各文化はそれぞれ有形・無形の文化的な成果を所持しており、それらの中でも特に価値の高いものは文化遺産と呼ばれる。各国の文化遺産は国内でそれぞれ保護される他、国際的な保護体制も構築されている[64]。こうした文化遺産のうち、有形で特に価値の高いものは1972年の世界遺産条約によって保護のガイドラインが制定され、世界遺産に登録されれば文化遺産や複合遺産として保護されることとなる[65]。次いで、2003年には無形の文化遺産においても無形文化遺産の保護に関する条約が採択され、重要と認められたものはユネスコによって無形文化遺産に登録されるようになった[66]。こうした文化遺産は観光において重要な位置を占めており、国外から文化を鑑賞したり体験するために観光客が押し寄せることも多い[67]。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ しかし大型類人猿が言語を学習できるということが知られるようになると、文化獲得における重要なイベントである学習を細分化して人間の学習(意図模倣)と動物の学習(単純模倣)をわけ、さらには教示の有無を問題にするという発想もでている。つまり動物が社会化のなかで獲得するふるまいは、単純模倣によってだけ獲得される伝統traditionであり、人間が言語や意図模倣、教示を通した社会化のなかで身につける文化という差異を創出して定義づけ、人間以外の動物には文化を身につけることは困難であるとするのである。
出典^ カルチャー/culture(語源由来辞典)