文字多重放送
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NHK: 日本文字放送(テレモ日本)

日本テレビ: AXES4

TBS: 東京データビジョン

フジテレビ: (無し)

テレビ朝日: 朝日レタービジョン

テレビ東京: 日経テレプレス


株式市況、ニュース・天気予報、フライトインフォメーションや、番組連動の字幕放送を放送していた。しかし、2003年12月に始まった地上デジタル放送のデータ放送インターネットの普及により、民放は独立番組の放送を徐々に終了させていった。NHK総合テレビで独立番組を放送してきた日本文字放送(テレモ日本)も2008年3月31日をもって放送を終了し、NHK本体が放送していた900番台の番組のみがアナログ放送終了まで提供された。

字幕放送は、番組番号999#で行われていた。文字放送対応チューナーで999#を入力するか、字幕ボタンを押せば番組と連動した字幕放送を見る事ができた。なお、生放送番組などではリアルタイム字幕放送(画面表示までには若干のタイムラグが発生する)が行われていた。アナログ放送では表示のために、追加の電子回路、コンピュータが必要だったので対応するテレビが少なかった。

NHKは字幕放送を総合テレビ1985年11月29日から、衛星第2テレビ(BS2)(BSプレミアムのアナログ放送でも継続)で1997年10月5日から、Eテレでは1999年1月4日から実施した。

日本国内の民放では、1985年から東京大阪を中心に開始した。当初は実施局は少なかったが、1997年秋以降、放送法の改正による規制緩和で多重放送の免許が不要となり、全国ほぼ全ての局で順次開始した[注釈 1]


基本的に000 - 999の最大1000番組分が割り当てられ、そのうちの000が総目次、999が字幕放送(のちに899が標準目次チャンネル[注釈 2]となった)の番組番号となっていた。そのため、通常の文字放送は001-998の998番組(のちに997番組)が割り当てられていた。

NHK総合テレビの場合は、000 - 899までは日本文字放送(テレモ。放送終了後の2009年NHK情報ネットワークと合併、NHKグローバルメディアサービスとなり法人消滅)に割り当てられており、NHK本体は900 - 999の100チャンネルが割り当てられていた。


標準目次(899#)は、当初はテンキーで3桁の番組番号を入力して番組を選んでいたのをメニュー形式で選択できるようにするためのもので、所定の書式の目次情報を送信することで対応した受信機ではメニュー形式で表示することができた。この場合、標準目次非対応の受信機では単なるテキストの目次として表示される。

ハイブリッド方式による文字多重放送では、日本テレビ放送網京王技研工業(現:コルグ)沖電気工業が開発した音符符号化方式「MUSCOT[注釈 3]」を付加音機能として採用しており、音楽を流すことができた[19][20]。付加音機能は基本機能ではメロディ音9音色・最大6音同時出力かつ、リズム音5音色・最大5音同時出力、追加機能ではメロディ音32音色・最大16音同時出力かつ、リズム音16音色・最大8音同時出力が発音仕様として定められた[21][22]。各社から文字放送の付加音機能と、同様にメロディ機能に「MUSCOT」を採用したキャプテン規格(CAPTAIN PLPS)[19][20]に対応したデコーダや音源LSIが開発され、コルグからはデコーダ「TVM-2」[19][23][24]「TVM-3」[25][26]日本楽器製造(現:ヤマハ)からはFM音源LSI「YM3526[27][28]、「YM2413[29][30]などが開発・販売され、文字放送受信機やキャプテン端末に搭載された[注釈 4]。NHK系のテレモ日本や日本テレビ系のAXES4では、付加音機能を使用したカラオケのコンテンツが存在した[34]。廉価な受信機では音源を搭載しない機種も存在した。デジタル放送のデータ放送の仕様には文字放送由来の付加音に関する規定が残されているが、運用は行われていない[35][36]

使用されていた書体(フォント)は受信機メーカーによって違いがあったが、標準字形として定義されていたフォントは、数字の3が「ろ」の形をしていたり、数字の4の上が閉じていなかったりと独特な書体だった。

かつての山手線205系車両に1両だけあった6ドアの車両では、車内に設置されていた広告用液晶ディスプレイで広告の合間に文字放送を流していた。

コールサイン

かつては独自放送が行われていた関係で、主に大都市圏の放送局では「JO○○-TCMx」(xは独立系事業者が放送を行う場合に付与される連番。以下同じ)というコールサインが付与されていた。

その後、放送法改正で字幕放送が「本来業務」に加えられ実質義務化された関係で、字幕放送分のコールサインは本体に包含され、それ以外の独立データ放送部分のコールサインが「JO○○-TDMx」と改められた。このとき、字幕放送のためだけにTCMコールサインを取得していた放送局はコールサインが廃止された。

2011年7月24日(宮城・岩手・福島は2012年3月31日)の全国地上アナログ放送終了に伴い、TDMコールサインは全廃された。なお、デジタルテレビ放送は字幕も独立データも最初から含まれているため、独立したコールサインは無く全て「JO○○-DTV」でまとめられている。
海外における実施
テレテキスト

文字多重放送の英名(teletext)。一般にはテレビ放送に多重される文字多重放送の事を指す。日本では「文字放送」と同義語として使われるが、ヨーロッパでは「文字多重放送」と同義語として使われる事が多い。

ただ地上デジタル放送が始まってからは、それに対応するデータ放送への移行などから、字幕放送以外の独立番組が相次いで終了した。因みに、かつて海外向け国際放送のNHKワールドで放送されていた「NHK文字ニュース」は、地上アナログ放送の901#(ヘッドライン)と902#で放送されている内容が、BGMを加えた上でそのまま放送されていた(2007年度いっぱいで事実上終了)[注釈 5]

