文化庁
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2001年の中央省庁再編により、文部科学省の外局となるとともに、施設等機関であった国立博物館や国立美術館などを独立行政法人として分離した。

政府機関においては、高度経済成長期より東京一極集中の是正の対案に地方移転が挙げられていたが、文化庁は2023年、地方創生政策に基づき京都への移転を行った[8]。中央省庁としては明治以来初めての地方移転となった。
沿革

本館(京都府庁4号館)

新行政棟(京都府庁3号館)

東京庁舎である中央合同庁舎第7号館(旧文部省庁舎)

かつて文化庁が設置されていた文部科学省仮庁舎(2005年12月撮影)


1873年11月10日 - 内務省が設置される。

1874年1月 - 司法省から内務省に警保寮が移管される。

1875年6月28日 - 讒謗律新聞紙条例を公布・施行。

1881年1月14日 - 警視庁の再設置に伴い、内務省の警視局を警保局に改編。

1893年4月14日 - 出版法を制定。

1909年5月6日 - 新聞紙法を制定。

1941年12月13日 - 新聞事業令を制定。

1945年10月6日 - 新聞事業令が廃止される。

10月13日 - 内務省警保局検閲課(旧図書課)検閲係が廃止される。


1947年6月10日 - 内務省官制の一部改正(政令第39号)により、内務省警保局検閲課(旧図書課)は、文部省社会教育局文化課として再編される。

7月30日 - 文部省社会教育局に著作権室が設置され、間もなく文部省管理局著作権課となる。その後、再び社会教育局に戻り、文部省社会教育局著作権課となる。

12月31日 - 内務省が解体・廃止される。


1949年5月24日 - 出版法と新聞紙法が廃止される。

1950年8月29日 - 文化財保護法施行。文部省社会教育局の文化財保存課を廃止し、同省の外局として文化財保護委員会を設置。

1966年5月1日 - 文部省の内部部局として文化局を設置。
調査局が廃止され、旧調査局の国語課、宗務課、国際文化課と、社会教育局の芸術課、著作権課とを統合して設置した。調査局のその他の所掌事務は大臣官房(調査統計事務)と大学学術局(留学生事務)に移管した。

1968年6月15日 - 文化局と文化財保護委員会を統合し、文部省の外局として文化庁を設置。
佐藤栄作首相の強力な指示により、各省庁が一律に1局を削減する措置が断行され、その一環として実施された。他省庁が局の統廃合や部への格下げなどで対応する中、文部省が外局である「庁」を新設するということに対して、疑問視する意見も見られた。

1974年6月18日 - 文部省の内部部局として学術国際局が新設されたことにより、文化庁の国際文化課は同局に移管。
大学学術局と日本ユネスコ国内委員会事務局を再編して、大学局と学術国際局を新設。日本ユネスコ国内委員会の事務局機能は学術国際局に置かれたユネスコ国際部が引き継いだ。

1998年7月1日 - 著作権課を文化部から長官官房に移管し、長官官房審議官(著作権担当)を設置。

2001年1月6日 - 中央省庁再編により、文化庁は文部科学省の外局となる。
また、文化財の保護だけでなく活用にも目を向けた施策を推進するという趣旨で、文化財保護部を文化財部に改称。

12月7日 - 文化芸術振興基本法が施行される。


2017年4月1日 - 京都移転の先行拠点として地域文化創生本部京都市に設置。

6月23日 - 文化芸術振興基本法が文化芸術基本法に改正される。


2018年10月1日 - 長官官房および部が廃止され、次長2名、政策課や企画調整課、文化経済・国際課など9課・2参事官に再編。

2020年4月1日 - 参事官(文化観光担当)・参事官(食文化担当)を設置。

2023年5月15日 - 京都庁舎へ本格移転。5課3参事官は東京庁舎に存置[注釈 1]

所掌事務

文部科学省設置法第19条によれば、同法第4条に文部科学省の所掌として掲げられた全95号にわたる事務のうち、文化庁は合計27号の事務をつかさどる。具体的には以下に関することなどがある。

地方
教育行政に関する制度の企画および立案ならびに地方教育行政の組織および一般的運営に関する指導、助言および勧告(第3号)

