文字多重放送
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文字多重放送の本格実用化にあたり、NHKが試験放送を実施してきたパターン方式と、民放各局が実験してきた情報を符号化して受信機側で文字・図形に再生するコード方式の要素を併せ持つ符号化伝送方式(ハイブリッド方式)の導入が1985年に決定し[5][10][11][12][13]、1985年11月29日にNHK総合(東京大阪)と日本テレビがハイブリッド方式による文字多重放送の本放送を開始した[9]。NHKが全国でニュース・天気・生活情報などを提供する本格的な文字放送を開始したのは1986年11月29日である[14][15]2008年3月31日地上デジタル放送への完全移行の準備のため、字幕放送とNHKの一部サービスを除く文字多重放送の番組が全て終了し、データ放送に集約された。

日本のハイブリッド方式は、1986年にCCIRにより「CCIR Teletext System D(JTES)」として規格化されている。日本以外での採用例は韓国文化放送の文字多重放送「MINDS」がある。英国方式はSystem B(WST)で規格化され、仕様が簡素であることから世界規模で広く普及した。米国ではNAPLPSの仕様を組み入れたSystem C(NABTS)が規格化されたが、デコーダーが高価になることから支持されたのはWSTだった。
文字多重放送の特徴

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文字多重放送は「文字放送」とも言われていたが、文字放送という単語は文字多重放送の中でも「画面全体に文字や簡易図形を表示するもの」を指す事が多い。放送局或いはその子会社が、テレビ放送の補完的サービスとして、通常のテレビ番組とは独立したコンテンツ(独立番組)として制作・放送してきた。

アナログ放送の垂直帰線区間で未使用だった走査線の内の4本を割り当ててデータ送信を行っていた。データは映像信号の白信号の有無がそのままビットパターンになり、走査線1本で1フレームあたり176ビットのデータが送信できた(走査線4本で42Kbps相当)。全てのコンテンツがこの走査線を循環して送信されていたので、コンテンツを選択しても表示されるまでに待ち時間が生じたりページ抜けが発生した。一部の受信機は待機時にデータをキャッシュする予約機能を持っていた。

文字放送デコーダーを内蔵したアナログテレビはハイエンドの多機能ワイドテレビが主で、それも2000年以降のモデルは字幕放送のみの対応となったので、一般的に文字放送を利用するには専用の受信機(モジネットチューナー)を必要とした。

同時期にサービス提供されていたキャプテンシステムとは、利用方法や画面レイアウトで類似する部分が多いが、異なる点はキャプテンシステムが電話回線を使用して利用者側からもデータを送信できる双方向型なのに対して、文字放送は放送波で送られてくるデータを参照するだけのプッシュ型であることである。なお放送波と電話回線を併用して双方向化したシステムとして「ITビジョン」がある。

日本初の文字放送は1983年10月3日午前6時に東京・大阪のNHK総合テレビに多重して試験放送が開始された。当時は文字も全て画像として符号化するパターン方式が使用されていて、対応機器としてソニーから文字多重デコーダー「TXT-10」(119,000円)、シャープから文字多重対応テレビ「21C-L1」などが発売された。いずれもパターン方式にのみ対応でハイブリッド方式には対応していない。文字多重デコーダーは放送波から直接信号を取り出すのではなくビデオ入力で入力された映像信号から文字放送をデコードする方式だった。試験放送開始時の番組表は以下の通り[16]

番組番号項目放送時間ページ数備考
1目次総合テレビと同一1
2主なニュース0:00?22:001ニュースの見出し
3ニュース0:00?22:008
4ローカルニュース0:00?22:004(東京2、大阪2)
5天気予報0:00?22:002(東京1、大阪1)
6おしらせ総合テレビと同一4(東京2、大阪2)聴力障害者向けお知らせ
7連続テレビ小説
あらすじ総合テレビと同一3『おしん』のあらすじ
日曜日は「おしん」以外の番組紹介
8字幕番組8:15?8:30
12:45?13:00『おしん』の字幕。月?土


サービス開始当初はテレビジョン放送局自体には4本ある走査線の内の1本しか割り当てられず、残りの3本はテレビジョン放送局以外の放送事業者への割り当てとした。このため各放送局は放送設備を共用して文字多重放送を行う形式上の子会社を立てて対応した(後に緩和)。放送事業者は収益を得るためにコンテンツ内に広告を入れることが認められていた。字幕放送はテレビジョン放送局用の走査線が使用される。

関東地区の子会社一覧


NHK: 日本文字放送(テレモ日本)

日本テレビ: AXES4

TBS: 東京データビジョン

フジテレビ: (無し)

テレビ朝日: 朝日レタービジョン

テレビ東京: 日経テレプレス


株式市況、ニュース・天気予報、フライトインフォメーションや、番組連動の字幕放送を放送していた。しかし、2003年12月に始まった地上デジタル放送のデータ放送インターネットの普及により、民放は独立番組の放送を徐々に終了させていった。NHK総合テレビで独立番組を放送してきた日本文字放送(テレモ日本)も2008年3月31日をもって放送を終了し、NHK本体が放送していた900番台の番組のみがアナログ放送終了まで提供された。

字幕放送は、番組番号999#で行われていた。文字放送対応チューナーで999#を入力するか、字幕ボタンを押せば番組と連動した字幕放送を見る事ができた。なお、生放送番組などではリアルタイム字幕放送(画面表示までには若干のタイムラグが発生する)が行われていた。アナログ放送では表示のために、追加の電子回路、コンピュータが必要だったので対応するテレビが少なかった。

NHKは字幕放送を総合テレビ1985年11月29日から、衛星第2テレビ(BS2)(BSプレミアムのアナログ放送でも継続)で1997年10月5日から、Eテレでは1999年1月4日から実施した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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