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政党(せいとう)とは、共通の政治目的を持つ者によって組織される政治団体である[注釈 1]選挙革命を通じて政治権力を獲得、維持し、または政策決定過程に影響力を行使することによって、政策を実現しようとする。政党は市民革命以後の近代欧米諸国において、選挙制度とともに発達した。現代では欧米に留まらず、ほとんどの国において政党を基軸にした政治が展開されている[1]日本国内においては、政党助成法における政党要件を満たした政党(いわゆる国政政党)のみを指す場合もある。
概説

政治において政策や主張に共通点のある者同士が集まって、意見の集約と統一された政策の形成を図り、政権を担当もしくは政策決定過程に影響力を持つことで政策の実現を図る集団を政党という[1]。名士や有力者の活動家から成る名望家政党と、できるかぎり多数の党員を組織して彼らから資金を集めて代表者を党員による選挙で選ぶ大衆政党に大別できるが、実際にはほとんどの政党がこの2つのタイプの要素を混合して持っている[1]

政党の結成を結党[2]解散を解党といい[3]、政党に加入している者を党員[4]、その最高責任者を党首[5]、党を外部から支持し援助する者を党友と呼ぶ[6]

また、政党の目的とその実現の道筋を定めた文書は一般に綱領と呼ぶ。歴史的には体制変革を目指す党、とりわけ社会主義政党は綿密な党綱領を持つことが多い。保守主義政党や中間政党のような特定の世界観を持たない党の場合は一般的・抽象的な綱領に留まることも多い[7]

政党の数や権力との関係による分析には、一党独裁制複数政党制ヘゲモニー政党制などがある[8]。また政権に参加している政党を与党、参加していない政党を野党と呼ぶが、社会主義国では政党は共産党のみで野党は存在しないことが多い[9]
機能

政党は社会に発生する紛争を政治問題として提示することが必要となる。ガブリエル・アーモンドはこの機能を利益表出機能と呼んだ[10]。また、社会内部の様々な利益を集約し、政治へと反映させる機能がある。政党が政策という形で市民に対し利益の集約したものを提示し、政府に対してそれを提示して実行させるよう努める。これを利益集約機能と呼ぶ。また、政党が集約したわかりやすい政策や争点を市民に提示することで、市民の政治への理解・参加を促進させる機能も持つ[10]

政治指導者の補充・選出機能も重要である。政策の似通ったものから候補を選抜して選挙に出馬させ、当選すれば党内にて経験を積ませながら育成し、より高度な集団を率いることのできるようなリーダーを育成していく。そして政党の力を利用してそのリーダーを元首などの国家指導者に就任させる。この際政党は政府内部で内閣や大統領府を自らのメンバーを主体として組織し、政策決定機関を組織化することも行う[11]。そして選挙によって勝利した政党は与党として政権を担当し、敗北した政党は野党として与党の政策の不備な点を批判し、監視・修正させる機能を持つ[12]。この与党・野党は民主主義国家であれば選挙結果によって当然入れ替わりを生じるため、政党には政権担当能力・政権批判能力のどちらも保持していることが求められる[13]

一党独裁という用語があるとおり、独裁政治の場合でも、政党は決して無用なものではない。権威主義体制下における政党の機能としては、権力の共有を確保する機能が挙げられる。一党独裁国家において政権のトップには任期が定められていることも多く、後継者はふたたび党内から選出されるため、有力者が次期政権を獲得する期待を持つことが出来、武力による権力奪取の動きを抑える役割を果たすのである[14]。一党制国家では上記のような権力継承のシステムが確立されているため、権威主義体制のなかでも安定度が高く長期化しやすい体制となっている[15]
管理運営

政党の規律の強さは各国によって異なる。日本や西欧など議院内閣制の国家においては党内の規律が強く、各議員には党議拘束がかけられ、議会では党の決定の通りの投票をすることが求められる。これに対し、アメリカなどでは党の規律が弱く、各議員はそれぞれの判断に従って投票を行い、党議拘束はかけられない[16]

政党の収入は、党員から徴収する党費や、政党自身が運営する事業からの収入、政治献金などが主なものであり、収入の柱は各国・各党によって異なる。また、政府から政党に対し助成金が交付される国家も存在し、日本でも1995年以降政党交付金が各党に交付されている[17]

党内において共通点を持つ者が集まって党全体に影響を与えるために形成する集団は派閥と呼ばれる。派閥は資金や役職などの利得の配分をおもな機能とし、分派とは異なる。分派は一定の主張のもとに全体の路線の改変を狙い、場合によっては分裂も辞さない集団を指す[18]
政党制詳細は「政党制」を参照

政党はその国によって、様々なシステム(政党制)が存在する。政党制は、まずは政党の数によって一党制複数政党制の二種類に分けられるのが通例である。一党制の国は政党の選択システムがないため政権交代が原理的に不可能であり、実質的には独裁制と同義である。名目上複数政党制となっている国においても、例えば中華人民共和国1989年以前の東ヨーロッパのいくつかの国のように政権交代が原理上不可能であり、覇権政党と衛星政党しか存在しない、いわゆるヘゲモニー政党制の国家も存在し、こうした国は当然民主国家とはみなされない。実質的な多党制の敷かれている国においては、主に政党数や政党間の関係によっていくつかの種類に分けられる。モーリス・デュヴェルジェの分類においては二大政党制多党制の2つに分類されていたが、のちにジョヴァンニ・サルトーリによってさらに細分化され、一党優位政党制、二大政党制、穏健な多党制分極的多党制、原子化政党制の5つに分けられるようになった[19]。また、このほかにもいくつかの政党制分類法が存在している。

各国の政党制は、当該国のさまざまな状況によって規定される。選挙制度と政党数には密接な関係があるとされており、1選挙区から1名のみ当選者を出す小選挙区制では政党が集約され二大政党制になりやすく、各党の得票率に応じて議席の配分される比例代表制においては多党制になりやすいとされる[20]。最大党が議会の過半数の議席を獲得できなかった場合は、多くの場合連立政権を組織し過半数を確保するが、まれに過半数に満たないまま内閣を組織し政権を運営する場合もある[21]

また、政党はその政治主張やイデオロギーによってもいくつかに区分される。共産主義社会主義社会民主主義民主社会主義自由主義キリスト教民主主義保守主義などである。


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