教育
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「家庭教育」と言っても、家庭という場とともに、ひとりひとりの家族との人間関係が重要な意味をもっていると言える[7]。基礎的な価値観をこどもに示すことはしつけと呼ばれている[註 2][7]
自己教育詳細は「独学」を参照

教育の対象は他者であるとは限らず、自分自身であることもあり、その場合には自己教育(: self-education, autodidacticism)と言うことがある。
オープン教育

離れた場所に居る者に対して行われる教育は、遠隔教育(遠隔地教育)・通信教育という。最近では、世界の一流大学の一流の教授の講義がインターネット経由で公開され、国境を越え各地で受けることができるようになってきている。(MOOC
教育制度詳細は「教育制度」を参照

教育に関する制度教育制度といい、主に学校教育が中心となるが、社会教育など学校外の制度もある。教育制度は、学校制度義務教育の年限など、国によって異なっている。日本においては初等教育(小学校)ならびに前期中等教育(中学校)が義務教育となっているが、この年限は国によってまちまちで、後期中等教育(日本における高等学校にあたる)までを義務教育としている国家もあれば、初等教育のみを義務教育としている国家もある。しかし総じていえば、義務教育の規定のない国家は非常に少なく、ほとんどの国家においてはなんらかの形で義務教育期間が存在している。
教育行政・教育政策詳細は「教育行政」を参照

教育に関する行政教育行政、教育に関する政策教育政策と呼ぶ。日本の教育政策については、日本の教育政策と教育制度を参照。教育政策の課題は国によって大きく異なっているが、先進国においてはおおむね社会的格差の解消や国際的な経済競争知識社会化への対応などが、発展途上国の多くでは識字率就学率の向上が、求められている。

教育に関する法律を教育法と言う。条例等も含める場合には、教育法令と呼ぶ。
教育施設詳細は「教育機関」および「学校」を参照

教育の行われる施設教育施設又は教育機関と呼ぶ。学校のみならず、図書館博物館美術館公園劇場映画館のような娯楽施設も、広く社会において教育的な機能を果す施設を含めて考えられる。基本的な生活態度の養成という観点からは、家庭地域社会での教育も含まれる。

教育施設の中でももっぱら教育のために設立される施設を学校と呼ぶ。学校において行われる教育を学校教育と呼び、その就業年数や義務の有無など学校に関する制度を学校制度と言う。
教育の課程・内容・方法

教育のために用いられる素材は、教材と呼ばれる。伝統的な教科書黒板や従来から語学学習などで用いられてきた音声教材に加えて、近年では科学技術の発達に伴い、コンピュータマルチメディアインターネットなどを積極的に活用する動きが高まっている。また、電子黒板やインターラクティブ・ホワイトボードなどの最新機器も用いられ始めている。
教育内容

知育・徳育・体育の分野がある。正確な知識という共通基盤がなければ正しいコミュニケーションや共同生活すら図れないし、またそうした知識をいかに活用していくかという、思考力コミュニケーション能力・創造力等の技能も不可欠である。さらに、知識や技能のみならず、社会生活を営む上での基本的な道徳を教育することに価値を置く見解や、社会で生き抜く体力を重視する見解もある。教育の内容について詳しくは、「教科」を参照。また、新しい教育内容として、人権教育環境教育国際理解教育性教育がある。
教育方法

教育方法に関しては大きく二つの立場が対立している。

一つは、学問の体系的な構造に従って系統的に教育を行うべきだという、系統学習の立場である。これは特に教育段階が上がるにつれて教育内容が学問の体系に近づく。

その一方で、特に幼児児童への教育を中心として、こどもの自発的な学びを尊重すべきだとする問題解決学習進歩主義児童中心主義経験主義)の考えも強い。日本の小学校における生活科や小中学校の総合的な学習の時間は、この考えに影響を受けたものであると言われている。なお、現段階の学校教育では成績や課題の提出の有無などを物差しで生徒を測る事で成績を測定するため、個性を伸ばす力がかけている[要出典]。
教育効果

教育を受けた個人に起こる変化を「教育効果」と呼ぶ。一般的には学力の向上が思い浮かべられることがある。現在の日本では、学校教育に関わる学力を紙面の試験測定できるもの、とりわけ偏差値で計る傾向が強く、このことに対して強い批判が長年存在しつつも、受験現場では不可欠となっている実態がある。

教育効果に関する議論は、教育内容や教育方法などを改善する上で欠かせない一方、教育目的測定可能なもののみに置き換えがちな点には注意が必要である[要出典]。
教育と社会
教育問題詳細は「教育問題」を参照

教育に関わる問題、とりわけ教育が社会に関わる問題のことを教育問題という。特にその深刻さを強調する場合には、教育病理または教育危機とも呼ぶ。教育活動は複数の人間が集まって行われる以上、そこに必然的に社会が生まれる。学校や学級などはその例である。そこにおいて何らかの問題が生じることがあり、いじめ不登校学級崩壊教員児童生徒学生との権力関係などがここに含まれる。

政治・経済・地域社会・文化などは教育活動に大きな影響を与えているが、こうした影響が問題を生じさせることがある。例えば、国の諸政策マスコミによる報道などは、学校教育はもちろん家庭教育社会教育にも大きな影響を与えている。

学校教育を含む教育活動は、社会一般に対しても大きな影響を与える。狭義で教育問題とは、この局面で生じる問題を指すことがある。学歴管理教育偏差値非行少年犯罪学力低下など学習者、特にこどもを通じて結果として社会に与える影響の他にも、教師のあり方や学校大学のあり方、学閥などの問題として、教育問題は広く社会病理の一領域をなしている。
教育社会学詳細は「教育社会学」を参照

教育社会学では、教育が社会に及ぼす効果として、経済・政治・社会などに与えるものが議論されている。

教育を行った結果としてどのようなことが起こるかについては、個人に与える影響と社会に与える影響の両面がある。エミール・デュルケームは、近代における教育の機能を「方法的社会化」であると捉え、政治社会と個々人の双方が必要とする能力態度の形成であるとした[10]。なお、教育が適切な効果・機能を果していない場合には、「教育の機能不全」、教育がむしろ否定的な効果・機能を果している場合には「教育の逆機能」と呼ばれることがある。

学校軍隊病院監獄などと同様の近代特有の権力装置であるとしたミシェル・フーコー [11]、学校教育が近代社会に支配的な国家イデオロギー装置であると論じたルイ・アルチュセール[12]、教育が文化的階級的・社会的な不平等格差再生産または固定化する機能を果しているピエール・ブルデューバジル・バーンスタインサミュエル・ボールズハーバート・ギンタス、教育は家父長制を再生産しているとのフェミニズムからの議論、教育は社会の多数派の文化を押し付けているという多文化主義からの議論、などが有名である。


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