新居浜太鼓祭り
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川東地区(6台)、川東西部地区(8台)、下郷・又野・松神子地区(3台)の計17台による河川敷公園かきくらべが復活。宇高太鼓台(川東西部)、西原太鼓台(川西)が新調。金栄太鼓台(川西)が新設。

2015年(平成27年) - 治良丸太鼓台(上部)が新設。川東地区では異例の分離開催となる(分裂騒動の深刻化)。

2016年(平成28年) - 上部地区の中筋太鼓台、池田太鼓台が新調。

2017年(平成29年) - 市制施行80周年を記念し、川西地区、川東地区(川東・川東西部・下又松)、大生院地区による記念行事を実施。本町太鼓台(川西地区)が新設(上部地区の旧池田太鼓台を一式購入)。澤津太鼓台と山端太鼓台が新調。

2018年(平成30年) - ふるさと祭り東京に口屋太鼓台が出場。

2019年(平成31年・令和元年) - 川東地区の「下郷・又野・松神子太鼓台運営委員会」と「川東太鼓台運営委員会」が「川東太鼓台運営協議会」として再編。大江太鼓台(川西地区)、多喜浜新田太鼓台(川東地区)、上本郷太鼓台(大生院地区)、喜来太鼓台(大生院地区)が新調。ふるさと祭り東京に庄内太鼓台、金栄太鼓台が出場。

2020年(令和2年)- ふるさと祭り東京に萩生西太鼓台・萩生東太鼓台・岸之下太鼓台が出場。新型コロナウイルス感染症の感染予防のため開催中止。

2021年(令和3年)- 新型コロナウイルス感染症の感染予防のため開催中止(一部で太鼓台展示などを実施)。

2022年(令和4年)- 3年振りの開催(新型コロナウイルス感染症の感染予防のため一部制限)。西町太鼓台(川西地区)、岸之下太鼓台(上部地区)、松木坂井太鼓台(上部地区)が新調。

2023年(令和5年)- 庄内太鼓台(川西地区)が新調。

特徴・見どころ
かきくらべ

新居浜太鼓祭りの見どころの一つに「かきくらべ」がある。通常の移動は車輪で運行されているが、かきくらべでは重さ5トンの太鼓台を200人以上のかき夫の力で担ぎ上げる。そして、天高く担ぎ上げる「差しあげ」や、房の割れ方、地面に降ろさずに担ぎ上げている耐久時間などのパフォーマンスを競う。かきくらべは、主に既述した5地区でそれぞれ開催されるほか、2地区以上で合同開催されることもある。また、市内全地区統一寄せも市制施行の10年ごとの周年行事として計画されている。
主要なかきくらべ会場

川西地区

一宮神社(一宮の杜ミュージアム)(13台)

住友工場前(13台)

大江浜多目的広場(13台)


川東地区

多喜浜駅前(17台)

八幡神社(17台)

国領川河川敷(17台)

天神浜通り(9台)


上部地区

山根グラウンド(20台)

フレッシュバリュー大生院店(11台)


大生院地区

フレッシュバリュー大生院店(11台)

渦井川原(4台)※西条市の太鼓台7台も参加


太鼓台のかき方(担ぎ方)寄せがき(山根グラウンド 2019.10.17)

房割り(太鼓のリズムに合わせて太鼓台を揺すり房の先端を割るように揺らす。)

差し上げ(指揮者の合図と太鼓のリズムに合わせて一斉に太鼓台を頭上高く掲げる。)

差し上げ房割り(太鼓台を頭上高く掲げた状態で房割りをする。)

一発差し(太鼓台を担いだ状態から一気に頭上高く掲げる。)

除輪(太鼓台の車輪を外す。)

小勇み(車輪の弾力を利用してかき棒を手で上下し太鼓台を小刻みに揺らす。)

大振り(遅太鼓のリズムに合わせて大きく太鼓台を揺らす。着輪時は差し上げの状態の時のみ出来る。)

