文化遺産_(世界遺産)
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基準(3)のみが適用された物件には、ブリッゲンノルウェー)、アルタの岩絵(ノルウェー)、ミュスタイアザンクト・ヨハン修道院スイス)、ベルン旧市街(スイス)、ブトリント(アルメニア)、ヘラクレスの塔(スペイン)、ベニ・ハンマードの城塞アルジェリア)、メサ・ヴェルデ国立公園アメリカ合衆国)などがある。この基準は考古遺跡や人類化石遺跡などにも適用される[6]。考古遺跡で適用されている例としてはナスカとフマナ平原の地上絵ペルー)、モヘンジョダロパキスタン)、メンフィスとその墓地遺跡-ギーザからダハシュールまでのピラミッド地帯エジプト)など、人類化石遺跡で適用されている例としては南アフリカの人類化石遺跡群南アフリカ共和国)、人類の進化を示すカルメル山の遺跡群:ナハル・メアロット(ワディ・エル=ムガーラ)の洞窟群イスラエル)などがある。

ブリッゲン

ベルン旧市街

ヘラクレスの塔

南アフリカの人類化石遺跡群

基準(4)

(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。

基準(4)のみが適用された物件には、ルーゴのローマ城壁スペイン)、レヴォチャ歴史地区、スピシュスキー城及びその関連する文化財スロバキア)、フォントネーのシトー会修道院フランス)、ラ・ショー=ド=フォンとル・ロックルスイス)、クロンボー城デンマーク)、ペタヤヴェシの古い教会フィンランド)、バハラ城塞オマーン)、アブ・メナエジプト)、ビニャーレス渓谷キューバ)、グアラニーのイエズス会伝道所群ブラジルアルゼンチン)などがある。

クロンボー城

バハラ城塞

ビニャーレス渓谷

基準(5)

(5) ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。

基準(5)のみが適用された物件には、クルシュー砂州ロシア / リトアニア)、マドリウ=ペラフィタ=クラロ渓谷アンドラ)、ホッローケーの古い村落とその周辺ハンガリー)、ヴェーガ群島ノルウェー)、アシャンティの伝統的建築物群ガーナ)、オマーンの灌漑システム・アフラジオマーン)などがある。文化的景観はしばしばこの基準が適用される[7]

マドリウ=ペラフィタ=クラロ渓谷

ヴェーガ群島

クルシュー砂州

基準(6)

(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。

基準 (6) のみが適用されて登録されるのは、例外的なケースである。原爆ドーム(日本)、ゴレ島セネガル)、アウシュヴィッツ強制収容所ポーランド)など、いわゆる負の世界遺産だと考えられる遺産は、基準(6)のみの適用が見られる[7]。このほか、リラ修道院(ブルガリア)、独立記念館(アメリカ合衆国)、ランス・オ・メドー国定史跡(カナダ)、ヘッド-スマッシュト-イン・バッファロー・ジャンプ(カナダ)なども、(6) のみが適用されている。

原爆ドーム

リラ修道院

独立記念館

ヘッド-スマッシュト-イン・バッファロー・ジャンプ

登録に当たっては複数の基準が適用されることが多く、なかには4項目、5項目が適用されるケースもあるが、6項目全てが適用された物件は莫高窟中国)、泰山(中国)[注釈 3]ヴェネツィアとその潟イタリア)の3件のみである(2015年の第39回世界遺産委員会終了時点)。
グローバル・ストラテジー

「世界遺産リストの代表性、均衡性、信用性のためのグローバル・ストラテジー」(1994年)では、文化遺産の偏りを是正するため、文化的景観産業遺産20世紀以降の現代建築などを登録していくことの必要性が確認された。
文化的景観詳細は「文化的景観」を参照

文化的景観は1992年の「世界遺産条約履行のための作業指針」で盛り込まれた概念である。人の文化的な営みと自然が有機的に結びついた景観であり、ICOMOSの勧告書でも公式に分類されている。上に挙げた例だと基準(4)のみで登録されたビニャーレス渓谷、基準(5)のみで登録されたクルシュー砂州マドリウ=ペラフィタ=クラロ渓谷などが該当する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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