海外の文字放送サービス国名サービス名運用機関
イギリスCeefaxBBC
OracleiBA
フランスAntiopeCCETT
アメリカClosed Captioning SystemPBS
Touchu-ToneKSL-TV
Info-TextMicro-TV
CBSKMOX-TV
InteltextMicrobaud, KCET-TV
News-Viewsロイター
スウェーデンExtra textSR(スウェーデン放送協会)
韓国KoinsKBS
MindsMBC
南アフリカTeledataSABC

クローズドキャプション

字幕放送のこと。狭義には北アメリカで行われている字幕放送を指す。詳細は「クローズドキャプション」を参照
FM文字多重放送

NHKによって開発された、FM文字多重放送技術(DARC=Data Radio Channel)、その受信端末であるパパラビジョン、パパラジーコムについて本項で扱う。
概要

「見えるラジオ(見えラジ)」という愛称で、エフエム東京(TOKYO FM)1994年10月1日に開始したのを始めとしてJFN系列のラジオ局が用いて放送していた。わかりやすい愛称で全国的に展開されたため、FM文字多重放送一般を指す言葉として用いられる事があるが、TOKYO FMの登録商標(第4005056号)である。1画面は全角15文字×2行で、ラジオ番組と連動した番組情報、ニュースや交通情報などの独立情報、緊急時の緊急情報が見れた。

TOKYO FM・JFN系列では、AIR-G'を除き2014年3月31日を以てサービスを終了し[37]、その後もJR車内向け等に唯一放送を続けていたAIR-G'も2016年9月30日をもってサービスを終了した[38]。これについてTOKYO FMは「近年のインターネット環境の浸透で、携帯電話などで様々な情報を見ることができるようになり、見えるラジオの役割を果たし終えるのが妥当と考える」としている。
運用

JFN系列以外のFM放送局においても実施された実績がある。

NHKは
1996年3月に全国8つの基幹局(関東・東海・近畿)で開始したが、ワンセグで情報が得られる様になったこと、地上デジタル音声放送実用化試験放送が始まった(2011年3月31日終了)こと、また、受信料収入減少による経費削減などの理由により2007年3月31日に終了することが決定したため、他の地域では実現しないまま終了を迎えた。

J-WAVEは「アラジン」という名称を用いていた(2010年9月30日終了)。

FM802は「Watch-Me」という名称を用いていた(2004年4月30日終了)。

Kiss-FM KOBEでは、JFN加盟前に「KIWI」という名称で文字多重放送を行っていたことがある。

その他、コミュニティFMでは、FM-HANAKO大阪府守口市2007年4月30日終了)・FM aiai兵庫県尼崎市。2007年4月30日終了)・FMかしま茨城県鹿嶋市2009年9月30日終了)が過去にFM文字多重放送を行っていた。

受信機遠鉄一般路線バスに於ける見えるラジオを活用したLED表示器

受信端末としては、大型のパパラビジョンと小型のパパラジーコムがあった[39]。「パパラビジョン」は大型電光掲示板であり、避難所のように多くの人を対象とするところに向いている[39]。一方「パパラジーコム」はビデオデッキほどの大きさの小型端末で、家庭やオフィスなど狭い場所に設置できた[39]

FM文字多重放送対応のラジオはインターネットオークションや中古販売を除いて2015年現在は入手が困難となっている。受信設備を新規に導入するには、FM文字多重放送を使い渋滞情報などを受信できるVICS対応のカーナビがある(但し、FMチューナー一つを占有してしまうため、ラジオ放送やFM VICSなどと同時に利用できない場合がある)。

タクシーの助手席側サンバイザー下部に表示器を設置し、ニュースや天気予報、地元企業の広告を流すものがあった。

鉄道車両高速バス路線バスの中には「見えるラジオ」を受信して文字ニュースを車内案内表示器で流すものがある(遠州鉄道1000形以降の全ての鉄道車両、JR北海道の一部特急車両、JR九州の特急列車(787系883系885系)、阪急8000系8040形、阪急8300系8315編成、阪急8200系遠州鉄道の全ての一般路線バス・高速バス・コミュニティバス、京浜急行バスの高速バスなど)。

新潟県中越地震で被害を受けた市町村向けに新潟県ではFM文字多重対応ラジオの貸し出しを行っていた[39]

字幕放送

この節には複数の問題があります。改善ノートページでの議論にご協力ください。

出典がまったく示されていないか不十分です。内容に関する文献や情報源が必要です。(2024年5月)


独自研究が含まれているおそれがあります。(2024年5月)


雑多な内容が羅列されています。(2024年5月)


生放送の番組に字幕を付加する技術については「リアルタイム字幕放送」を参照
概要

アナログ放送では字幕放送に対応するために文字放送の表示に対応する必要があったため対応するテレビは少なかったが、デジタル放送では受信機の構成要件のうち必須として扱われていたため
データ放送とともに対応する受信機が広く普及する結果となった。

民放地方局(主に東名阪以外の民放各局)では、キー局制作の字幕放送付加番組を時差ネットで放送する場合、設備やシステムの都合などにより、字幕放送に対応できない事もある[注釈 6]

日本放送協会(NHK)については、一部地域で独自番組を放送するために時差放送となるものも含め、すべての字幕放送付加番組に対応している[注釈 7]

元々「字幕放送」は聴覚障害者のテレビ視聴を支援するためのクローズドキャプション(CC)として行われているため、原則として出演者が発する音声から直接文字を起こしている。


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