日本のエキュメニカル派の神学には、バルトの弁証法神学が強く影響を及ぼしており、植村正久の後継者である高倉徳太郎がその備えをしたとされる。高倉はバルト以前のバルトと呼ばれるピーター・フォーサイスの影響を受け、1924年に東京神学社でバルトとブルンナーを紹介した。バルトは世界像、人間観、歴史的、宗教的、神学的矛盾、文化的制約において、聖書が誤っていると主張した。[5][6]
高倉徳太郎の神学は、バルト主義者の桑田秀延、熊野義孝、山本和が継承し、日本で発展した。戦後のプロテスタント神学は「バルトの刻印」を帯びていると評される。この系統を日本において代表する神学校は、日本基督教団の東京神学大学であり、桑田秀延、北森嘉蔵、竹森満佐一らを輩出している。[7] コーネリウス・ヴァン・ティルは、バルトの聖書観では、神そのものと、福音の真理を知ることができないと批判している[5]。改革派の神学者K・ルニアは、1971年に来日して「神の言葉としての聖書」と題する講演を行い、福音派の信じる聖書の霊感と、新正統主義の霊感理解とを区別した[8][9]。
保守派による批判
脚注[脚注の使い方]^ アリスター・マクグラス『キリスト教神学入門』
^ 尾山令仁『聖書の教理』羊群社
^ 尾山令仁『聖書の権威』羊群社
^ 内田和彦『神の言葉である聖書』近代文芸社
^ a b 宇田進『福音主義キリスト教と福音派』いのちのことば社
^ 宇田進『現代福音主義神学』いのちのことば社
^ ケアンズ『基督教全史』いのちのことば社
^ 『福音主義神学』2
^ 『日本開国とプロテスタント宣教150年』第5回日本伝道会議いのちのことば社
参考文献
大島末男『カール・バルト』清水書院、1986年
宇田進「新正統主義」『新キリスト教辞典』いのちのことば社、1991年
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