政治家
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政治家を選出する側である有権者は、諸制度の改善や地元地方へのインフラ整備などによる社会的・福祉的な恩恵、あるいは国家的なイベントや企業誘致や公共事業受注などによる経済効果を求めるし、政治家も地元への便宜をはかることで次の選挙での再選を期そうとする。社会的な利益の還元として地元を潤す形であれば特に法を犯すこともないが、一部政治家の強烈な圧力によって公共事業の計画を大幅に変更させたり、公共事業をばらまいたりといった行為がしばしば非難の対象となる。こういったことは日本に限らずアメリカでも聞かれる話で、少し古い話だが、1950年代後半にアメリカ陸軍準中距離弾道ミサイルMGM-31 パーシングの主契約企業の選定作業で、元ミシガン州知事であった陸軍長官ウィルバー・ブラッカーが、契約ミシガン州の企業に与えるように地元から圧力をかけられていたことがあった。候補に挙がっていた企業の中でミシガン州の企業はクライスラーだけであったが、実際に受注したのはマーティン・マリエッタであった。

こういった政治家を仲立ちとする利権が、制度の不備の改善や交通網の整備といった公共の福祉を大幅に超えて特定の個人企業に対する不正な利益供与に至ると汚職事件にも発展していく。政治家の汚職は幾度となく問題となり、逮捕者が出たり、有罪判決が出て失職するような事件が起こっても後を絶つことがない。また、有罪判決を受けて失職してしまったにもかかわらず、有権者の地元への恩恵の期待から、その政治家が次の選挙で再び当選してしまうことも決して珍しいことではない。
政治家のクオリティ

ヴェーバーは、『職業としての政治[6]』の中で、政治家にクオリティ(Qualitaten)として次の三つを挙げている[7][8][9]
情熱 (Leidenschaft) : Sacheへの情熱

責任感 (Verantwortungsgefuhl)

目(Augenmas) : 距離をおくこと

日本の「政治家」

一般的に内閣総理大臣国会議員地方議会議員地方自治体首長などが政治家と呼ばれている[1]公職選挙法政治資金規正法においては、その適用対象となる「候補者、立候補予定者、現に公職にある者」を総称して政治家と呼ぶ[1]

政治家は、国民の代表者として選挙によって選ばれた上で、有権者の意思を地方自治体の政策に反映させようと活動する[1]。主な仕事は、自らが所属する議会委員会での議案の審議に参加することで、修正などの作業に関わり最終的に表決することである[1]。また、陳情を聞いたり集会に参加することで有権者の意見を聞き政策に反映させる[1]。地方自治体の首長大臣など行政府の役職に就いた場合には、官僚機構全体を統括して調整し動かすことで政策を決定・実行する[1]

近年では、親族や親戚の後を継承した世襲政治家や、タレントとしての知名度を武器に当選したタレント政治家の割合が増えつつあるが、このような形で政治家となることに疑問を呈する意見もある[10][11][12]。世襲議員に関しては、国会議員のうち、選挙における地盤や資源に恵まれるため、当選回数が多く、自分が代表する地域により多くの補助金をもたらしているという分析がある[13]。タレント政治家に関しては、批判も多いが政党を牽引しているとする指摘もある[14]

また現在、政治家はお札の肖像画になることが出来ない[注 1]


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