新冷戦
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しかし1999年には、ユーゴスラビアでのコソボ紛争によって大使館が誤爆された中国やロシアとNATOの対立の萌芽が見られるようになった[25][26][27]

21世紀に入り、ヨーロッパでのソビエト連邦構成共和国において、ベラルーシウクライナ以外はEUNATOなどの旧西側諸国の国際機関に加盟した。この事から米欧の影響力が大きく上昇し、イスラム過激派に対する対テロ戦争で暫く蜜月関係を持った米国と中露の関係は微妙なものとなった。

欧米からの影響力を受け止め、ロシアは中央アジアでの旧ソ連諸国を結束させて「ユーラシア経済連合(EEU)」の下で一体化し、さらに中国と「上海協力機構(SCO)」という準軍事同盟を作り、EUの東方拡大やNATOによるアフガニスタンの介入に警戒態勢で対応していた。
中露接近2012年2月、アメリカ合衆国ワシントンD.C.で行われた新冷戦時代のライバル超大国のリーダー、ジョー・バイデン副大統領と習近平副主席の会談。

ロシアはソ連時代のような膨大な領土や影響力を回復するため、積極的に中国と接触した。旧冷戦時代のようにアジアでの中国をそのまま放置し、東ヨーロッパを中心にアメリカと対抗する旧来の思考とは別の姿勢をとった[28]

2007年からは中国と連携して、国連安保理ミャンマーシリアジンバブエなどに対する非難決議で拒否権を度々行使した。

2010年代に入ると中露両国の友好関係は一層綿密なものとなり、対米の緊張状態が続く中で、中露連合軍はイランオマーン湾で合同演習を行い[29]、「アメリカの裏庭」である中南米では反米を掲げるベネズエラに航空機を派遣して物資を支援し[30][31][32]、ソ連最大の軍事演習であった「ザーパド81」を超える冷戦後最大の軍事演習「ボストーク2018(ロシア語版、英語版)」も共同で行ってアメリカを牽制するようになった[33][34]
対中包囲網

近年、中国による攻撃性の高い「戦狼外交」を受け続けている台湾日本韓国アメリカフィリピンインドベトナムカナダフランスイギリスドイツイタリアオーストラリアなどの国々が一気に結束し、「G7クアッドANZUSAUKUS(オーカス)・ファイブ・アイズD10」などの組織を重ね合わせて「対中包囲網[35][36][37][38][39][40][41]」という防御態勢を構築するようになってきた[42]

G7(政治・経済):アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、日本、カナダ

D10(Democracy 10、民主主義10ヶ国):G7、オーストラリア、インド、韓国[42]

クアッド(Quadrilateral Security Dialogue、Quad)(気候変動・感染症対策など広範囲):日本、アメリカ、オーストラリア、インド

ANZUS(防衛・軍事):アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド

AUKUS(防衛・軍事):アメリカ、イギリス、オーストラリア

ファイブ・アイズ(情報):アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド

経緯

米・中・露の間のデータ比較

アメリカ合衆国 中華人民共和国 ロシア連邦
人口3億2906万4900人

(世界第3位)14億1千26万人

(世界第2位)1億4587万2300人

(世界第9位)
面積962万8千m2
(世界第3位)960万m2
(世界第4位)1710万m2
(世界第1位)
名目総GDP25兆351億6400万米ドル
(世界第1位)18兆32億1197万米ドル
(世界第2位)2兆1330億9200万米ドル
(世界第10位)
1人当たりGDP7万6079米ドル

(世界第6位)1万25米ドル[43][44]

(世界第68位[45])1万4623米ドル

(世界第65位[46]
通貨米ドル基軸通貨人民元基軸通貨ロシア・ルーブル
首都ワシントンD.C.北京市モスクワ
人口最多の都市ニューヨーク上海市モスクワ
特別自治地域や属領カリフォルニア州ハワイ州アラスカ州プエルトリコ香港マカオチベットウィグル内モンゴルサンクトペテルブルク極東軍管区
施政の原則民主主義-多元論-個人主義-人種のるつぼ独裁主義-無神論-集団主義-一つの中国独裁主義-一元論-集団主義-ロシア統一論
主要な価値観・思想信教の自由-報道の自由-消費主義-快楽主義習近平思想-毛沢東思想-科学的発展観-社会主義核心価値観プーチン思想-東方正教会思想-大祖国戦争-国民保守主義
政府権力の役割分担地方分権-法治社会-差別禁止-州法中央集権-人治社会-個人崇拝-政績評価系統地方分権-人治社会-個人崇拝-政績評価系統


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