新世紀エヴァンゲリオン
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また、緒方恵美が『美少女戦士セーラームーン』の劇場版第1作目地場衛の少年時代の役で出演しており、泣くシーンの演技を見て、本作品の主人公・碇シンジ役に決定したと語っている[24]。その他、プライベートでも親交のある『美少女戦士セーラームーン』の主要スタッフの一人である幾原邦彦渚カヲルのモデルとしている。

庵野・大月は「これを見て今の人格が出来上がった」「難解な作品だったけど、将来に活きてくる」と評するほどの『ウルトラQ』『ウルトラセブン』を敬愛しているため、そのような作品を子供に見せるように作ることを心がけた。その際、同時にメインターゲットを小学生中学年?高学年に絞った[13]

庵野は「一見構造はシンプルだけど、設定が複雑で込み入った物語」と評した「ドラゴンクエストシリーズ」に対して、「だったら俺は、キャラクターが魂の叫び・哲学・思想・生き様を訴える様な構造のドラマを作る」と対抗心を持った[13]

このほか、庵野は永井豪作品からの影響も認めている[25]。劇場版制作の際に「エヴァのラストはデビルマンになるしかないんです」と発言している。また、EVAの本来の力が拘束具で抑えられているという設定は、『バイオレンスジャック』のスラムキングを意識してのものである[注釈 20]

ネルフとゼーレの設定は『謎の円盤UFO』の地球防衛組織SHADOと宇宙局委員会から来ている[27]。この他にも、海外SF作品からテレビシリーズ各話のタイトルがとられた。

また、庵野は本作品の制作前に村上龍の作品を読んでおり、トウジやケンスケの名前は村上龍の小説『愛と幻想のファシズム』の登場人物からとられている[28]。後に庵野はエヴァ後の監督第1作目として、村上龍の小説『ラブ&ポップ』を監督した。

なお、庵野によれば未制作に終わった「完全新作版」は後年の『進撃の巨人』と類似して使徒による人間の捕食を顕著に描写する予定だったが、庵野はガメラの著名な敵であるギャオスや『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』のガイラの様な人食い怪獣のイメージに影響を受けているとしている[29]。なお、庵野は1999年に『ガメラ3 邪神覚醒』の制作事情をフィーチャーした『GAMERA1999』というドキュメンタリーを製作している。
製作委員会

本作品の著作権者表記は、テレビシリーズ版では「GAINAX/Project Eva.・テレビ東京」、劇場版では「GAINAX/EVA制作委員会」となっていたが、2006年に庵野秀明が自身の製作会社カラーを創設してからは「GAINAX・カラー」もしくは「GAINAX・カラー/Project Eva.」に変更。その後、テレビ放映20周年を迎える2014年末ごろからは「カラー」もしくは「カラー/Project Eva.」に変更された[30]。2020年の再放送からアニメーション制作がタツノコプロ単独に変更されている。

製作委員会方式で作られたテレビシリーズにはガイナックスは出資しておらず、映像作品からのリターンは庵野監督の脚本印税と監督印税のみとのこと[31]

当初はテレビシリーズ版からプロダクション・アイジーとの共同制作の予定であり、石川光久も企画書の内容を面白がっていたが、スケジュールが「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の制作・ジーベックの立ち上げと被ってしまったため、3千5百万円の出資・グロス請けに留まった。しかし、その後出資額の何十倍のリターンを受け取った際には石川は「『プラマイゼロでもいい』と思っていたのに、ノーリスクで投資して儲けさせてもらったようなもの。こういうのは最初で最後かもしれない」と振り返っている[32]


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