教員
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また、多くの教員が修士博士学位をもっているが、実務家を据える際には学士の学位や高校卒の場合がある。

大学院の指導教員になるためには、文部科学省の審査を受け、いわゆる「マル合教員」にならないといけないとされる。
太平洋戦争前

学校によって、また資格によって教員の名称は異なった。

小学校にはおおむね5種の正規の教員があった。
尋常小学校高等小学校の全科目教授し得る小学校本科正教員(小本正)

尋常小学校の全科目を教授し得る尋常小学校本科正教員(尋本正)

小学校の教科目のうち唱歌体操裁縫、手工、農業商業図画外国語のうち一定の科目に限り教授する小学校専科正教員(専科正教員または尋正)

(本科正教員を補助するものを准教員といい、)尋常小学校、高等小学校の准教員である小学校本科准教員(本准)

尋常小学校のみの准教員である尋常小学校准教員(尋准)

このうち1、2、3を訓導といい、4、5を准訓導といい、さらに尋常小学校准教員に代用する無資格者を准訓導心得(代用教員)といった。

中等学校特殊学校の正規の教員は教諭といい、一定数の教授を有することがあった。

旧制高等学校、高等諸専門学校大学には教授助教授講師があった。教授は中心的な活動を行い、助教授はこれを補佐し、特に必要なとき講師を置いた。外国人の教師で教授に準じるものを教師という。さらに学生生徒行動思想の取締、指導のために学生主事、生徒主事が教師に数えられる。これを補佐する主事補もあった。

官公立の学校教師は官吏であり、その言動は官吏服務規定によって規準が示された。通常、訓導判任官待遇であり(「待遇」については待遇官吏参照)、特に一定数の校長に限り奏任官待遇を受けることがあった。教諭は判任官あるいは判任官待遇であるが、一定数の奏任官あるいは奏任官待遇のものがあり、校長はいずれも奏任官あるいは奏任官待遇であった。教授のうちには勅任官待遇のものがあったが、通常、奏任官であり、助教授は奏任官であった。省庁の直轄学校校長は勅任官であった。官立師範学校の教員、陸海軍の多くの学校の教師も教官と呼ばれ、軍人でない文官教官と、軍人である武官教官と対比させることがある。

私立の諸学校では官立学校に準じて以上のような呼称が用いられるが、その意味は必ずしも一致しなかった。教員の正規の資格の有無は教員免許状によって示された。

現在も国立機関の教職員(国家公務員)は教官と呼ばれる(防衛大学校、防衛医科大学校、国立大学附属学校など)。
教育職員免許状の失効(現在)

現在では、教員が懲戒免職処分を受けると、教育職員免許法の規定により、その所持する教員免許状も失効する。
文部科学省が教育委員会や学校法人等の教員採用権者に提供している「官報情報検索ツール」(官報に公告された教員免許状の失効情報を検索できるシステムとツール)により検索可能な情報の期間を、「直近3年間」から「直近40年間」に大幅に延長した。これにより、採用権者は教員の採用に当たり、対象者が過去40年間に懲戒免職処分等を受けたことの有無を同ツールで簡便に確認、開示できるようになり、より慎重な採用選考が可能となる。また、教員免許状の失効事由である懲戒免職処分等について、その具体的な理由の主な類型(児童生徒等に対するわいせつ行為等)が判別できるよう、省令(教育職員免許法施行規則)の改正を行い、令和3年4月に施行された[4]
文部科学省による教員への処分と対応

児童生徒等を守り育てる立場にある教員が、児童生徒等に対してわいせつ行為を行うことは、決してあってはならないことであり、文部科学省では、このような悪質で重大な問題について厳正かつ実効性のある対応を検討・実行することとなった。児童生徒等に対してわいせつ行為に及んだ教員の厳正な処分については、これまでも、原則として懲戒免職とするよう各教育委員会に対して指導していたが、令和2年9月時点で、全ての都道府県・指定都市教育委員会の懲戒処分基準において、その旨の規定が整備された[5]

また、そのほかにも教員によるわいせつ行為の防止のために必要となる取組について、例えば
児童生徒とSNS等による私的なやりとりをしてはならないことの明確化

執務環境の見直しによる密室状態の回避等の予防的な取組等の強化

採用希望者の経歴等を十分に確認し、適切な採用判断を行うこと

などについても通知に明記し、各教育委員会に対応を順次求めていく方針を示している[6]
教員から児童生徒への性的加害問題

2019年度までの5年間に猥褻・セクハラ行為で懲戒処分を受けた公立小中高校などの教員が千人を超え、このうち約半数が自校の教え子に加害行為をしていた[7]。過度な服装調査も猥褻やセクハラの場面となることもある。なお、文部科学省は猥褻教員の免許再取得を3年から5年に延長する方針の教育職員免許法(教免法)改正の動きがあり2020年現在批判が集まっている[8]
沖縄県の公立中学校で、部活動の副顧問をしていた男性教諭からスカート内に手を入れられるなどの猥褻行為を受けた女子生徒が、高校進学後の12月に自殺した事件も起こっており[9]、猥褻行為が明らかにあったのは学校や教育委員会の調査ではなく遺族の調査によることも明らかになっている[10]。なお県教委は14年にこの加害教諭がわいせつ行為で懲戒免職したがこの免許の失効情報を官報に掲載していなかった、これが明らかになり文科省は問題視している[11]。2019年1月には大分県の高校で教諭の男性(33)が教え子の高校生に手を出し、不倫関係である交際を苦にした女子高校生は自殺を図り意識不明の重体となった事件があった[12]


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