に近い[14]。このほか特殊なものとして、公営競技の競走(レース)を予想する予想紙も存在する。政党や各種団体などの機関が成員を対象に発行する機関紙も数多く発行されている。 一般紙のうち知的階層向けのものは高級紙と呼ばれ、大衆を対象としたセンセーショナルな内容の新聞は大衆紙と呼ばれる[15][16]。高級紙・大衆紙の区分はイギリスにおいて非常に明瞭なものとなっている[17]が、アメリカにおいては明確な大衆紙というものは少なく、総体として落ち着いた報道内容の新聞が主流となっている[18]。日本でもそのような区別はあまりない[16]。高級紙は比較的発行部数が少ないが世論への影響力が強い[15]。 新聞は、その用紙のサイズ(判型)によってもいくつかに分類される。基本的には大型と小型の判型に二分され、大型のものにはイギリスの一般紙で広く使用されるブロードシート判 (375mm×600mm)や、日本独自の判型でほとんどの国内一般紙が採用しているブランケット判[19](406mm×545mm)など、いくつかの判型がある。小型の判型でもっとも多く使用されるものはタブロイド判(235×315mmまたは285×400mm)である。タブロイド判はイギリスをはじめとして大衆紙が多く採用しているため、転じて大衆紙のことをタブロイドともいう。日本でも、夕刊フジや日刊ゲンダイのような夕刊スポーツ紙はタブロイド判を採用しているところもある[19]。このほか、この2つの中間に位置するベルリナー判(315mm×470mm)を採用する新聞社も多い。
内容
判型
その他
Size:97 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef