1990年代の日本における第3次アニメブームのきっかけとなり、その影響は社会現象と評された。多数の後継作品に影響を与えセカイ系と呼ばれるジャンルの原点となったほか、アニメビジネスにおける映像ソフト売上の向上やメディアミックスの展開を切り開いたとされる。 本作品は1990年代に始まる第3次アニメブームのきっかけとなった作品である[5]。作品発表当時、物語の構造として、主人公の自意識や人間関係と、世界の命運という両極端なスケールの話が連動していることが斬新であったため、ポスト・エヴァンゲリオンともいうべき作品が数多く生み出され、後にそのような作品がセカイ系と呼称されるようになった[6]。さらに、製作委員会方式を採用した初期の作品であり、本編を収めたパッケージメディアの成功だけでなく、メディアミックスの一環として発売した漫画やフィギュアなどの関連商品も軒並みヒットし、本作品以降首都圏で深夜を中心にアニメ放送が急増し(深夜アニメの登場)、21世紀以降のアニメ文化の枠組みを築いた。 設定にある第3新東京市とは、実際の日本地図に当てはめると、神奈川県足柄下郡箱根町仙石原付近の芦ノ湖北岸にあたりになる。 1997年には、テレビシリーズ版の結末(第弐拾伍話、最終話)とは別の結末を描いた劇場版『Air/まごころを、君に』(第25話、第26話)が公開された。 テレビアニメと漫画のメディアミックス作品であり、テレビ放送に先立つ1994年12月(1995年2月号)より角川書店の『少年エース』で貞本義行によるコミカライズ版『新世紀エヴァンゲリオン』が連載開始され、18年後の2013年6月(2013年7月号)に連載終了。連載開始から19年後の2014年11月20日に最後の単行本(第14巻)が発売されて完結した。 2006年には、本作品を新たな設定・ストーリーで「リビルド(再構築)」した『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ全4作の制作が発表され、2007年に第1作『序』、2009年に第2作『破』、2012年に第3作『Q』、2021年に第4作『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が公開された。 なお、テレビアニメ版、旧劇場版[注釈 6]、漫画版、新劇場版はそれぞれ物語後半からストーリーに差異が見られる。 物語の舞台は西暦2000年9月13日に起きた大災害セカンドインパクトによって世界人口の半数が失われた世界。その15年後の西暦2015年、主人公である14歳の少年碇シンジは、別居していた父、国連直属の非公開組織・特務機関NERV(ネルフ)の総司令である碇ゲンドウから突然第3新東京市に呼び出され、巨大な汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン(EVA)初号機のパイロットとなって第3新東京市に襲来する謎の敵「使徒」と戦うことを命じられる[注釈 7]。
概要
あらすじOPに出てくる生命の樹