小津作品以外にも、佐々木恒次郎監督の『珍客往来』『裏町の大将』、斎藤寅次郎監督の『モダン怪談100,000,000円』、清水宏監督の『村の王者』、五所平之助監督の『大東京の一角』『左うちわ』などに主演し、1929年(昭和4年)に結城一朗、日夏百合絵とともに準幹部[3]、翌1930年(昭和5年)には高田稔、岡田時彦、結城、龍田静枝、筑波雪子とともに幹部に昇格する[4]。以後も五所監督の『人生のお荷物』、島津保次郎監督の『春琴抄 お琴と佐助』、吉村公三郎監督の『暖流』などに助演する。
1947年(昭和22年)にフリーとなり[5]、各社の作品で脇役として活躍する。1950年代には監督業に進出し、『嫁ぐ今宵に』『純情社員』、島倉千代子主演の『早く帰ってコ』『東京だヨおッ母さん』などを監督するが、監督としてはほとんど評判にならなかった。やがて草創期のテレビドラマにも多く出演する。1967年(昭和42年)、山田洋次監督の『九ちゃんのでっかい夢』が最後の映画出演作となった。
1968年(昭和43年)3月2日、肺がんのため東京都世田谷区梅ヶ丘の自宅で死去[5]。65歳没。墓所は台東区の長運寺。
一時期、松竹蒲田の女優・井上雪子と結婚したが後に離婚し、ドイツ人女性と再婚するも死別、付き人と三度目の結婚をして2子を儲けている[5]。
益田喜頓は憧れていた人物に斎藤をあげ、「銀座でお洒落で目立った人は、何といっても斎藤達雄。外人みたいで、どんな格好をしてもさまになるんです。」と語っている。
出演作品
映画『若人の夢』(1928年)のスチル写真。左から吉谷久雄、斎藤、若葉信子。『肉体美』(1928年)のスチル写真。左から斎藤、飯田蝶子、坂本武、日守新一。『お嬢さん』(1930年)のスチル写真。左から岡田時彦、田中絹代、斎藤。
◎印は小津安二郎監督作品。
街の手品師(1925年、日活) - 酔っぱらい
東洋のカルメン(1925年、日活)
小品映画集 人生と活動(1925年、日活)
美女と秘密(1927年、松竹キネマ)
晴れゆく空(1927年、松竹キネマ) - 紳士
感激時代(1928年、松竹キネマ) - 先生
◎若人の夢(1928年、松竹キネマ) - 加藤兵一
彼と東京(1928年、松竹キネマ)
◎女房紛失(1928年、松竹キネマ) - 彼
妻君廃業(1928年、松竹キネマ)
彼と田園(1928年、松竹キネマ)
◎カボチャ(1928年、松竹キネマ) - 山田藤助
陸の王者(1928年、松竹キネマ) - 岩井教授
◎肉体美(1928年、松竹キネマ) - 高井一郎
◎学生ロマンス 若き日(1929、松竹キネマ) - 学生・山本秋一
村の王者(1929年、松竹キネマ) - 作造
モダン怪談100,000,000円(1929年、松竹キネマ) - 松田襄二
女難歓迎腕比べ(1929年、松竹キネマ) - 旅の小間物問屋
恋慕小唄(1929年、松竹キネマ) - 英語音楽教師中谷
◎会社員生活(1929年、松竹キネマ) - 塚本信太郎
◎突貫小僧(1929年、松竹キネマ) - 人撰い文吉
新婚前後(1929年、松竹キネマ)
彼と人生(1929年、松竹キネマ) - 陸軍リンコルン
◎結婚学入門(1930年、松竹キネマ) - 北宮光夫
大東京の一角(1930年、松竹キネマ)
◎朗かに歩め(1930年、松竹キネマ) - 犬を抱いた人(ノンクレジット)
◎落第はしたけれど(1930年、松竹キネマ) - 学生
不景気時代(1930年、松竹キネマ) - 松造
◎その夜の妻(1930年、松竹キネマ) - 医師・須田
◎エロ神の怨霊(1930年、松竹キネマ) - 山路健太郎
◎足に触った幸運(1930年、松竹キネマ) - 古川貢太郎
若者よなぜ泣くか(1930年、松竹キネマ) - 新聞記者
◎お嬢さん(1930年、松竹キネマ) - 斎藤達次
◎淑女と髯(1931年、松竹キネマ) - 敵の大将
愛よ人類と共にあれ(1931年、松竹キネマ) - 歯医者渋川
◎美人と哀愁(1931年、松竹キネマ) - 佐野
◎東京の合唱(1931年、松竹キネマ) - 大村先生
昇給と花嫁(1931年、松竹キネマ)
島の裸体事件(1931年、松竹キネマ)
若き日の感激(1931年、松竹キネマ) - 光子の夫
金色夜叉(1932年、松竹キネマ) - 富山唯継
◎春は御婦人から(1932年、松竹キネマ) - 加藤
蝕める春(1932年、松竹キネマ) - 白川幸介
◎大人の見る繪本 生れてはみたけれど(1932年、松竹キネマ) - 父親
太陽は東より(1932年、松竹キネマ) - 弁護士宮本
上陸第一歩(1932年、松竹キネマ) - ダンスホールの客(ノンクレジット)
◎青春の夢いまいづこ(1932年、松竹キネマ) - 斎木太一郎
忠臣蔵(1932年、松竹キネマ) - 不破数右衛門
花嫁の寝言(1933年、松竹キネマ) - 落第生斎田
港の日本娘(1933年、松竹キネマ) - 画家三浦
夜ごとの夢(1933年、松竹キネマ) - 夫水原
嬉しい頃(1933年、松竹キネマ) - 課長斎田
大学の若旦那(1933年、松竹キネマ) - 若原
女学生と与太者(1933年、松竹キネマ) - 校長
玄関番とお嬢さん(1934年、松竹キネマ) - 御前様
東洋の母(1934年、松竹キネマ) - 主治医
その夜の女(1934年、松竹キネマ)
生きとし生けるもの(1934年、松竹キネマ)