文庫本
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明治末期の1910年には三教書院の「袖珍文庫」が創刊し、古典から俗文学まで60冊程度が刊行され、表紙に施されたいちょうの葉の模様から「いちょう本」と通称されるほど人気を集めた[5][6]。これに続き、講談話などを集めた1911年創刊の立川文庫(立川文明堂)が非常な人気を呼び、その亜流もいろいろと生まれ、後世の大衆文学に大きな影響を及ぼした[要検証ノート]。立川文庫の3年後の大正3年(1914年)に新潮文庫が創刊され、現在まで続く「文庫本」としてはもっとも古い[7]
定着と拡散

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出典検索?: "文庫本" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2019年7月)

現代に繋がる文庫出版という出版の一形式を日本に定着させたのは岩波文庫である。岩波文庫成功以降、新潮文庫改造文庫現代教養文庫など多くの文庫が出版社から立ち上げられたが、いずれも世界の古典的名著を安価に提供することを目的としている。なお新潮文庫は岩波文庫に先んじて創刊されたのであるが、岩波創刊時は廃刊になっていた、そのために岩波以後再刊されたものを第二次新潮文庫と呼ぶ。戦後に春陽堂文庫、新潮文庫が復刊し、角川文庫国民文庫などが創刊され、第2次文庫ブームがおきた。1970年代になると大手出版社も文庫に参入し、講談社文庫中公文庫文春文庫集英社文庫ハヤカワ文庫など、現在も刊行が続く文庫が生まれた(第3次)。1980年代には文庫は多様化をたどり、光文社文庫河出文庫ちくま文庫などの一方で、PHP文庫知的生きかた文庫ワニ文庫など実用的な内容の濃い文庫が出るようになった(第4次)。大手出版社も文庫を細分化し、講談社学術文庫や、角川ソフィア文庫などが出た。平成期になると、幻冬舎文庫ハルキ文庫などが創刊され、多数の出版社から多様な種類の文庫が現れた(第5次)。

1990年代頃から大きく成長したライトノベルは書き下ろし作品が多数派を占めるが、古参のソノラマ文庫角川スニーカー文庫富士見ファンタジア文庫などをはじめとして文庫本スタイルが基本となっている。

漫画においては、1970年代後半ごろから秋田書店集英社など大手から、主に再刊・保存版として判型の大きい愛蔵版と小さく安価な文庫版が出版されている。一方、判型の小ささは漫画だと絵の鑑賞性という点で直接のハンデとなるため、漫画文庫は通常版の単行本よりも上質の用紙により鮮明な印刷がなされる等して保存版の面目を持たせている。
文庫ブームの変遷
第1次
円本ブームの反動として、1927年(昭和2年)に岩波文庫が刊行され、ついで改造文庫、春陽堂文庫、新潮文庫が出て文庫ブームが起こった。
第2次
1949年(昭和24年) - 1952年(昭和26年):角川文庫現代教養文庫、市民文庫、アテネ文庫などが創刊された。
第3次
1971年(昭和46年) - 1973年(昭和48年):講談社文庫中公文庫文春文庫集英社文庫などが発刊され、戦後第2次文庫ブームが起こる。
第4次
1984年(昭和59年) - 1985年(昭和60年):光文社文庫徳間文庫PHP文庫ちくま文庫ワニ文庫講談社X文庫、講談社L文庫、廣済堂文庫、祥伝社ノンポシェット、福武文庫が創刊。
第5次
1996年(平成8年) - 1997年(平成9年):幻冬舎文庫ハルキ文庫小学館文庫などが創刊。
装幀

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昭和期以降では、廉価で携帯に便利な形状をした、普及を目的とする小型本という出版形態の名として用いられるようになり、このため現代では、文庫といえば多くの場合、このような小型本を指すのが一般的である。

文庫と呼ばれる形態の出版物は、並製本(ソフトカバー)で、A6規格、105×148mmの判型をとるものが一般的である。この形態の本は「文庫本(ぶんこぼん)」とも呼ばれ、新書と同じように欧米のペーパーバックにあたる。ペーパーバックと同じように当初はジャケット(カバー)を持たなかったが、戦後の多くの文庫はジャケットを持つようになり、1983年より岩波文庫にもジャケットがつけられるようになった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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