差し回し(差し上げの状態を維持しながら太鼓台を回転させる。)

放り投げ(差し上げた状態からさらに高く太鼓台を数回放り上げる。)

差し回し房割り(差し上げの状態を維持し房を割りながら太鼓台を回転させる。)

放り差し(何回か放り上げたあとピタッと差し上げた状態で止める。)

寄せ回し(寄せがきの状態を維持しながら回転する。大回転とも言う。)

寄せがき(2台以上の太鼓台を外側のかき棒を合わせた状態で一斉に差し上げる。)

放り回し(差し上げた状態から何度も太鼓台を連続で放り上げながら差し回しをする。)

船御幸

船御幸(ふなみゆき)は、豊漁と安全祈願を祈念する行事である。小型船に乗せられた神輿を先導に、大型の専用台船に乗せられた太鼓台が新居浜港本港地区内を一周しながらかきくらべ(さしあげ)などのパフォーマンスを行うこの行事は、新居浜本港周辺にて川西地区が行っている。なお、この船御幸専用台船には、運航関係者とかき夫以外の乗船は禁止されている。
内宮神社石段かきあげ神事

新居浜太鼓祭りは内宮神社の「太鼓台石段かきあげ神事」からはじまる。毎年10月16日午前4時の早朝から氏子中、「中筋」「北内」「角野新田」「喜光地」の4台の太鼓台が1年おきに奉納の順番を交代しながら内宮神社大鳥居をくぐる。
新居浜市内の太鼓台
川西地区13台(川西運営協議会所属)

大江、東町、久保田、新田、江口、西町、中須賀、西原、新須賀、庄内、金栄、本町、口屋

川東地区17台(川東運営協議会、川東西部所属)

下郷、田之上、松神子、又野、楠崎、新田、白浜、東浜、阿島、町、本郷、山端、浮嶋、澤津、宇高、東雲、松乃木

上部地区20台(船木、角野、泉川、中萩委員会所属)

長野、池田、久保原、元船木、高祖、新田、中筋、北内、喜光地、上泉、下泉、東田、松木坂井、土橋、上原、本郷、治良丸、萩生東、萩生西、岸之下

大生院地区4台

上本郷、岸影、喜来、下本郷(隣接する西条市の太鼓台と飯積神社祭礼へ参加)

観光イベントとしての太鼓祭り

新居浜太鼓祭りは、毎年十数万人の観客で賑わう。このため、祭りを観光資源として活用しようとする動きは昭和時代からある。しかしながら神社の例大祭として地域祭礼及び宗教行為としての側面もあるため行政機関が直接関与することは難しく、このため地方の観光イベントとして広報活動などを行っている。

2007年には愛媛県、新居浜市、及び関連の事業者・団体により、観光資源としてグレードアップを図ろうと、「えひめの祭り観光ブランド化モデル事業」が始まった。これは、全国に誇れる祭りとして情報発信の強化、都市圏域からの観光客数の増大、広域観光ネットワークの形成を狙いとし、入込客数を約30万人?約50万人にしようという構想である。それらの取り組みが、旅行会社による新居浜太鼓祭り見学ツアーの商品化に繋がり、市外からのさらなる観光客増が期待されている。

また、新居浜太鼓祭りは各地の祭りやイベントに参加するなどPRに余念がない。1970年(昭和45年)に大阪府で開催された日本万国博覧会に参加したのを皮切りに、国内外を問わず太鼓台の派遣を行う。

さらに、開催日を従来の固定制から土日を含んだ週末開催に変更し、市外からの観光客の増加を図ろうとする議論がある。2008年(平成20年)は、多くの反対があるなか川西地区が週末開催を実行したが、以降は従来の日程に戻っている。

上部地区でも2011年(平成23年)に週末開催を実行したが、従来の開催日(10月18日)に行われる、氏神である萩岡神社の神輿渡御に参加を決定した岸之下と萩生西の2台を、中萩の運営委員会が除名するなど問題が残った。平成19年川西地区鉢合わせ平成16年上部地区鉢合わせ
喧嘩

