新型コロナウイルス感染症_(2019年)
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別の2020年の6月のシステマティック・レビューでは、味覚減退の有病率は1%から8%と報告された[10]。2020年7月の欧州CDC報告では、味覚障害の有病率は約54%としている[11]

嗅覚や味覚の攪乱は、若年層の患者に多数確認され、おそらくこれが原因で合併症のリスクが低くなっている[102]
診断

他のコロナウイルス科ウイルス感染症(SARSMERSなど)との鑑別は外観所見上からは難しい。発熱せずに死亡した患者もいるので、発熱検知装置だけで検出できない可能性もある。

X線撮影や肺コンピュータ断層撮影を用いた画像検査による鑑別が可能な場合がある。病変は中国の81症例中、無症候の時期は、片側性やmultifocal(多発斑状)、すりガラス状陰影が優位であり、発症後1週間以内では両側性やすりガラス状陰影が卓越、びまん性が優位となる。発症後1週間を越えるとコンソリデーションや混在病変が優位となる[104]。病変は末梢に分布しやすく、リング状陰影(reversed halo sign)は特徴的である。胸水リンパ節腫脹は少ない[104]

免疫抑制下では易感染でありニューモシスチス肺炎との鑑別が重要である[105]
検査詳細は「COVID-19の検査」を参照

COVID-19の臨床検査には、核酸増幅検査 (NAAT) によりウイルスの存在を検出する方法と、抗体を検出する方法のいずれかが推奨されている[106]。NAATの一つにPCR検査法LAMP法があり[106]、日本ではSARSコロナウイルス2の遺伝子領域から、オープンリーディングフレーム (ORF) 1aとスパイクタンパク質を検出する2-step RT-PCR 法(2ステップ逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法)またはリアルタイム one-step RT-PCR 法(TaqMan プローブ法)が使用される[107]。これらの検査は臨床検査技師が行なっている。

抗原検査も使われるが、PCR検査よりも感度が低く、高い特異性を持っている[106]。米国ガイドラインは、抗原検査のみを根拠に確定診断することに反対している(エビデンスAIII[106]。感染が強く疑われる人が抗体陰性であった場合、および無症候の人が抗体陽性であった場合には、追加でNAATを行うことを推奨している[106]

その他に補助的な検査として、血液検査または胸部X線撮影やコンピュータ断層撮影を用いた画像検査を行う。
管理ここではガイドラインで勧告された療法のみを掲載する。治験中のものはCOVID-19に対する薬剤研究およびCOVID-19に対する薬剤転用研究を参照

いくつかの実験的治療法が臨床試験で活発に研究されている[108]が、COVID-19に対する特定の効果的な治療法は存在しない[108][109]。多くの研究がなされているが、いまだに早期治療を推奨するのに十分な質の高い証拠は存在しない[110][111]

そのためマネジメントは対症療法輸液療法、酸素投与、体位管理などであり、必要に応じて臓器を守るために医薬品や医療機器を使用する[112][113][114]ヒドロキシクロロキンロピナビル・リトナビルなどは、パンデミックの初期には有望であると考えられていたが、その後の研究では効果がなく、有害でさえあることが分かってきた[108][110][111]

COVID-19のほとんどは軽症であり、その場合の支持療法には、症状(発熱、体の痛み、咳)緩和のためのパラセタモールまたはNSAIDなどの薬物療法、水分の適切な摂取、休息、および鼻呼吸などがある[115][109][116][117]。適切な衛生管理と健康的な食事も推奨される[118]。より重症の場合は、病院での治療が必要になりうる。重症患者にはデキサメタゾンが強く推奨され、死亡リスクを減少させることができる[95][119][120]。 呼吸補助が必要な場合、非侵襲的換気、最終的には人工呼吸器を付けて集中治療室での治療となることもある[111]体外式膜型人工肺は呼吸不全の問題に対処するために使用されることもあるが、その利益はまだ検討中である[121][122]


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