平成26年(2014年)のOECD国際教員指導環境調査(TALIS)、平成29年(2017年)の文部科学調査で日本における小中学校教諭の勤務時間が突出して長時間となっていることが明らかになり、教職員の働き方と学校業務の在り方を検討した中央教育審議会の答申が学校における働き方改革として、平成31年(2019年)1月に取りまとめられ、これを受け、文部科学省は、学校における働き方改革の取組を進め、各自治体でも教職員の勤務時間短縮と学校業務改革についての実施計画が策定されている。教師に精神障害が多発しているが、長時間労働も一因と考えられるとの意見がある[33]。関連して、給特法とは関係なく労働基準法が適用となるはずの私立学校の教員も、その多くで残業代が払われていないとの指摘もある[34]。2020年12月、公立学校教員の勤務時間を年単位で調整する「変形労働時間制」の導入を柱とした改正教職員給与特別措置法(給特法)が成立した。自治体の判断により2021年度から、変形労働時間制を活用した「休日まとめ取り」が可能となったが[35]、2020年4月からの新型コロナウイルス感染症対策として全国で小中学校の休校が相次ぎ、その代償として学習指導要領のカリキュラムを履行するため、夏休みを返上を表明している自治体も出ていると報道されている[36]。
教育多忙の要因は、平成26年11月の文部科学省調査では「国や教育委員会からの調査等への対応」を筆頭に、「研修会や教育研究のレポート作成」、「児童・生徒・保護者アンケートの実施・集計」、「保護者・地域からの要望・苦情等への対応」に多くの時間が費やされ、多忙感を増大させているとの結果となっている[37]。教職員の残業に関する訴訟では、残業に対する認識の違いについて教員の訴えと学校とで食い違いを見せた。アレルギー除去食への注力や校長指示で給食残菜をなくすことに神経を注ぐ必要があったこと、給食や掃除の時間には事務ができないとする教員に対し、給食の時間でも事務はできるなどとする学校との対立姿勢が浮き彫りになされた[38]。
「教師のバトン」プロジェクト「教師のバトン」も参照
2021年の3月26日、文部科学省の「『#教師のバトン』プロジェクト」が開始された[39]。このプロジェクトは、教員を目指す若者がこれまでになく減っている中で、現場から教員の魅力を発信してもらい、教員の仕事の魅力を知ってもらおうと企画されたものであった[39][40]。学校の「働き方改革」の好事例などについて、Twitterなどで「#教師のバトン」のハッシュタグをつけて教員に投稿してもらうという予定だった[39]。
しかし、プロジェクトが始まると、長時間労働、休憩が取れない忙しさ、部活動の負担など、教員の窮状を訴える声が多く投稿された[41]。文部科学省には、現場の訴えに耳を傾けて改革を後押しするよう求める意見が出た[42]。30日には萩生田光一文科相が記者会見で「学校の厳しい勤務環境が明らかになった」と言及する事態となった[43][44]。また同時に「願わくば、学校の先生ですから、もう少し品の良い書き方をしてほしい」と苦言を呈した[42]が、これに反発する投稿も見られた[45]。さらに、プロジェクトを所管する文部科学省の総合教育政策局の局長は4月8日に急遽「メディア向け説明会」を開き、「社会から注目いただいていると前向きにとらえ、厳しい訴えを率直に受け止める」と述べた[40]。 フランスでは、小学校教員は公務員基本法(Statut general des fonctionnaires)によって公務員とされており、採用には修士号(Bac+5)が求められる。 ドイツの教員の多くは公務員であり、大学において(Lehramtstudien、Teaching Education Studies、教育学)を履修した者から採用される。給与は公務員給与インデックス指標(Bundesbesoldungsordnung)に基づいて決まる。
フランス
ドイツ
著名な教員詳細は「教育関係人物一覧」を参照
フアン・パブロ・ボネット
シャルル・. ロラン