政治資金規正法
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2005年汚職事件日歯連闇献金事件を機に、政治資金団体に関する寄附の出入りについては原則銀行や郵便振込み等で行うこと、また匿名での寄付や現金での寄付に関しては各都道府県への報告しその金額を国庫へ納付することが義務づけられた[6]。日本が国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約に署名し、国連腐敗防止条約への署名も控え、政治資金等の流れの透明化が必要であったことにも関連していると思われる。
また、政党及び政治資金団体以外の政治団体間の寄附の上限(年間5000万円まで)が設けられた(それまでは無制限)。

2007年事務所費問題を受け、資金管理団体による不動産取得の禁止や資金管理団体の収支報告義務の強化を内容とした改正が行われた。2008年国会議員関係政治団体に関して、全ての領収書の開示や第三者による監査義務付けを柱とした改正法施行(2009年分の収支報告書から適用)。

問題点

政治資金は政治活動を目的とした資金であり、政治家にはこれとは別に給与(歳費)が支払われていて、また政治団体は法人税が非課税など数々の税制優遇を受けている。政治資金の原資は税金(政党交付金など)や税控除(送り手)・非課税(受け手)を受けている寄付金・政治献金などである。

それなのにも関わらず下記のような問題が存在している。

政治資金規正法には支出についてほぼ規制は存在しない。このため政治活動と全く関係のない使われ方(私的流用・不正蓄財)も多くなされている。

政治家の親族への支出に対しても規制されていない。このため政治資金が親族や親族が関係する団体に支払われマネーロンダリングを経て政治家本人・親族の個人資産となる。

政党交付金などの、用途を一部規制されている資金も迂回することにより自由に使うことができる。例えば借金の返済が認められていない政党交付金も自身や親族の政治団体・会社を経てマネーロンダリングすることにより寄付金として借金返済に使われている。

政治団体を継承しても相続税贈与税は一切かからない。このため議員(親)が自身の資産を全て政治団体に寄付することにより二世議員(子)は親の資産を非課税で相続している。

政治団体の解散後に政治資金の処分に関する規定はない。このため事実上政治家の個人資産となってしまう。

1万円以上の領収書の公開義務は国会議員の政治団体や国会議員関係政治団体のみであり、他の政治団体は5万円以上からが義務である。このため国会議員の親族の政治団体を迂回させた資金還流や首長・地方議員などの政治資金の使途は不明になる。

調査研究広報滞在費立法事務費政務活動費などは使途を公開報告をすることを義務付けられていない。そのためどのように支出されているか不明になる。

自身の販売物を自身の政治団体が購入することが禁止されていない。そのため政治資金で自著などを大量に購入し政治資金を個人資産にすることができる。

政治家は自身の政治団体に自身が寄付を行い税制控除を受けることができる。このため自身の収入を自身の政治団体に寄付して課税を逃れることができる。

罰則規定の大半が3年で時効となっており非常に短い。加えて収支が公開されるまでの期間を考慮するとより短くなる。

企業・団体献金は特定の企業への利益供与にならないよう献金を受け取ることができるのは政党(本部・支部)に限られている。しかしながら政党支部の設立には基本的に規制はないため誰もが企業・団体献金を受け取る事が可能となっている(平成20年度:政党支部届出数、自民党7726、民主党552、公明党440、社民党292)。

脚注[脚注の使い方]^ “なるほど!政治資金 政治資金の規正”. 総務省. 2023年12月21日閲覧。
^ “前原外相が辞任、外国人献金で引責 就任半年 菅政権に打撃 - 日本経済新聞”. 2023年7月29日閲覧。
^ 法令全書集会及政社法(明治23年7月25日法律第53号)
^ 政党法は憲法に定める「結社の自由」等との関連で反対論が強く、現在に至るまで制定されていない。ただし、政党への法人格付与については、1994年政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律が成立した。
^ このとき、併せて政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律が制定された。
^ 衆議院「政治資金規正法の一部を改正する法律(平成17年法律第104号)」

関連項目.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキソースに政治資金規正法の原文があります。

政党助成法

政治資金パーティー

政治献金

国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範

外部リンク

政治資金規正法
- e-Gov法令検索

政治資金規正法施行令 - e-Gov法令検索

政治資金規正法施行規則 - e-Gov法令検索

政治資金 - 総務省


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