新明解シリーズ[16]の古語・漢和辞典等は、同時期に刊行されている『新明解国語辞典』に合せたカバーデザインとなっていた。古語辞典・漢和辞典では、国語辞典の改訂に合わせてデザインが変更になることもあり、同じ版であっても発売時期によって表紙・箱が異なる物が存在する。
『新明解国語辞典』は今なお三省堂の発行する国語辞典の筆頭格であるが、古語辞典と漢和辞典は90年代を最後に改訂が止まり、両者ともに絶版になった。
高校生向け辞典としての役割は、『新明解国語辞典』及び『現代新国語辞典』、『全訳読解古語辞典』及び『詳説古語辞典』、『全訳漢辞海』及び『新明解現代漢和辞典』に引き継がれている。
古語辞典
1953年4月15日:明解古語辞典 初版
1958年11月5日:改訂版
1962年10月1日:新版
1967年11月1日:修訂新装版
1972年12月15日:新明解古語辞典 初版
1977年12月1日:第二版
1995年1月20日:第三版
『明解古語辞典』は金田一春彦が中心となって編纂された。当時、現代語のみをまとめた小型国語辞典は存在したが、そこで省かれた古語(上古?近世の語彙)を調べるには、『大日本国語辞典』や『大言海』のような大型辞典か、『広辞林』『辞苑』といった中型辞典に頼る必要があり、学習者に不便を強いていた。現代語と意味の変わらない語彙・語釈を除き、古語のみを扱う方針を徹底することで、小型国語辞典と同等のサイズで豊富な古語情報を提供した『明解古語辞典』は、のちに多くの出版社が追随する学習者向け古語辞典の原型となった。『新明解国語辞典』と揃える形で書名が変更されたが、それ以降もほぼ同一の編者による改訂版である。
漢和辞典
1959年3月25日:明解漢和辞典 新版
1974年4月10日:新明解漢和辞典 初版
1981年12月10日:第二版
1986年12月10日:第三版
1990年12月10日:第四版
2012年1月10日:新明解現代漢和辞典
『明解漢和辞典新版』は長澤規矩也が中心となって編纂された。長澤は1937年に同じ三省堂から『新撰漢和辞典』(宇野哲人・長澤規矩也編)を出しており、そこで『康煕字典』の部首索引を現代日本の利用者が引きやすいように改変するなど、学習者向けの漢和辞典を志向するいくつかの工夫を行った。これを発展継承したものが『明解漢和辞典新版』である[注 27]。古語辞典と同様に、書名が変更されつつも同一の編者による改訂が行われていた。
『新明解現代漢和辞典』は、長澤の漢和辞典を直接引き継いだものではなく、三省堂『例解新漢和辞典』の編者のひとりである影山輝國
が主幹となって新たに作られた。