地方公務員である教育関係職員の任免、給与その他の身分取扱いに関する制度の企画および立案ならびにこれらの制度の運営に関する指導、助言および勧告(第5号)

私立学校教育の振興のための学校法人その他の私立学校の設置者、地方公共団体および関係団体に対する助成(第30号)

社会教育の振興に関する企画および立案ならびに援助および助言(第32号)(博物館に係るものに限る)

社会教育のための補助(第33号)(博物館に係るものに限る)

外国人に対する日本語教育(第36号)(外交政策に係るものを除く)

公立および私立の文教施設ならびに地方独立行政法人が設置する文教施設の整備に関する指導および助言(第38号)

公立の文教施設の整備のための補助(第39号)

文化に関する基本的な政策の企画および立案ならびに推進(第77号)

文化に関する関係行政機関の事務の調整(第78号)

文化の振興に関する企画および立案ならびに援助および助言(第79号)

文化の振興のための助成(第80号)

劇場音楽堂美術館その他の文化施設に関すること(第81号)

文化に関する展示会、講習会その他の催しを主催すること(第82号)

国語の改善およびその普及(第83号)

著作者の権利出版権および著作隣接権の保護および利用(第84号)

文化財の保存および活用(第85号)

アイヌ文化の振興(第86号)

興行入場券の適正な流通の確保に関する関係行政機関の事務の調整(第86号の2)

宗教法人の規則、規則の変更、合併および任意解散の認証ならびに宗教に関する情報資料の収集および宗教団体との連絡(第87号)

国際文化交流の振興(第88号)(外交政策、学術およびスポーツの振興に係るものを除く)

ユネスコ活動の振興(第89号)(外交政策に係るものは除く)

地方公共団体の機関、大学、高等専門学校、研究機関その他の関係機関に対し、教育、学術、スポーツ、文化および宗教に係る専門的、技術的な指導および助言(第91号)

教育関係職員、研究者、社会教育に関する団体、社会教育指導者その他の関係者に対し、教育、学術、スポーツおよび文化に係る専門的、技術的な指導および助言(第92号)

所掌事務に係る国際協力(第93号)

政令で定める文教研修施設において所掌事務に関する研修(第94号)

前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき文部科学省に属させられた事務(第95号)

文化庁の事務の主要部分である文化芸術の振興については、「文化芸術の振興に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、文化芸術の振興に関する施策の基本となる事項」を定めた「文化芸術基本法(平成13年12月7日法律第148号)」が根本基準である。

オンライン上にメディア芸術データベースを運営している。
芸術祭・顕彰

文化芸術基本法は、「国が、文学、音楽、美術、写真、演劇、舞踊その他の芸術の振興を図るため、これらの芸術の公演、展示等への支援、これらの芸術の制作等に係る物品の保存への支援、これらの芸術に係る知識及び技能の継承への支援、芸術祭等の開催その他の必要な施策を講ずる」(第8条)。また、「映画、漫画、アニメーション及びコンピュータその他の電子機器等を利用した芸術(メディア芸術)の振興を図るため、メディア芸術の制作、上映、展示等への支援、メディア芸術の制作等に係る物品の保存への支援、メディア芸術に係る知識及び技能の継承への支援、芸術祭等の開催その他の必要な施策を講ずる」(第9条)をそれぞれ定めている。これらの規定を受けて、文化庁はその具体的な施策として、文化庁芸術祭芸術選奨国民文化祭全国高等学校総合文化祭文化庁メディア芸術祭文化庁映画賞および文化庁映画週間といった芸術祭や顕彰を主催している。

文化庁芸術祭は、優れた芸術の鑑賞の機会を広く一般にするために開催される諸芸術の祭典である。1946年に文部省主催ではじまって以来、毎年秋に行われている。現在は文化庁文化部芸術文化課・文化庁芸術祭執行委員会が企画している。「主催公演」、「協賛公演」、「参加公演」および「参加作品」の4区分から成る。参加公演および参加作品は、参加を希望する公演・作品の中から執行委員会が芸術祭にふさわしい内容と認めたものである。


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