新聞縮刷版
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1959年(昭和34年)1月号よりB4判からA4判に縮小された[7]

なお、『大阪朝日新聞』も1928年(昭和3年)1月分(2月発行)から『東京朝日新聞』とは別に縮刷版の発行を始めたが、1940年9月の東西統合後、1941年(昭和16年)12月に廃刊となった[8][7]

光ディスクによる電子縮刷版は、『読売新聞』が1994年1月よりCD-ROM版の発行を開始したのが最初である。このシステムは読売新聞社丸善日立製作所の3者が共同で開発したものであった[9]
縮刷版における記事の訂正・削除「伊藤律との会見」を報じた朝日新聞(1950年9月27日付。縮刷版ではこの記事が抹消されており、本文に記載のお断り記事に差し替えられている)

原則として誤植・誤報・表現上の問題などがあった場合でも紙面の編集・加工などはせず原版をそのまま掲載しており、また訂正記事もそのまま載せているが、例外も存在する。

『朝日新聞縮刷版』は、1989年(平成元年)9月号まで、「実際の紙面の記録」より「資料」性を重視する方針から、「訂正」や「おわび」の元になった記事、誤りのあることがわかった記事は修正した形で掲載してきた。また、訂正文を削除して穴埋めを載せる、という方針であったため、実際の紙面と食い違いが生じる場合がしばしばあり、「間違いをこっそり直した」といった批判を受けるなどの問題もあった[注釈 1]。1989年10月1日より、訂正文をより丁寧で目立つ形で掲載する方針となったことを機に、縮刷版についても、1989年10月号からは、記事の間違いは間違いのまま、訂正記事もそのままで出版する、という方針に切り替えている[11][注釈 2]

以下に、この方針転換以前の例を挙げる。

1943年1月1日付『朝日新聞』に掲載された中野正剛の「戦時宰相論」は、東條英機首相を批判した内容として掲載後に記事差し止めとなったため、縮刷版には収録されていない。当時の取り締まりでは、どの記事が差し止めになったかということ自体も報道できなかったため、縮刷版では埋め草として、実際の1月1日付紙面には掲載されなかった記事が掲載されている[13]

1950年9月27日『朝日新聞』朝刊の「伊藤律会見報道事件」といわれる捏造報道問題の箇所は、同年10月に発売された縮刷版で「お断り ここに掲載された伊藤律氏の会見記は事実無根と判明しましたので全文削除しました」として、当該記事の掲載を削除している[14]

1989年4月20日『朝日新聞』夕刊に掲載された写真記事「写89・『地球は何色?』」で、のちに「記事ねつ造事件」という大問題にまで発展した「サンゴを汚したK・Yってだれだ」の記事については上記の伊藤会見捏造事件と異なりそのまま掲載されているが、当該記事緒欄外に「おことわり 写89・『地球は何色?』の写真については本社の取材に過ちがありました。『お詫び』を5月16日付と同20日付の朝刊1面に掲載しています」との謝罪文が掲載されている。なお、当初は縮刷版から削除する方針と伝えられていた[15]が、おわび記事との整合性がとれなくなるとして残すことにしたものという[16]。同様の例として三億円別件逮捕事件の関連記事について国立国会図書館においても「関係者の人権に留意して利用するよう」閲覧者に向けた注意書きが添付されている。
縮刷版を発行している日本の新聞
全国紙

朝日新聞(1919年7月 - )[17] - 発売元は朝日新聞出版。前身の『東京朝日新聞』を含む。また、『大阪朝日新聞』でも『東京朝日新聞』とは別に縮刷版を発行していた(1928年1月 - 1941年12月)[18]。なお、『東京朝日新聞』としてスタートした1888年7月から1919年6月までの復刻縮刷版も、日本図書センターから刊行されている[19][20]

毎日新聞(1928年1月 - 1929年1月、1937年1月 - 1944年4月、1950年1月 - )[21] - 発行元は毎日新聞出版。前身の『大阪毎日新聞』を含む。1944年4月までは大阪本社版[22][23][24]

日本経済新聞(1949年4月 - )[25]

読売新聞(1958年9月 - )[26]

英字紙

The Japan Times (1961年11月 - )[27]

地方紙

中日新聞(1972年1月 - )[28]

業界紙

日経MJ(1982年9月 - )[29] - 旧題号の『日経流通新聞』を含む。

日本証券新聞[30]

環境新聞(1993年1月 - )[31]

文化通信(2002年 - )[32]

新文化(1972年1月 - )[33]

電気新聞(1970年1月 - )[34]

燃料油脂新聞[35]

ニッキン(1964年 - )[36] - 旧題号の『日本金融通信』[37]を含む。

政党機関紙

公明新聞[38]

過去に縮刷版を発行していた日本の新聞

光ディスクCD-ROM/DVD-ROM)版へ移行した新聞を含む。
全国紙

産経新聞 - 『産業経済新聞』時代の1951年1月 - 1954年12月に大阪本社版の縮刷版を発行していた[39]

地方紙

北海道新聞(1967年4月 - 2020年12月)[40]

十勝毎日新聞(1982年1月 - 2005年3月、以後は光ディスク版)[41]

秋田魁新報(1966年7月 - 1974年2月)[42]

福島民報(1976年10月 - 2002年7月、以後は光ディスク版)

茨城新聞(1970年1月 - 1971年12月、1980年4月 - 2002年6月、以後は光ディスク版)[43] - 旧題号の『いはらき』[44]を含む。

下野新聞(1965年11月 - 2002年3月、以後は光ディスク版)[45]

埼玉新聞(1980年4月 - 2019年12月、以後は光ディスク版)[46]

千葉日報(1976年7月、1977年4月 - 2004年3月、以後は光ディスク版)[47]


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