喧嘩の要因として古くは漁師の漁場の奪い合いなどに端を発した事例、突発的に発生するもの、地区の怨恨による因縁対決など様々である。あわせて、かき夫や興奮した多数の観客が暴徒化して警察官を圧倒し群衆との衝突に及んだり、長年の因縁により敵対する自治会建物の破壊に及ぶ等の行為も毎年の光景となっている。このため愛媛県警は近年では現場の監視のため機動隊を投入している(あくまで監視であり喧嘩への介入はしない)。後日まれに処罰を課せられる場合、自治会の代表者が出頭して口頭での注意を受け、翌年の出場停止を命ぜられる。このため、毎年「安全に対しては各自治会は神経を遣う」というが、そのような場合でも処分を受けたはずの太鼓台は代表者を変えて翌年も何事もなく出されている。

昭和40年頃から、喧嘩で多くの死傷者が出ることに懸念を募らせた新居浜市と愛媛県警は「平和運行」など形ばかりのスローガンをかかげ、喧嘩行為の排除を試みた。しかし平成に入ると喧嘩は一層激しさを増し、例記すると1993年には川西地区で東町太鼓台と西町太鼓台が鉢合わせを行い、これが原因で東町自治会館が破壊された。また1997年には新居浜市制施行60周年イベントの会場で久保田太鼓台と江口太鼓台が鉢合わせを行い、江口太鼓台が破壊され多数の重軽傷者を出した。同年、川東地区では松神子太鼓台が警察の制止を振り切り宇高太鼓台と鉢合わせをし、詰めかけた観光客が将棋倒しとなり死亡者が発生するなどの事態となった。毎年繰り返し発生するこれらの事件は、そのつどニュース番組や新聞などがトップニュースとして報じるなど、新居浜太鼓祭りの恒例の風物詩として しばしば報道機関でも大きく取り上げられ話題となっている。

2022年には祭り中に発生した暴行・負傷の被害者が新居浜警察署に被害届を出そうとした際、警察側が「けんか祭りは、けんかが起きたらやるってこと」 として届を受理しなかったなどの不適切な対応に被害者が届の提出を断念した事案があり、本来 取り締まりをするべき警察においてすら、祭りでの喧嘩を許容している実態が浮き彫りとなった[3]
祭りと市民気質

新居浜市出身者は、他地域の大規模な祭りの例にもれず 何よりも祭りを優先し、「盆・暮れ・正月は帰らなくとも、祭りには休みを取ってでも帰省してくる」として祭りに対する強い思い入れを抱く市民が多い。このため かき手たる男性の気合の入った装束のみならず、女性も華々しく着飾って見物するなど、市民にとって一種のハレの場となる。古くから新居浜太鼓祭りはその歴史的経緯から、自治会間の対抗意識が強く、太鼓台の巨大さ・豪華さを常に競い合っている。また他地区の中古の太鼓台を購入してでも新たに太鼓台を持つ自治会も増えており、年々祭りの規模は増大している。

また新規で太鼓台を新調するには数億円もの費用がかかり、毎年の運行や維持管理にも多額の費用がかかる。それらの費用は太鼓台運行時に企業や個人から供される「御花」(寄付)や、かき夫となることを希望する者の参加費などで賄われたり、太鼓台を持つ地区の住民や企業への寄付依頼や自治会費上乗せ、地区の各種行事に参加しない自治会員から徴収する「立て入れ金」などで住民に相当の負担を強いているのが現状である。

祭り好きな市民気質から、寄付などを断れないという人も多い一方、祭りに関心のない市民を中心にこれらの費用負担を嫌って太鼓台のない地区へ転居する世帯、自治会への加入を拒否する世帯も少なくなく、新居浜市外へ転出する世帯もある。


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